『私の存在が証拠』元「従軍慰安婦」金福童(キムボクトン)さん慰安所の実態証言 沖縄/沖縄タイムス

2013-05-21 11:06:56 | 社会
「国家による性暴力に遭い、人権を踏みにじられた少女のことを知ってますか」。韓国人の元「従軍慰安婦」、金福童(キムボクトン)さん(87)が、舞台の上から「慰安所」での生活を語り始めると、会場は静まり、地をたたく雨の音が響いた。

 金さんが14歳のころ旧日本軍に連行された場所には、複数の部屋を備えた慰安所があったという。金さんは「日本政府は民間人が慰安所をつくったとしているが、(戦時下の)民間人があのような慰安所を準備できただろうか」と軍の関与を指摘。「日本政府はうそをつかず、公式に謝罪してほしい」と訴えた。

 「台湾、中国などの慰安所を回り、1日に数十人の相手をさせられた」という金さん。日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長が「慰安婦は必要だった」と発言したことに「政治家が暴言を吐くことができないよう、皆さんが力を合わせてください」と参加者に求めた。

 大会後の取材に対し、24日予定の橋下市長との面談について「何を言うか、相手がどう答えるかは会ってみないと分からないが、私と彼との気持ちが合わなければ、闘いが始まる」と語った。

 沖縄での米兵による性犯罪には「軍事基地があるから、性暴力の危険性が高まることは歴史が物語っている」とし、基地撤去の必要性を強調した。
http://article.okinawatimes.co.jp/article/2013-05-20_49447

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沖縄タイムス社説[元「慰安婦」証言]「私の存在が証拠です」

尊厳が傷つけられた過酷な体験を当事者自らが証言する言葉の意味は重い。

 旧日本軍「慰安婦」で韓国人の金福童(キムボクトン)さん(87)が18日来沖、西原町内で大学生らとの交流集会に臨んだ。その後の記者会見などで金さんは、日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長の一連の慰安婦発言を批判し、謝罪を求めた。

 金さんは14歳のころ、旧日本軍に「軍服を作るために日本へ行く」と日本統治下の韓国から連行された。アジア各地の前線を転々とし、8年間、「慰安婦」を強いられた。

 橋下氏が強制連行の証拠はない、と繰り返していることに「血の涙がにじむ経験をした本人がいるのに、どうして証拠がないと言えるのか。私がここに生きている。それ以上の証拠がいったいどこにあるのか」と批判した。

 日本政府は1993年の河野洋平官房長官談話で「お詫(わ)びと反省」を表明。「慰安所における生活は、強制的な状況の下での痛ましいものであった」「募集、移送、管理等も、甘言、強圧による等、総じて本人たちの意思に反して行われた」などと旧日本軍の関与と強制性を認めている。

 だが、第1次安倍内閣は2007年、「政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述も見当たらなかった」との政府答弁書を閣議決定している。橋下氏の強制連行はなかったとの発言はこれに基づくものだ。

 そもそも強制かどうかに関係なく、公党の代表が現在の時点に立って「当時は必要だった」と公言すること自体許されないことだ。

    ■    ■

 当事者の証言は証拠である。史資料と比べ価値が低いわけではない。オーラル・ヒストリー(口述史資料)を重要視する学会の動向を見れば明らかだ。

 沖縄戦における「集団自決(強制集団死)」訴訟で、司法側が住民のオーラル・ヒストリーを証拠として採用したことともつながる。

 慰安婦問題が沈黙から告発へと大転換したのは1991年だった。故金学順(キムハクスン)さんら韓国人元「慰安婦」3人が初めて、日本政府を相手に謝罪と個人補償を求める裁判を東京地裁に起こしてからである。戦時の性暴力が問われることになった。

 橋下氏のような発言は、国際社会から見れば、日本は、正面から慰安婦問題に取り組んでこなかった、と受け止められるに違いない。

 維新の会の西村真悟衆院議員は17日の党代議士会で「日本には韓国人の売春婦がうようよいる」と発言した。有権者から選ばれた政治家がこのような低劣な発言をしたことに驚きを禁じ得ない。除名処分にするのは当然である。

