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高松城[玉藻公園] 水軍拠点として四国より瀬戸内海を睨む

2009-08-08 21:55:46 | 旅行記

◆天守閣復元へ大きく歩み出す城郭

 四国は香川県高松市、人口42万、瀬戸内海に面するこの町は典型的城下町として発展し、今日では四国最大の都市となっている。そして城下町の中心にある高松城址には、矢倉、門、渡櫓、石垣、堀などの遺構を見ることが出来るのだ。

Img_4070  この高松は、江戸時代、譜代大名高松藩の城下町として今日の姿への輪郭が模られたこともあり、東京都を結ぶ寝台特急の始発駅である高松駅から、徒歩にして数分の場所に高松城が広がっている。お堀に面して、琴平電鉄の高松築港駅も置かれており、60kmに及ぶ路線を京浜急行電鉄などからの譲渡車両が元気に運行されている。

Img_4128  高松城を造営したのは生駒親正、織田信長の家臣として長篠の戦いや石山本願寺攻略、本能寺の変の後は羽柴秀吉の家臣となり、明智光秀を破った山崎の戦いに参加、賤ヶ岳の戦いや小田原攻略、文禄の役などに参加し、その戦功を認められ、ここ讃岐の地を与えられた。讃岐平野の美しい地は17万石の石高を誇り、今日の高松の基礎を築いた。

Img_4170  四国において、高松は、国鉄宇和島連絡船の拠点として知られ、瀬戸大橋開業後も、交通の拠点という位置づけにある。写真は徳島とをむすぶ特急うずしお。このほかに、高松と高知を結ぶ特急しまんと、南風、高松と松山を結ぶ特急いちづち、が運行されており、瀬戸大橋を渡り岡山に向かう快速マリンライナー、そして東京に向かう寝台特急サンライズ瀬戸が高松から運行されている。

Img_4133  高松城は、特急の拠点である高松駅から海に向かい足を進めると、この門扉が見えてくる。玉藻公園として今日は市民に親しまれており、夏季は早朝0530時から開門されている、ただし閉門時間は夏季で1900時まで、夜立ち入ることはできない。季節により開門と閉門の時間は90分程度前後する。ちなみに、入場料金が必要で、大人200円、子供100円だ。

Img_4082  高松城艮櫓。重要文化財に指定されている。この高松城は、水軍の拠点となるべく、お堀には海水が導かれており、日本初の海城として知られている。しかし、生駒氏のもとで平城で海城として造営されたこの城は、お家騒動により、1642年、城主を水戸の松平頼重とした。松平氏のもとで、この高松城には1669年、三層五階の天守閣が建築された。

Img_4081  天守閣は、残念ながら廃藩置県と廃城により1884年に取り壊されてしまった。維新後わが国最大の愚行は、全国で行われた天守閣の破壊を筆頭とした文化財への破壊行為であろう。しかし、取り壊し前の天守閣に関して一枚だけ現存し、近年、二枚目がイギリスのケンブリッジ大学などで写真が発見されている。

Img_4107 高松城は国の史跡であることから天守閣復元には正確な資料が無ければ認められないが、高松市民の念願として、天守閣再建は常にあり、これまでに発見された資料を元に市制120周年にあたる2010年着工を目指し前進中だ。城郭そのものは、堀などがかなり埋立てにより失われているものの、往時の姿は今に伝えられており、天守閣の復元には期待してしまう。

Img_4132  高松城北の丸。1671年に造営された。月見櫓と水手、渡櫓などからなる。艮櫓は、造営当初から設けられているもので、松平氏の時代に高松城は海に向けて、その輪郭を大きく伸ばしていった。他方、西の丸は、今日残っているものではなく、現在の高松駅となっている。高松城はかつての規模と比べると、埋め立てられ、消失した部分も多いのだ。

Img_4089  高松城から高松駅前のビル群を望む。高松駅は前述のようにかなり大きな駅なのであるが、あの一帯はその昔高松城西の丸であったことを考えると、高松城かつての大きさを改めて実感することが出来よう。また、東の丸の一部も県民ホールや博物館となっており、城郭と近代都市の融合をみることができる。

Img_4108  城郭見物は、当方の場合、伝統とも言えるのが時間不足。このときも、急ぎ、特急うずしお号に乗る途上、ホテルを早めにチェックアウトして高松城見学を行うこととした。見学時間は、諸兄お聞きになれば飛び上るほど短時間ではあるが、四国の中心都市にある高松城の威容を堪能することができ、徳島に向かった。

HARUNA

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コメント (2)
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