むかごの日記Ⅱ

70歳を過ぎてにわかに植物観察に関心を持ち、カメラを提げて、山野を歩いています。新・むかごの日記より引っ越しました。

ロウバイ:蠟梅・臘梅(雪を頂いて)

2017-01-16 12:42:40 | 植物観察記録

全国的に豪雪となった16日、庭のロウバイ:蠟梅・臘梅(ロウバイ科ロウバイ属)にも雪が積んでいました。
冬に咲く黄色い花と香を賞して好んで庭に植えられる落葉小木です。
中国では迎春の花として重んじられ、絵画の中で蠟梅と水仙あるいは蠟梅と南天が配された構図が”歳寒の二友“として好んで描かれるそうです。
蠟梅の名は黄色く透き通った花が蝋細工に似ているところからきたとされていますが、臘月(12月)に咲くから臘梅だとする説もあります。花は前年枝の葉脇に1個ずつつき12月~2月、葉に先がけて開きます。花の径2~3cmで、花被片は多数、外側は淡黄色、内側の花弁は短くて本来は暗紫色です。
最近では園芸種として改良がすすみ、内側の花弁も黄色いソシンロウバイ(素心蠟梅)や、さらに花弁の丸いマンゲツロウバイ:満月蠟梅といわれる品種も現れているようです。('15年2月25日記事参照)
蠟梅の名は黄色く透き通った花が蝋細工に似ているところからきたとされていますが、臘月(12月)に咲くから臘梅だとする説もあります。
蝋梅はだんだん改良されて、中心部の花弁も黄色い素心蝋梅や、花弁が丸くて香りも強い満月蝋梅というのが現れています。(’15年2月23日記事)
園芸業者によると蝋梅は実生で繁殖するのがおおいので、素心蝋梅からも満月蝋梅からも多くの選別品種が生まれて、同じ名前で売られていても多少異なるものが多いといいます。
何十年か前に、縁日の露店で買った我が家の蝋梅は、原種に近いらしく、中心に黄褐色の花弁があり、花の大きさも、香りも最近のものにくらべ劣っているような気がしますが、雪を頂いた姿は、素朴なだけにてかえって可憐さが増しているように思えました。

山茱萸:サンシュユ(雪を頂く冬珊瑚) 1月16日

2017-01-16 11:18:25 | 植物観察記録

今冬一番の大寒波襲来で、我が家のあたりも一面の雪景色となりました。
家の前の土手に植えたサンシュユ:山茱萸(ミズキ科ミズキ属)の赤い実に雪が積もっています。
この木は、中国、朝鮮の原産で、享保年間に薬用として日本に渡来したといわれます。グミ(茱萸)に似た紅色楕円形の果実は、山茱萸と呼ばれて生薬の強精薬にされたそうですが、いまではこの木はもっぱら庭木として植栽されています。何かにつけて衰えを感じる年になり、強壮薬と聞いて、自家製のサンシュユ酒を切らさないようにしています。
早春3月葉に先立って黄色い花をつけるので春黄金花、秋は赤い実で秋珊瑚と季節によって呼び名が変わります。果実は鮮やかな赤色でよく目立ちますが、あまり美味しくないのか、年を越えてもよく残っていたりします。
通りかかったご婦人連れになんという木ですかと聞かれてサンシュユと答えると、「ああ あの民謡の庭のサンシューのサンシューですか」と予想通りの反応でした。ほら来たとばかり、稗つき節の“さんしゅう”は、椎葉村の方言でサンショウ(山椒)のことです。得意げに教えたりしていました。