    ■    ■

 慰安婦問題の真実を伝えようと、韓国挺身(ていしん)隊問題対策協議会は来月初めまで各地で証言集会を開く。金さんはその一環として来沖した。同じく韓国人元「慰安婦」の吉元玉(キルウォンオク)さん(84)も来日しており、2人は24日に橋下氏と面会する。

 慰安婦問題は決して過去の話ではない。私たちが向き合い、克服しなければならない現在の問題である。
http://article.okinawatimes.co.jp/article/2013-05-20_49450

****************

橋下氏の「慰安婦は必要」発言はまさに言語道断。安倍政権の姿勢も厳しく問われている。/ヒューマンライツ・ナウ伊藤和子さん
http://bylines.news.yahoo.co.jp/itokazuko/20130519-00025040/

本当に許しがたく、耳を疑った。

知らない人はもういないが、5月13日、橋下徹大阪市長・日本維新の会共同代表は、第二次世界大戦中の「従軍慰安婦」は「必要だということは誰でもわかる」などと述べ、2007年の第一次安倍内閣の閣議決定に言及しつつ、「日本政府自体が暴行脅迫をして女性を拉致したという事実は今のところ証拠に裏付けられていません」とも述べた。

さらに、性犯罪が続く沖縄の在日米軍に関連して、沖縄米軍の司令官に対して「日本の風俗業を活用してほしい」とも発言している。

橋下氏は、「慰安婦に配慮を」などと言ったり、在日米軍に対する発言については「国際感覚がなかった」などと弁明を繰り返しているが、発言の根幹は撤回していない。

最近では「誤報だ」などと言ったと報道されているが、5月13日の登庁時、退庁時のぶらさがりやその後の会見の一問一答がシノドスに公開されていて、「必要だ」と何度も繰り返していることは否定しようがない。最近では、「英語力のなさから誤解を生じさせた」と言っているが英語力の問題とは関係ないし、誤解と言ってごまかせるものではない。抗議・非難が殺到するのは当然というほかない。

● 「慰安婦」とされた方々の思いを踏みにじり、女性の人格を否定している

「従軍慰安婦」制度は、第二次世界大戦中、朝鮮半島、中国、フィリピン、インドネシア、オランダ等の女性が動員され、旧日本軍兵士によって旧日本兵の性的処理を押し付けられ、性的な凌辱を受けた、極めて恥ずべき制度である。女性たちは監禁され、性行為を強要され、拒絶すれば残酷な暴力がふるわれた。

私も国際会議等でたくさんの元「慰安婦」の方々の勇気ある証言を聞いてきたが、彼女たちが具体的、詳細に語る日本軍の行為は血の凍るような残忍なものであった。慰安所での生活は、あまりにも人間の尊厳を著しく踏みにじるもので、命を失った女性も多く、生き残った女性たちの心身の傷はあまりにも深い。

「慰安婦」制度自体については、国際社会が驚愕し、国連が調査に乗り出した。

国連「女性に対する暴力」特別報告者ラディカ・クマラスワミ氏の調査報告は、「従軍慰安婦」制度が、旧日本軍による「性奴隷制」にほかならない、と正当に認定している(クマラスワミ報告E/CN.4/1996/53/Add.1 (1996)、マグドゥーガル報告UN Doc. E/CN.4/Sub.2/ 1998/13(1998)。

戦時下におけるレイプ、性奴隷制、強制買春は、国際刑事裁判所ローマ規程7条に明記されている通り、「戦争犯罪」を構成する最も深刻な国際犯罪のひとつであり、第二次大戦当時の国際法にも明らかに違反するものだった。「従軍慰安婦」制度が、国際法に違反する、女性に対する深刻な人権侵害であり、いかなる意味においても正当化・合理化できないことは国際常識であり、それはホロコーストについていかなる正当化も許されないのと国際的にはほぼ同じように理解されている。

橋下氏の発言は、かくも重大な人権侵害である戦時性暴力を「必要だった」と容認することであり、筆舌に尽くしがたい思いをされてきた被害者の方々を再び深く傷つけるものであり、到底許されない。

また、沖縄に関する発言は、戦争遂行・軍の維持のためには女性が性的暴力・性的搾取の対象となってもよいと積極的に推奨するに等しく、「慰安婦」が必要だったという発言と根底にある発想は全く変わらない。女性は今も昔も男性の性処理のはけ口として「活用」されるべき存在だと言う女性蔑視ではないか。

橋下氏は反省したのか、国際世論に驚いたのか、日々発言を転々させているが、一度口にしたことは否定しようがない。

橋下発言に誘発されて西村衆院議員がさらに許しがたい発言をしているが、「トカゲの尻尾切り」で済まされるものではない。

こんな女性蔑視の人権感覚の欠如した発言を放置したままでは日本は終わりだと思う。多くの女性たちが求めているとおり、橋下氏は、速やかに発言を全面撤回し、謝罪すべきだ。また、公職を自ら辞任すべきだと思う。

● 安倍内閣の態度も問われるべきだ。

自民党は、今回の橋下氏の発言について他人のふりをしているが、今回の発言は橋下氏一人の問題にとどまらない。

橋下氏が、「慰安婦」について強制の証拠はない、と発言しているのは、「政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述も見当たらなかった」とする2007年の第一次安倍内閣の閣議決定に端を発したものであることは明らかだ(http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b166110.htm) 。

安倍首相は昨年、米紙に「慰安婦の強制連行を裏付ける資料はない」という意見広告に賛同者として名を連ねてすらいる。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121107/plc12110712020007-n1.htm

しかし、これはいったいどういうことであろうか。

1993年8月3日の河野官房長官(当時)談話は、「慰安婦」制度について日本政府として調査を行った結果としての政府見解として、「慰安所は、当時の軍当局の要請により設営されたものであり、慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送については、旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した。慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、その場合も、甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、更に、官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった。また、慰安所における生活は、強制的な状況の下での痛ましいものであった。」と明確に軍の関与と慰安婦制度の強制性を認めている。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/taisen/kono.html

また、司法の場でも元「慰安婦」の方々が提起した国賠訴訟において、裁判所も「従軍慰安婦」制度の強制的な性格を繰り返し認定してきた。この資料などに詳しい。http://sengosekinin.peacefully.jp/data/data5/ianhusaibanpanhu1.pdf さらに、多くの生存する被害者たちは、強制的な連行や、甘言による詐欺によって集められ、意に反して慰安婦とされたことを訴えてきた。各国で被害に遭った多くの被害者たちが、日本の裁判で、国際会議で、国連の調査に対して、そして、女性国際戦犯法廷で繰り返し被害事実を訴えてきた。

http://www1.jca.apc.org/vaww-net-japan/womens_tribunal_2000/

首相はこれら「慰安婦」制度の被害に遭われた方々が集団的な「嘘つき」だと考えているのであろうか。

そうだとしたらとても許せない。

日本政府が強く関与して設立された「アジア女性基金」のウェブサイトにも、「慰安婦」制度の強制的な実態に関わる事実関係が詳細に紹介されている。

http://www.awf.or.jp/guidemap.htm

例えば、オランダの被害者について、「アジア女性基金」のウェブサイトは明確に強制連行に該当する事実を記述している。

http://www.awf.or.jp/1/netherlands.html

どうして、これまで司法や政府によって認められてきた「強制性」を今更覆せるというのか、私にはわからない。首相らは「強制連行があったか否か」と論点を狭く設定しているが、「従軍慰安婦」制度の強制性、人権侵害性は、狭義の「強制連行」があるかどうかに矮小化されるものではない。

首相は、「河野洋平官房長官(当時)談話」について、有識者の意見を聴取し、見直しを視野に検討に入る方針だというが、http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121228/plc12122800060000-n1.htm

