北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

新田原基地航空祭2011詳報③ 空往く大編隊F-4EJ戦闘機&F-15J戦闘機&T-4練習機

2012-12-23 23:34:19 | 航空自衛隊 装備名鑑

◆大編隊基地上空航過!

 沖縄特集により若干空きがありましたが、天皇誕生日奉祝を期して新田原基地航空祭の特集記事です。

Nimg_7981 重なる様々なエンジン音が待機を震わせます、航空祭のオープニングフライトを飾った航空救難団新田原救難隊の飛行に続き、新田原基地の戦闘機と練習機という各種航空機が編隊飛行により基地上空へと近づいてきます、快晴に恵まれ、かなり遠距離からちかづいてくるのが確認できました。

Nimg_8175_1 最初は点というか、陽炎のようになにかが空を動いているのを目の錯覚か、と超望遠レンズ越しに見るのですが、これが点と点との集まりという事が分かり始め、徐々に航空機の編隊が近づき、カメラを持たず航空祭を楽しむ方々も空を指さし、接近を撮影ポイント全体の共有知として認識してゆく。

Nimg_8179_1 編隊飛行の先頭を往くのは第五航空団第301飛行隊のF-4EJ改要撃機三機編隊、F-4通称ファントムは遠くからでもそれと分かる機体のシルエットで、南九州新田原基地唯一の実戦部隊で、対領空侵犯措置に当たる実戦部隊のF-4です。そろそろ後継機がどうなるのか、F-35が気になりますが、それはともかく、撮影した2011年はF-4EJ型初飛行40周年という記念すべき年でした。

Nimg_8187_1 実戦部隊のF-4の三機編隊飛行を見るのはこれが初めてでした、当方が足を運ぶ航空祭は小松基地、岐阜基地、小牧基地、岩国基地、入間基地、横田基地、岩国で新田原のF-4が二機編隊で航過飛行を行いましたが、このほかは実験部隊のF-4ばかり、観艦式では近年F-4は参加しませんし、当方が小松に脚を運んだ頃には既にF-15へ機種転換終了後、初物は嬉しい。

Nimg_8192_1 F-15イーグルの三機編隊、航空教育集団飛行教育航空隊第23飛行隊のF-15,元々この飛行隊が第202飛行隊としてF-4と共に第五航空団二個飛行隊を構成していましたが、防衛計画の大綱改訂に伴う戦闘機要撃飛行隊の再編によって教育航空部隊へと改編され、今に至ります、考えてみれば、この第23飛行隊は日本唯一のF-15による教育飛行隊、ということになる。

Nimg_8194_1 航空自衛隊は全ての要撃飛行隊が防衛管区を持つ運用体制となっており、基本的に予備の飛行隊がありませんでした、脅威や損耗の増大により増援が必要となった場合は各飛行隊から少数を抽出して対応するしかなかったのですが、第23飛行隊は有事の際に航空総隊に運用を一時的に移管し、増援が必要な地域へ全国に機動展開する予備として運用できるやもしれません。

Nimg_8198_1 第五航空団の指揮連絡や維持訓練等に活躍するT-4練習機、国産練習機として200機以上が生産されたジェット練習機です。操縦性が良く取得費用も手ごろな国産機なのですが、初飛行は1985年ですから、そろそろ後継機というものを考えなければならない時期が近付いているのかもしれませんね。

Nimg_8199_1 航空自衛隊は第四世代戦闘機までの送受要員を想定しT-4の要求仕様を定めています、当時は第四世代機が最新型であったわけですが。この点、次期練習機はグラスコックピットの採用を筆頭に第五世代戦闘機の要員養成に対応する機体が求められ、場合によっては戦闘機の航空部隊の戦闘飛行隊改編を見込み、ある程度高等練習機として戦闘機要員養成を重視した性能が必要となるのでしょう。

Nimg_8201_1 飛行教導隊、全国の戦闘機部隊に対し仮設敵を担う精鋭部隊で、通常の戦闘機部隊では200時間前後と言われる飛行時間に対し、650時間程度飛行し、技量を磨いているとのこと。しかも、本人が希望して転属するのではなく、優秀な搭乗員を飛行教導隊が選抜し、引き抜く態勢を取っているのだとか。

Nimg_8210_1 編隊が去ってゆきます、前述の戦略予備、という考え方はこちらの方が妥当でしょうか、全国の飛行隊を空戦機動力の観点から鍛え上げるために最優秀の乗員を集めているのですから、こういったかたちで、F-4EJ改三機、F-15六機、T-4三機の十二機編隊にて新田原基地航空祭編隊飛行が完了しました。

Nimg_8211_1 写真で紹介すると長くなりましたが、飛行は一瞬でした。第一回でも掲載しましたが、初めての航空祭で道路状況なども分からず、遮二無二順光の撮影位置まで折り畳み式自転車により展開しましたが、この情景を撮影できただけでも目的の一つが達成、早い時間帯の編隊飛行でしたが、間に合ってよかった。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする