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横田基地日米フレンドシップデイ2009 地上展示機:滑走路横編

2009-08-25 23:27:15 | 在日米軍

◆横田基地日米友好祭09 地上展示機特集

 F-22ラプター飛来で話題となった横田基地日米友好祭。しかし、地上展示の機体はF-22の他にもたくさん並んでおり、今回は、その地上展示機を二回に分けて簡単に紹介したい。

Img_8612  F-16C[米空軍]戦闘機。数を揃えるべく軽量と低価格、そして高性能を両立させ、4000機以上が生産された傑作多用途戦闘機。今回の日米友好祭には8機が地上展示として並んだ。レーダー、エンジン、火器管制装置などを絶え間なく改良し続け、制空戦闘、航空阻止、防空制圧など多用途に運用できる機体で、戦闘行動半径は空対地任務で1250km、制空任務で1600km。2000機が納入された米空軍以外にも多数の国に輸出されている。

Img_8706  A-10攻撃機[米空軍]。二機が展示。近接航空支援、その中でも特に対戦車攻撃を主軸に開発された攻撃機で、機首には戦車の脆弱な上面を狙う強力な30ミリ機関砲が搭載。7.2トンという大量の対地攻撃兵器と460km離れた戦域上空での1.7時間という長い滞空時間、そして対空砲火に対抗する運動性を兼ね備えた機体で、主要部分には装甲が施されており、近代化改修を行ったことで精密航法や夜間作戦能力が向上している。

Img_8716  F-15C戦闘機[米空軍]。こちらも二機を展示。米空軍の制空戦闘機で、考え得る最強の電子装備と兵器を積み込んだ重量級の機体を、存在し得る最強のエンジンとともに組み合わせることで、大型の機体ながら高い運動性能を持ち合わせた機体。F-15はA/Bが425機納入された後、C/D型は470機納入されている。

Img_8722  F-15は段階近代化改修を重ね、特に電子関係では、常時世界最新鋭の能力が注ぎ込まれている。戦闘行動半径は1967km、最高速度はマッハ2.5に達する。敵の制空圏に侵攻し、上がってくる迎撃機を全て排除し、制空権を奪い取るのが制空戦闘機の任務。航空自衛隊では、三菱重工がライセンス生産した機体をF-15Jとして運用中である。F-15は大型で余裕のある設計を採用しており、このため米空軍では戦闘爆撃機としてF-15Eを開発、236機を導入している。

Img_8778  F/A-18D戦闘攻撃機[米海兵隊]。D型二機が展示されている。もとは空母艦載機として開発された機体だが、海兵隊では近接航空支援などの任務に運用される。空対空任務と対地攻撃任務を一機種で賄えるAPG-65レーダーが搭載され、制空・対地任務を同時に対応できる空母艦載機として誕生した。

Img_8792  C/D型はレーダーをAPG-73とし、夜間侵攻能力などを高めている。F/A-18は当初、旧式化したA-7攻撃機の代替を行った後、より大型のA-6攻撃機も代替、さらに運用コストの高い高性能戦闘機F-14をも代替、各型合わせ1048機が海軍と海兵隊に納入され、その後、より大型のF/A-18E/Fに生産は移行している。戦闘行動半径は、537kmとやや短く、速度もマッハ1.8ではあるが、軽快な運動性と7.2トンの武装搭載量を誇る。

Img_8788  冒頭に載せたF-16の一群のほかに、離れて2機、F-16が並んでいる。F-16は当初、高価なF-15の数的劣勢を補う軽戦闘機として開発されたが、順次レーダーやエンジンを近代化し、世界的に観てももっとも成功した戦闘機の一群に数えられる。7トンの武装を搭載できるが、加えて、輸出型の新型、F-16E/Fなどが生産されている。

Img_8806  F-2B支援戦闘機[航空自衛隊]。冷戦時代、ソ連軍本土侵攻を阻止するべく、射程150kmの空対艦ミサイルASM-2を四発搭載し、洋上を低空進攻し基地から830km離れた海域でミサイル攻撃を行う対艦攻撃重視の支援戦闘機。日米共同開発により日本側がF-16の機体を再設計することで誕生した機体、複合素材を多用するなど徹底した軽量化が図られており、8トンの武装を搭載する。

Img_8826  RF-4E偵察機[航空自衛隊]。米空軍のRF-4Cをベースとした戦術偵察機で、機首にカメラを搭載している。前方監視レーダー、側方偵察レーダー、前方フレームカメラ、高高度パノラミックカメラ、赤外線感知装置、フラッシュ発射器を搭載、偽装された目標を含め全天候で運用することが可能な戦術偵察機。

Img_8846  C-1輸送機[航空自衛隊]。川崎重工が中心となり開発された国産輸送機。軽快な運動性を誇り、1300km先の地域に8トンの装備を急速に輸送する目的で開発された。旧式化が進んでおり、次期輸送機C-Xとして後継機が国産開発されているが、構造強度などの問題で、初飛行は非常に大きく遅延している。

Img_9637  F-4EJ改戦闘機[航空自衛隊]。設計は半世紀前の機体であるが、高高度超音速爆撃機対処を念頭に航空自衛隊は1967年に導入を決定。90年代に、レーダーを換装、アナログ機器をデジタルに置き換え、対艦ミサイルの運用能力も付与、機体は大型だが戦闘行動半径1266km、7.3トンの装備を搭載する。さすがに老朽化が進んでおり、現在、後継機選定が進められているが、航空自衛隊が必要とするF-22の輸出許可が下りず、長期間難航している。

Img_8848  T-4練習機[航空自衛隊]。プロペラ式の初等練習機に次いで候補生が操縦を練習する中等練習機として川崎重工が開発。エンジンから搭載電子機器に至るまで純国産で開発された機体で、亜音速機ながら使いやすいことで知られ200機以上が量産され、連絡機などにも使われる。

Img_8882  P-3C哨戒機[海上自衛隊]。アメリカで開発された世界最高性能の対潜哨戒機。長時間の滞空時間を活かし、レーダー、ソノブイ、磁気異常感知装置、電波探知機などあらゆる装備を複合的に駆使して海中の潜水艦を追い詰める。川崎重工で約100機がライセンス生産された。まだまだ第一線で通用する機体だが、現在、後継となるより高性能な国産の哨戒機XP-1が試験中である。

Img_8912  F-22戦闘機[米空軍]。脅威に対して“先に発見・先に攻撃・すべて撃墜”を念頭に速やかな接待航空優勢の確保を目指し開発された戦闘機で、妥協のない最高の技術が織り込まれた新世代戦闘機。ステルス戦闘機とも呼ばれるが、その真価のなかにステルス性はごく一部でしかないとされる。運動性・巡航速度・電子戦性能すべての面で現存するあらゆる航空機を圧倒するが、同じ重さの金塊よりも高価なのが難点。

Img_9474  E-3A早期警戒管制機[米空軍]。1000km四方を睨む強力なAPY-2レーダーと各航空機や地上レーダーの情報を統括し、脅威情報を分析、空中から戦闘機や地対空ミサイル部隊に対して要撃管制を行う事が出来る機体で、米軍全般の航空作戦の下支えする航空機。その分高価で、NATO共同運用やイギリス、フランス空軍、サウジアラビア空軍など一部の国しか保有していないが、航空自衛隊もAPY-2レーダーを搭載するE-767早期警戒管制機を運用中である。

HARUNA

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