「従軍慰安婦」制度の強制的性格は否定することは歴史の歪曲として到底許されない。

人権侵害の重大性にもかかわらず、日本政府は被害者に対する直接的な国家補償、謝罪、被害者への十分な救済措置を怠り、「慰安婦」制度の強制性を否定しようとさえする。こうした日本の態度は国際社会から繰り返し非難されてきた。日本がこの問題で世界から批判されるのは過去に起きた恥ずべき人権侵害に対してというより、犯してしまった事実に誠実に向き合わずに被害を過小評価しよう、否定しよう、責任を逃れようとする姿勢そのものである(ドイツとの明確な違いである)。

元「慰安婦」の方々に対しては、不誠実極まりない態度を取り続け、そのことについて米国に強く言われると、態度を豹変させる(安倍首相はブッシュ大統領に対し2007年元「慰安婦」の方々に申し訳ない、と述べ、国内ではその事実を否定してきたhttp://mainichi.jp/select/news/20130518mog00m010005000c.html)。

弱者であり旧侵略国の女性である「慰安婦」制度の被害者の方々の真摯な訴えには耳をかさず、嘘つき呼ばわりをし、そうした人権感覚をアメリカ等国際社会からから批判されると、強い者に迎合して表面的に言動を豹変する、本当に卑屈で最低の態度ではないだろうか。そのような態度を国際社会は見抜いているし、オバマ大統領に嫌われ、軽蔑されるのも当たり前だと思う。

このようなことで日本の誇りは守れない。それどころか、人権感覚・品格に極めて乏しい野蛮な国として悪評が定着し、国際社会から相手にされなくなるだろう。

安倍政権はこの機会に、橋下氏と並んで、外交問題とか国際感覚がどうこうというより、基本的な人権感覚について反省してもらいたい。

政府は、この機会に「従軍慰安婦」制度が強制的性格を有し、重大な人権侵害であることについて、留保なしに明確に再確認すべきであり、二度と恥ずべき論争が起こらないようにしてほしい。

そして、人権侵害の事実を正面から認めたうえで公的な謝罪・補償をし、歴史教育を徹底すべきである。

来週は院内集会も予定され、抗議は国際的にもさらに広がっていくだろう。

http://ajwrc.org/jp/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=796


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10 コメント

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作り話に騙されるなよ。 (jdwsr736)
2013-05-24 22:14:43
2人の従軍慰安婦が、来沖、来日して、橋下市長に面会しなかったけれど、これは、ウソがばれるからです。
とくに、金福童(87)の話は、作り話です。
14才から、連行されて、8年間従軍した?
そんなこと、あるわけがない。
現在87才ということは、1926年生まれです。
年齢と西暦を計算すると、14才は、1940年です。
そして、8年間従軍慰安婦だったということは、22歳です。
西暦でいうと、1948年です。
戦争は、1945年に、終わりました。
ということは、終戦後、3年間も、従軍慰安婦だったことになります。
あり得ない話です。

この証言は、おかしいとは、思いませんか?
この事だけも、作り話だったことが分かります。

韓国には、キ-センという売春文化が、朝鮮王朝時代からあったので、戦争中も、親が借金の方に、キ-センに売ることが多かったです。
日本軍の慰安所では、当時の兵隊の4~5倍の給料を稼いでいた職業売春婦だったというのが、妥当だと思います。
当時、韓国では、慰安婦募集の広告もありました。
終戦後3年経っても、強制連行されたいたなんていうことは、あり得ない話です。

しっかり検証して欲しいと思います。

返信する
Unknown (Unknown)
2013-05-25 18:08:48
証拠もないのに証言だけで感情的に何言ってんの?
どう見ても工作員です
寝言はいいから証拠持って来てね、強制の
返信する
Unknown (Unknown)
2013-05-25 20:39:46
ん~たしかに
日本軍が慰安所のたもに慰安婦かき集めてたんなら数字あいませんね~

