こだわりメモ帳

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・ 真贋

2009年02月12日 | ◆ こんな本


 先月末の神戸、白洲正子展会場のグッズ売場でこの本を見た。
気にかかり控えて帰り、花園図書館から借り出して読む。
小林秀雄著「真贋」は美術エッセイで2000年にでてるが、
原文はと見れば42年から78年に発表されたものをあつめている。
冒頭の「美を求める心」から抜粋する。

 美しい自然を眺め、或いは、美しい絵を眺めて感動したとき、
その感動はとても言葉で言い現せないと思った経験は、誰にでもあるでしょう。
音楽は、諸君の耳から這入って真っ直ぐに諸君の心に至り、これを波立たせるものだ。
美には、人を沈黙させる力があるのです。

 美の問題は、美とは何かと言う様な面倒な議論の問題ではなく、
私たちめいめいの、小さな、はっきりした美しさの経験が根本だ、と考えています。
美しいと思うことは、物の美しい姿を感じる事です。
美を求める心とは、物の美しい姿を求める心です。
そういう能力は誰にも備わり、そういう姿を求める心は誰にもある。
ただ、この能力は、養い育てようとしないと衰弱してしまう。
今日の様に、知識や学問が普及し尊重されるようになると、
人々は、物を感ずる能力の方を疎かにするようになる。
感ずるということも学ばなければならないものなのです。・・・・・1957年

白洲とは骨董で繋がっているらしい。
感動したとき、夢中で撮る。やはりこれが一番。
先入観なしで向き合う。これが一番。
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