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サムスン電子の一人勝ちに潜む韓国経済の陰

2013年01月09日 18時12分35秒 | Weblog


社説】サムスン電子の一人勝ちに潜む韓国経済の陰
朝鮮日報/朝鮮日報

サムスン電子が8日に発表した2012年の業績は、売上高201兆500億ウォン(約16兆4320億円)、営業利益29兆100億ウォン(約2兆3710億円)と、いずれも過去最高を記録した。

11年と比べ、売上高は21.9%、営業利益は85.8%、それぞれ増えた。世界的な景気低迷や特許訴訟といった厳しい条件を抱えながらも、スマートフォン(多機能携帯電話端末)などで次々にヒット商品を出し、携帯電話の世界市場でシェアトップに立つ成果を収めた。

 サムスン電子の善戦を高く評価する一方で、韓国の経済と産業の不均衡が進んでいることに対する懸念も強まっている。

国内主要10企業グループの上場系列会社の60%は昨年減益となり、そのほかの大企業も大半が世界的な不況で苦戦を強いられている。サムスン電子の昨年純利益は、国内企業上位30社(証券市場の時価総額基準)の純利益の30%以上を占めるとみられる。


 サムスン電子の時価総額は、同社の後に続く大企業9社の合計に匹敵する。サムスンの比重が増したことから、同社の株価が上がると全体の株価指数も上がり、同社が過去最高の業績を出すと上場企業全体の業績が好転したかのように見える「錯視現象」が生じている。

サムスン電子を除いて見なければ、韓国経済の陰と実情は見えてこない。
サムスン電子が一人勝ちを続け、国の経済が同社の盛衰に左右されかねないことも危ぶまれる。

かつて世界の携帯電話市場に君臨していたノキアがスマートフォン競争に乗り遅れてシェアを落とすと、フィンランドの国家経済全体に影響が出た。

 韓国経済がバランスよく成長するには、さまざまな業種でサムスン電子のような成功企業が増える必要がある。

何よりも、大企業自らが競争力の向上と世界市場の攻略にさらなる努力を傾けるべきだ。また、政府は競争力のある中小・中堅企業が第2、第3のサムスン電子に育つよう、企業の生態系を変えていかなければならない。

サムスンも有望な中小・中堅企業をパートナーとして育て、自社の成果が韓国経済の隅々まで行き渡るような「共存システム」を模索する必要がある。そうしてこそ、サムスンをねたんだりけん制したりする声もなくなるだろう。