敗戦以降も維持する必要はないですから、都合の悪いものとして隠滅(始末)するか、解放するか連合国軍の進駐により保護されるかになるわけで

金福童の婆さんにかんしては、公称してる14歳~22歳までってのが事実ならアングラな組織に人身売買されただけなんじゃないかなぁ~

現在なんかも、戦後形成された在日コリアン社会の裏社会が韓国の裏社会とつながって、韓国人売春婦の日本への供給ルートになってます。さらに日本がべつの国へ中継地になってて
人身売買の取締は途上国並と批判うけてるわけですが

いつの時代も、そういうのはあるわけで
正直、犯罪組織の人身売買によりものま相当数まじってるでしょう。
返信する
精神科医 (宮地 達夫)
2013-05-26 07:42:42
作り話に騙されるなよ。
以下の資料もあるので 「戦争は、1945年に、終わりました。ということは、終戦後、3年間も、従軍慰安婦だったことになります。あり得ない話です」とされますが、そう断定も出来ない資料があるんですね
日本の敗戦後、日本や朝鮮半島などから中国や東南アジア各地に送られた「慰安婦」たちがどのように扱われたのか、ということは大きな問題である。現地で放置された女性もいれば、とりあえずは日本や朝鮮半島に戻ることができた女性もいた 戦後、日本軍が作成した文書のなかに、朝鮮女性が敗戦前後に看護婦として登録されたことを示すものがある。金福童さんも、敗戦時に看護婦としての訓練を受けている。金福童さんは陸軍病院に配属されたようだが、ここで紹介するのは海軍について、日本人「慰安婦」を病院の補助看護婦にするように命令したこと、ならびにそうした措置をとったことを示す海軍の電報である。いずれもイギリス軍が日本海軍電報を傍受し、暗号解読をおこなって英訳したものである。その英訳から原文の日本語を推測して訳したものである[1
一九四五年八月一八日一一時二一分
発信者 第一南遣艦隊司令長官(参謀長) 
宛先 第11特別根拠地隊(サイゴン)、第13特別根拠地隊(ラングーン)、第15特別根拠地隊(ペナン)
シンガポールの海軍「慰安施設」に関して、八月一日付で日本人従業員は海軍第一〇一病院で雇用されることとなった。少女たちの多くは補助看護婦とされた。これと同様の措置をとるべし。(写真)
 一九四五年八月二〇日一九時一五分
発信者   第八通信隊 
宛先 すべての民政部長官
 全地区の日本女性を各地区の病院(第一〇二病院の支部または民政部病院)に看護婦として配属すべし(旧例に従って取り扱うべし)。しかしながら、スラバヤとジャカルタは特別命令に従って扱うべし。完全に了解すればこの電文は焼却せよ。
 
