北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

北大路機関沖縄現地報告③ 北朝鮮弾道弾監視!嘉手納基地RC-135コブラボール偵察機展開

2012-12-12 21:37:00 | 北大路機関特別企画

■PowerShotG-12撮影速報

 本日午前に北朝鮮が弾道ミサイル実験を行いました。ミサイルは北朝鮮の事前発表通りフィリピン近海に落下したとのこと。 

Kimg_0794 これがコブラボール、弾道ミサイル実験など世界の緊張地域に展開する特殊な航空機、アメリカ空軍は電子偵察機RC-135を嘉手納基地へ展開させ、北朝鮮のミサイル実験に伴う電子情報を偵察しています。そしてこの写真は本日午後、偵察任務を完了し嘉手納基地へ戻ったところ。

Kimg_0784 轟音とともに離陸するこの機体は、アメリカ海軍のEA-18G電子戦機、嘉手納基地には三機が展開していましたこの機体は、2007年より配備が開始され、従来のA-6攻撃機派生形のEA-6を代替する機体としてF/A-18E/Fを原型として開発された最新型電子戦機です。

Kimg_0783 EA-18Gは、翼端の電子戦装置とともにAN-ALQ-99電子戦ポッド、AN-ALQ-218V2通信傍受ポッドを搭載し、写真の期待はHARM対レーダーミサイルを搭載していました。電子制圧から防空制圧までこなし、APG-79レーダーをもって航空戦にも対応、高い電子戦能力を活かし模擬空戦ではF-22を撃墜判定したことも。

Kimg_0797 航空掩体区画から第18航空団のF-15Cが次々と滑走路に進んでゆきます。F-15Cは基本設計こそ1970年代の機体ではありますが、機体の余裕ある設計は新しいエンジンや電子装備の搭載を可能とし、いまなお世界最強の戦闘機と言って差し支えない性能を有する傑作機です。

Kimg_0812 F-15Cの本当の強さは戦闘機単体ではなく偵察機が集めた電子情報という戦闘以前の情報収集、早期警戒機による航空部隊の効率的な戦闘、膨大な空中給油機による戦闘機の効率的運用と、これを支えるけた外れの輸送機の輸送力が後方支援を支え、その地位を担っているにほかなりません。

Kimg_0804 将来的にF-15CはF-22やF-35といった第五世代戦闘機と比較し、主力の時代を終えることが予想されますがF-22が高い脅威目標を第一撃で排除し、F-22からの情報をも合わせ、空軍の航空戦闘システムという体系で戦うという原則が維持されるのですからF-15Cにも相応の任務が残されるでしょう。

Kimg_0814 KC-135空中給油機が着陸しました。一機でF-15C約10機分の燃料を搭載、米空軍へ約750機が導入され、冷戦時代を支えた給油機であり、現在も約390機がKC-10空中給油機とともに運用が続けられ、将来的にKC-45空中給油輸送機へ置き換えられることとはなっていますが、まだまだ現役の航空機です。

Kimg_0822 海軍のP-3C哨戒機、嘉手納基地にも前方展開している機体ですが、本日は頻繁に発着していました。先日厚木基地の本機の後継機となるP-8哨戒機が試験展開として初めて日本へ展開しました。P-8はP-3Cが対潜哨戒機であるのに対し、広域海洋監視機が対潜哨戒をも行うというもので、今後は嘉手納にもP-8が展開することとなるのでしょうか。

Kimg_0823 コブラボールがもう一機着陸してきました。少なくとも嘉手納に本日二機のRC-135がいたわけです。・・・、ところでRC-135はRC-135Wリベットジョイントなどがあるのですが電子偵察を行うのがコブラボール、米空軍に3機がはいびされリベットジョイントが17機、便宜的にコブラボールと呼んでいるのですが正しいのか、調べなければなりませんね。

Kimg_0829 F-15Cが次々と戻ってきました、後ろに見えるのが航空機を格納するシェルター、いわゆる航空掩体で、航空攻撃による爆弾や弾道ミサイルから航空機を一機一機格納することで破片による被害を局限化します。米本土の基地では航空自衛隊のような大型の格納庫に戦闘機を一括収容するのですが、沖縄は中国の弾道ミサイル射程内にあるため、航空掩体は欠かせない。

Kimg_0849 HH-60ペイブホーク救難ヘリコプター、武装し敵地に墜落した航空機搭乗員の救出に向かう航空機です。撮影したのは道の駅かでな、展望台から基地を一望することができ、屋根があり食事もできます。しかし、ここの食事、安かったので二品頼んだらボリュームがすごくて驚きました、これがオキナワスタイルか。

Kimg_0841 EA-18Gが戻ってきました。ところで、海軍の電子戦機ですが、空軍の訓練支援で展開した、ということなのでしょうか、それとも沖縄近海に空母ジョージワシントンが展開しているのでしょうか、ね。このほか、嘉手納にはAV-8攻撃機が少なくとも二機、駐機しているのが見えました。

Kimg_0844 駐機場に戻るEA-18Gの三機、本日は頭上近くを弾道ミサイルが通過、とは言っても少々距離はありましたが、という事件から始まり、普天間基地方面を望見すると、MV-22の二機編隊やAH-1Wの二機編隊、CH-53なども飛行しているのが見えましたが、このEF-18Gと二機のRC-135を嘉手納で撮影することができたのは貴重な機会となりました。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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NHK報道:北朝鮮ミサイル 沖縄上空通過の模様 政府 ミサイルフィリピン沖に落下と予測

2012-12-12 10:27:34 | 防災・災害派遣

北朝鮮ミサイル 沖縄上空通過の模様
12月12日 10時10分

政府は、北朝鮮が人工衛星としている事実上のミサイルについて、「さきほど沖縄県上空を通過した模様だ」と発表しました。
政府は、詳しい情報が分かり次第、改めて発表を行う方針で、国民に対し、テレビやラジオなどからの情報に注意するよう呼びかけています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121212/t10014127351000.html

政府 ミサイルフィリピン沖に落下と予測
12月12日 10時17分政府は、北朝鮮が人工衛星としている事実上のミサイルについて、「午前10時1分ころ沖縄地方上空を通過したと推定される。ミサイルの破壊措置は実施していない」と発表しました。
また、落下予測地域について「午前10時5分ころ、フィリピンの東、およそ300キロの太平洋と予測される」と発表しました。
政府は、詳しい情報が分かり次第、改めて発表を行う方針で、国民に対し、テレビやラジオなどからの情報に注意するよう呼びかけています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121212/k10014127501000.html

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