むかごの日記Ⅱ

70歳を過ぎてにわかに植物観察に関心を持ち、カメラを提げて、山野を歩いています。新・むかごの日記より引っ越しました。

カラスウリ:烏瓜(夏の短夜に咲く) 

2016-08-15 09:21:25 | 植物観察記録
いつも通る散歩道にカラスウリのつるがあり、早朝、しぼんだ花殻がいくつも見えました。
夕方蕾を取って帰り花瓶に挿しました。
夕方6時45分、わずかに蕾の先が動きはじめ、わずか15分でほとんど開花、30分も経つと白いレースの先まで伸びましたが、以前見たようにはレース糸の先端部がすっきり伸びず少し縮じれてています。
調べてみると、持ち帰った蕾は雄花のものでした。雄花は雌花に比べて開花が1時間程はやく、花びらが大きくて先の方が縮じれるとありました。
時間を追って開花を観察しました。










以前撮った雌花(花弁の先端まで伸びている)

カラスウリ:烏瓜(ウリ科カラスウリ属)は、太い根のあるつる性の多年草で雌雄異株、三角状円心形の葉は白い短毛があり柔らかい手触りです。何といっても特徴的なのは、夕方に開く真っ白な花で、5~6cmの花筒の上の花冠は5裂し、裂片の縁はさらに長いレース状になって垂れ下がります。
受粉の仲立ちをするのがスズメガなど夜行性蛾なので、夜目にもくっきり目立つ白い大きな花をつけ、甘い香りを放つ戦略です。
誰でも知っている秋の真っ赤な実と違って、この白い幻想的な花は、時間的に一般の人の目に触れにくく、あまり知られていません。この日、散歩道で話をした近所の方に開花状況の写真をメールしますと、初めて見て大いに驚いたというコメントが返ってきました。