  前者は、シンガポールに司令部を置いていた第一南遣艦隊の命令であり、その指揮下のマレー半島、インドシナ、ビルマなどの部隊に伝達されたものである。ここでは、シンガポールにおいては八月一日付で日本人「慰安婦」を看護婦にしたことが報告され、ほかでも同様の措置を取るように命じている。ここでいう「日本人」とは金福童さんなどの例から考えると、朝鮮人女性も含まれていると見てよいだろう。
後者は、インドシネア第二南遣艦隊の指揮下にあった通信隊からのもので、占領地行政を担当していた各地の海軍民政部(軍政機関)に宛てた電報である。インドネシアの海軍占領地では民政部が慰安所を管理していたので、民政部長官宛になっていると思われる。
海軍の指揮命令系統で見ると、大本営海軍部―連合艦隊―第一〇方面艦隊―第一・第二南遣艦隊となる。この二つの艦隊でフィリピンを除く東南アジア地域全域を担当していた。したがって、この二つの電報から、ほとんど米軍に占領され海軍組織が実質的に解体していたフィリピンを除いて、海軍については東南アジアのほぼ全域で、同様の措置を取るように命令が出されていたと見てよいだろう。
南方軍の「留守名簿」によると[2]、韓丁洙という朝鮮女性が四五年八月一日付で「看護婦」として「発令」されている。この女性は第五陸軍病院の「留守名簿」に記載されており、第五病院はジャカルタにあったのだが、その後、その女性はシンガポールで病死している。現在、シンガポールの日本人墓地に南方軍の「病院関係物故者」氏名一覧が刻まれた碑が建っており、その一覧のなかに彼女の名前が刻まれている(写真)。彼女が慰安婦だったかどうかは断定できないが、その可能性は高い[3]。これは記念碑であってお墓ではないが、「慰安婦」だったとすれば、こうした碑に名前が刻まれているのは非常に珍しいケースだろう。
いずれにせよシンガポールでは八月一日付で看護婦として登録したとの電報の内容は留守名簿によって裏付けられたと言ってよい。電報は海軍のものであるが陸軍も同じ措置を取ったと見られる。金福童さんの場合は、陸軍第一〇病院に八月三一日付で「雇人」になっている。この病院はスマトラにあった[4]。後者の電報ではシンガポールでの措置にならって各地でも同様の措置を取るように命令しているが、それによってとられた措置だろう。日本陸軍の「留守名簿」を調査した姜貞淑氏の論文によると、そこに「看護婦」や「雇人」などとして記載が確認された朝鮮人女性三一四人のうち、四五年八月一日付で登録された者八三人、ほかは一一日5人、二二日八七人、三〇日三五人、三一日一〇四人、となっている。八月一日付でなされた措置が、実際にはいつなされたのか、特に敗戦前か後か、というのははっきりとはわからない。敗戦がわかってから、元々看護婦だったという体裁を取り繕った可能性が高いと思われるが、それは遅くとも八月一八日午前中までになされたことは確実である。
こうした措置を取った意図は電報には書かれていないので推測するしかないが、一つには日本軍が慰安所を持っていたこと、ならびに慰安婦の存在を隠蔽しようとしたのではないかと考えられる。もう一つは、連合軍に武装解除される際に軍人軍属の登録がおこなわれるだろうが、その際に日本人「慰安婦」の扱いに困り、看護婦であれば軍属にできるので(事実、留守名簿に記載されている)、そのように登録して一緒に帰国する便を図ったのではないかという推測も可能かもしれない[5]。 
 この「留守名簿」については、姜貞淑「解放以後に日本軍は朝鮮人の軍慰安婦を軍属で採用」(挺身隊研究所News Letter、第五八号、二〇〇五年一月)、参照。

それから、1993年の河野談話のあと、京都大学文学研究科教授の永井 和が、独自の軍資料を発掘して2004年9月18日に「日本軍の慰安所政策について」を発表「1998年に私の担当する演習で「自由主義史観論争を読む」という授業をいたしまして、そこではじめて藤岡信勝氏や小林よしのり氏の歴史解釈をまじめに検討することになり、その史料解釈がはなはだしく恣意的あるにもかかわらず、政治的言説としてそれなりの支持を受けていること、また従来史料実証主義を看板にしていた一部の歴史家が、この動きに釘をさすどころか、逆にそれを支持する姿勢をとろうとしていたことを知って、いささか驚いたのが、そもそものきっかけでした。従軍慰安婦問題は、南京大虐殺問題と並ぶ「自由主義史観論争」の二大問題でしたので、それについていろいろ文献を漁ったところ、偶然、1996年の末に新たに発見された内務省の警察資料が、「女性のためのアジア平和国民基金」から刊行された資料集(『政府調査「従軍慰安婦」関係資料集成』1、1997年)に収録されているのを知り、それを読み進めました。私は歴史家ですので、ともかく史料を読んで、それをもとに考えるという癖が身に染みついてしまっております。読んでみますと、いわゆる「従軍慰安婦論争」において、その史料解釈が論議の的となった陸軍のある文書が、どのような背景で出されたのかを説明してくれると思われた、一連の資料に出くわしました。そこで、史料実証主義の面目を回復できるのではないかと思い、論文を執筆することにしたわけです」として「本報告では、1996年末に新たに発掘された警察資料を用いて、この「従軍慰安婦論争」で、その解釈が争点のひとつとなった陸軍の一文書、すなわち陸軍省副官発北支那方面軍及中支派遣軍参謀長宛通牒、陸支密第745号「軍慰安所従業婦等募集ニ関スル件」 (1938年3月4日付-以後副官通牒と略す)の意味を再検討する」としている 史料実証主義を重んずる慰安婦否定論者の人びとには是非読んでほしい文献である
http://nagaikazu.la.coocan.jp/works/guniansyo.html#SEC10
返信する
頭がか弱いから (ウンコ福童)
2013-05-26 09:05:57
ごめんなさい、終戦後三年も連れ回してと謝ればいいんですね?

