むかごの日記Ⅱ

70歳を過ぎてにわかに植物観察に関心を持ち、カメラを提げて、山野を歩いています。新・むかごの日記より引っ越しました。

アサガオ:朝顔(銘花を育てる)

2016-08-10 11:05:52 | 植物観察記録

公益財団法人遺伝学普及会というところへ書籍を注文したらおまけ?にアサガオの種子がついてきました。
江戸時代から幾度ものブームを繰り返し、保存されてきた変化朝顔の系統がさきの大戦の影響で多くが失われたが、少数の愛好家の手で保存されてきたものを遺伝学研究所の竹中要博士が収集・保存活動されました。分与した種子の改変、改良および第三者への分譲等はは行ってはいけないとの条件が付いたこの種子の名前は「青林風南天葉白綴淡紅筒咲」という立派な名前でした。名前の由来は、葉に切れ込みがあり捻じれるので林の中を風が吹き抜けるような風情があり、花弁が白く縁にプリーツ状のシワがあり、筒の部分がわずかに紅色を呈するということからきているといいます。
これは大事に育てねばと、初めての行灯作りに挑戦したのが数日前から咲き始めました。
咲いた花は大仰な名前に反して直径5.5~6㎝、長さ4.5~5.5㎝の白い小型の花でした。
朝顔市で売られているような大型の色鮮やかな花を想像していただけに少しがっかりしましたが、よく見ると、さすが銘花だけあって、花といい葉といい、なかなか味があります。
小学生が学校で必ず育てるほど誰にもお馴染みのアサガオ:朝顔(ヒルガオ科アサガオ属)ですが、もともと原産は中國西南部からヒマラヤの山麓地帯といわれ、日本には古く中国から伝来しました。花としてだけではなく、種子が牽牛子という下剤としての効用も重宝されたようで、「今昔物語」に税金を滞納した某が、取り立てに来た役人に朝顔の種子を入れた酒を振る舞い、下痢をさせて追い返したという話が残っています。試したことはありませんが、知らずに種子を食べた子供がひどい下痢になったという話を聞きます。
せっかくの銘柄品の朝顔ですが、種子ができても、第三者への分譲を禁止されているので、ひたすら自家で作り続けてゆかねばなどと考えています。