「コンビニ人間」を読んだ。今年の芥川賞がおもしろい。 近くにサークルKがあり、セブンも近い、少し行けば小さいローソンもある。 それでも行くのは週にいちどか10日かにいちどくらいか。おじいさんには用が少ない。 なので、コンビニのことが、この小説でよく判る。 たとえば、おにぎりはいつもコンビニで買うが、好きなおかかは人気が無いらしい。 店内にカメラはつきものだが、何をしているか挙動がこれほど判るとは思ってない。 この小説ほどに、店が出す音は気にならないが、作者は「行きたい」「知りたい」ひとで、 小学生のころから憑りつかれたように小説を書いてきた人だから、 子供のころに浸み込んだコンビニの音が心につよく反応していたのだろう。 今の時代、いろいろなルールやシステムができあがっていて、従わないと進めなくなる。 早い話し、五輪水泳は今回は成績がいいが、勝ちすぎるとルールが変えられてしまう。 ルールの世界で、普通と異常の世界をテンポよく軽快に描いている。 選考会の村上龍は「現代をここまで描いた受賞作はない」と評している。 |
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