北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

自衛隊ハイチ安定化任務PKO派遣 ハリケーン被害により二ヶ月間延長

2012-12-18 22:31:18 | 防衛・安全保障

◆2013年3月任務完了完全帰国予定

 20万の犠牲者を出したハイチ大地震へのハイチ安定化任務PKOの自衛隊派遣が二か月間延長されました。

Cimg_9796 自衛隊派遣は復興人道支援任務は既に完了し、現在撤収支援部隊が派遣中となっており、2013年1月までに撤収を完了し派遣部隊は帰国する計画でしたが、ハイチを今年襲った巨大ハリケーン被害により再度ハイチ国内には大きな被害が発生し、来月中の撤収完了が不可能となったことを受けての措置とのこと。

Img_6035 なお、今回のハイチ派遣任務では自衛隊施設科部隊が復興人道支援任務用に持ち込んだ建機などの防衛装備品がハイチ政府へ供与されることとなりました。これは自衛隊創設以来初の防衛装備品供与となり、装備品供与は武器輸出三原則の運用見直しにより可能となったようです。

Img_3840 この引渡しはハイチ政府から求められたもので、外務省により防衛省装備品の譲渡へハイチ政府との間で最後の調整が行われているとのことです。なお、今回は通常の建機ですが、譲渡装備品については軍事用に用いることが無いよう、外務省よりハイチ政府に対し条件として提示されました。

Img_6653 防衛装備品という事で、自衛隊の施設科が装備する装備、と言いますと装甲ドーザ等を想像される方もいるやもしれませんが、通常の建機です。防衛省が防衛予算により調達したものではありますが、基本的に供与されるものは民間の建設会社などが運用する建設機械とは塗装などのほか一部の金具を除き変わりません。

Img_4555 しかし、防衛省によればこれら建機についても自衛隊の装備品であるため施設科隊員が運用する際に携行する小銃を固定する金具が取り付けられており、武器になってしまうとのことであり、武器輸出三原則の拡大運用が行われていた時点では輸出や供与をすることはできませんでした。

Img_1961 今回は防衛装備品のほか、プレハブ住宅など自衛隊が宿営地として運用した建物も供与されます。この方式であれば、自衛隊初の国際平和維持活動への部隊参加となったカンボジアPKOでも自衛隊の宿営地となっていたタケオ基地もカンボジア政府へ供与されましたね。

北大路機関:はるな

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コメント (1)
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