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京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

横田基地日米フレンドシップデイ2009 地上展示機:格納庫前編

2009-08-26 16:15:43 | 在日米軍

◆横田基地日米フレンドシップデイ09 地上展示機

 横田基地日米友好祭における地上展示は、一度の記事では紹介できないので、昨日の記事と共に本日も掲載。格納庫側には、大型機を中心に様々な機体が展示されていた。

Img_8523  横田基地は、C-130H輸送機20機が配備されている基地であるが、第五空軍司令部が置かれるとともに、日本の首都東京に程近く加えて横浜港などからの物資輸送にも適した鉄道上の立地にあるため、広大な基地面積と併せ、朝鮮半島や台湾海峡など環太平洋地域を含めた世界危機への後方拠点としての機能を有している。

Img_9093  したがって、C-130H輸送機やC-17輸送機はもとより、全長75メートルのC-5輸送機も運用が可能となっている。加えて、日米友好祭に多くの地上展示機を展開させることは、平時にあっても同盟国へ、急速に部隊を展開させ、万一のときには支援することが出来ることを理解してもらう目的もあるのだろう。

Img_8498  C-5輸送機[米空軍]。全長75メートル、M-60戦車2両と関連機材(122㌧)を搭載し、米本土から大西洋5522kmを横断することを目的とした輸送機。M-1A2戦車なら2両、CH-47輸送ヘリであれば3機、M-2歩兵戦闘車であれば6両、AH-64D戦闘ヘリであれば6機を同時輸送可能だ。前後に貨物扉を有するバイザー方式を採用し、迅速な展開を可能とするが、一方で、離着陸には比較的長い滑走路を有し、前線基地に直接発着することはできない戦略輸送機である。120機が配備。

Img_8439  C-17輸送機[米空軍]。これまで、大型の戦略輸送機で運んだ物資は滑走路の長い拠点基地に集約し、その後戦術輸送機により前線基地に運ぶ、という手法がとられていたが、C-17は、M-1A2戦車を含む最大77㌧の車両などを搭載し、5200km先の舗装されていない900㍍の短いに着陸する事が出来る戦域輸送機という新しいカテゴリーを開拓した輸送機。C-5よりは小さいものの、米本土から紛争地に直接展開することが可能だ。200機を生産予定。

Img_8446   KC-135空中給油機[米空軍]。360機が運用されている米空軍の主力給油機。F-15戦闘機10機分の燃料を空中で給油する。もともとは冷戦時代、核パトロールに就いていたB-52爆撃機への給油を念頭に750機が生産されている。他方で、機体の老朽化は進んでおり、ボーイングかエアバスか、米空軍では二転三転の後継機選定が続いている。

Img_8453  U-125救難捜索機[航空自衛隊]。航空救難団に配備され、高速で事故現場に急行、捜索レーダーや赤外線監視装置によりいち早く要救助者の位置を確認し、UH-60J救難ヘリコプターを誘導する。機内から救助物資をパラシュート投下することもでき、航空機事故以外にも災害派遣などに活躍している。

Img_8461  CH-47JA輸送ヘリコプター[陸上自衛隊]。55名の完全武装の普通科隊員を空中機動させる目的で配備された輸送ヘリコプター。JA型はJ型と比べ、航続距離や夜間飛行能力が大幅に強化されている。人員のほか機内や吊下により、火砲、装甲車なども迅速に展開させることが可能。

Img_8463  SH-60K哨戒ヘリコプター[海上自衛隊]。護衛艦に搭載し、対潜哨戒や洋上哨戒、ミサイル誘導から救難任務、果ては輸送任務までをもこなすヘリコプター。吊下ソナーやレーダーなど多種多様な機材を以て、短魚雷により潜水艦を追い詰めるほか、ミサイル艇などを撃破するヘルファイア空対艦ミサイル、海賊船に対処する機銃なども搭載することが出来る。

Img_8477  UH-60J/JA。手前から航空自衛隊の救難ヘリコプター、陸上自衛隊の多用途ヘリコプター、米陸軍の汎用ヘリコプター。ヴェトナム戦争の戦訓から生存性と防御力を強化した汎用ヘリコプターとして開発。完全武装した15名の普通科隊員のほか、3.6トンの機外吊下能力を有する。航続距離が長く、エンジン出力が高いことから救難ヘリとしても運用されている。

Img_8482  OH-6D観測ヘリコプター[陸上自衛隊]。陸上自衛隊に広範に装備されている観測ヘリコプターで、火砲の着弾観測や、対戦車ヘリコプターと協同して索敵を行うスカウト任務、加えて後部キャビンを用いた軽輸送任務に対応する。軽快な運動性で知られ、同時に調達価格も安いことから多数が配備されている。

Img_8481  UH-1J多用途ヘリコプター[陸上自衛隊]。米陸軍のUH-1H汎用ヘリコプターを富士重工がエンジン高出力化、ミサイルからの自衛装置の装備、限定的な夜間飛行能力の付与などで近代化した機体。一見して旧式のUH-1Bなどとも似ているが、各部分を強化近代化したことにより第一線でも通用する能力を有する陸上自衛隊の主力多用途ヘリコプター。現在も生産が続いている。

Img_8485  C-130H輸送機[航空自衛隊・米空軍]。20㌧の貨物を搭載し4000kmを飛行する戦術輸送機。もともと、横田基地のような戦略拠点にC-5戦略輸送機や貨物機、船舶が集積した物資をC-130のような戦術輸送機に積み替えて前線に展開させるのが任務の輸送機。貨物を8トンに減らせば9000kmの飛行が可能だ。

Img_8580  C-130は、とにかく頑丈で、草原などに胴体着陸して積み荷を降ろし、軽くなった機体から無理やり車輪を出して離陸するという荒技も可能。ヴェトナム戦争では千発以上の流れ弾を受けながら離着陸したり、胴体に砲弾で大穴があいても離陸できたほど。アメリカ製の傑作輸送機で60カ国が運用中。航空自衛隊では、国内の輸送に加え、国際貢献任務などでは主力の輸送機として活躍している。

Img_9756  C-12J軽輸送機[米空軍]。要人輸送などに用いる軽輸送機で、以前はビジネスジェット機を転用してC-21Aが用いられていたが、低騒音で運用コストも小さいC-12Jに置き換えられた経緯がある。高級将校の移動以外にも、緊急時には機内に担架を設置し、患者輸送機として運用することも可能だ。

Img_9757  UH-1N汎用ヘリコプター[米空軍]。基本的に陸上自衛隊のUH-1Jと同じ機体から発展したもので、海上保安庁のベル212の軍用型。エンジンが双発となっており、エンジン停止などの緊急時でも生き残ったもう一方のエンジンにより飛行継続が可能。米空軍では、軽輸送や要人輸送などに運用している。

Img_9579  夕方になると、地上展示機エリアが立入禁止となり、それに併せて機内公開を行っていたC-17やC-130H,KC-135,C-5のハッチも閉じられた。写真は、C-5のバイザー型ハッチが閉じられたところ。こうやってみてみると、西側最大の輸送機ということで、C-17よりもかなり大きな輸送機であることが実感できる。

HARUNA

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