根無し草のつれづれ

日々の雑感をひたすら書き綴ったエッセイ・コラム。また引用部分を除き、無断掲載の一切を禁ず。

樹上の白き鼻

2006-04-22 10:15:28 | ダイアリー
明け方トイレに起きた時の事。
トイレの小窓から外をみると、アパートに隣接する屋敷
林の一本の枝が大きく揺れている。
そしてその揺れている枝には大きな生物が!
樹上の大きな動物というとカラスという連想しかなかっ
たため、習慣で追い払いにかかるが何か変だ。
動きがカラスのそれとは違う。
脅かすのを止め、暫くみているとキツネザルのようなも
のが姿を現した。
東京の住宅街とキツネザルが全く頭の中で結びつかず、
沢山のクエスチョンマークを付けた状態でさらに観察を
続けていると、ヤツは木から降り始めた。
枝先に移りそのたわみを利用して他の小さな木に移動
している。
その時ヤツの顔がこちらを向いた。
フワフワの尻尾、額から鼻にかけての白い線、細長い
身体。
何か見覚えがある動物だ、テレビで昔…あれはSARS
騒ぎの時話題になったハクビシンではないか!

その後ハクビシンはゆっくりとしたテンポで木から降り、
そして地面に到達すると何処かに行ってしまった。
やや呆然とし、そのままハクビシンが消えた方向をみ
つめ続ける。
何でハクビシン…。

その後、市役所に問い合わせてみると、武蔵野市でも
結構目撃例があり、たまに『ハクビシンが穴に落ちてい
る』などの通報がある、との事。
ハクビシンは東京でもそんなに珍しい動物という訳でも
ないらしい。
武蔵野市役所ではハクビシンに関して捕獲や駆除など
の積極的対策は行っておらず、そういう通報があった場
合は東京都の専門機関に頼んで対処してもらっている
そうだ。
市役所職員による捕獲劇に発展するかとも思っていた
ので少し拍子抜けする。

さらに調べてみると、ハクビシンは雑食性で果実などの
他、小鳥などの小動物も捕食するとの事。
私が遭遇したハクビシンは木に登ってスズメでも食べよ
うとしていたのであろうか。
ハクビシンの性格は比較的凶暴らしい。
暫く前に私のアパートの敷地内で猫が死んでいるのを
発見したが、ひょっとしたらあの猫はハクビシンとの喧嘩
に負け、殺されてしまったのかもしれない。
大陸原産の帰化生物で都市生活にも順応し、特に天敵
もいない、との事なので今後個体数が増加すると、カラ
スみたいに人間の生活に害を及ぼす存在になるかもしれ
ない。
現在は深刻な被害もないようだが。
呑気に構えていても良いものだろうか…。

しかし、朝一番のハクビシンは覚醒しきっていない頭に
は衝撃的だった。