返信する
精神科医 (宮地 達夫)
2013-05-26 09:57:55
頭がか弱いから (ウンコ福童)サン
「ごめんなさい、終戦後三年も連れ回してと謝ればいいんですね?」
その通り。まず謝罪ですね。謝ってください。「自称慰安婦」さんに。それから韓国への賠償では事は終わっていない。三木首相の奥さんのアジア基金が拒否された理由は,日本政府が,政府として謝罪していないからという事だった、あなたも日本国人民なのだから、自分達の選んだ政府の言動には責任がある。私も謝るので一緒に謝りましょう


返信する
??? (G.マルコーニ)
2014-03-29 01:17:39
元慰安婦と称する方々の証言には、年齢と年代が合わない例(コメントで指摘されているような矛盾)や、
「ジープやヘリコプターで強制的に慰安所に移動させられ、云々」などといった発言があります。

大日本陸軍というか、大日本帝国軍にはジープやヘリコプターが存在せず、これは明らかに朝鮮戦争時に韓国政府が連合軍兵(実態はアメリカ軍兵士)のために設置した従軍慰安所での体験を語っているとしか思えません。その時の慰安婦の数は、昨年韓国議会で野党議員が発表した数字が確か20万人だったように記憶しています。そこでは、強制堕胎は勿論、強制子宮摘出など、また、性病に罹った慰安婦はタコ部屋のようなところに押し込められたそうです。
現在、慰安婦問題訴訟の中心となっているハルモニたちの多くはまさに朝鮮戦争時の慰安婦のようです。

実は、沖縄で公演した元慰安婦の金福童さんも韓国での過去のマスコミ取材で「(強制連行ではなく、)金銭で売られた慰安婦だった」との証言をしていた事実があり、既に日本にもこの事実は漏れ伝わっているようです。

「言葉巧みに騙し」という表現がよく使われますが、当時の日本人女衒や軍人が巧みに朝鮮語を扱えたとは到底思えません。仮に1人位そのような人がいたとしてもその人が20万人を騙せるものでしょうか?
その期間を5年間とすると、365日休みなく騙し続けて、1日あたり110人弱の朝鮮人女性を騙していたということになります。この数字は、睡眠も取らずに1日24時間休みなく騙し続けたとして、時間あたりに5人弱、約10分に1人騙さなければいけません。

「2百数十人の慰安婦が強制連行された」という発言から、いつの間にか、「20万人の慰安婦が強制連行された」という発言に変わり、「慰安婦」が「SEX SRAVE」にすり替えられた経緯などを見ると、残念ながら、慰安婦を出汁にした揺すりビジネスの様にしか見えません。

実際に、「強制連行されたかわいそうな方が一人もいなかった」などとはとはとても思えませんが、しかし、もし、司法の場で、怨恨で1人しか殺していない殺人犯に対して「無差別に100人殺した」という容疑をかけて起訴すれば、明らかに検察が負けるでしょう。

大事なことは事実です。

オーラル・ヒストリーも軽々に扱ってはいけないと思いますが、人は嘘をつく動物でもあります。
もし、第三者機関による、且つリアルタイムな調査があれば、そちらがより重要視されなければいけないでしょう。

戦時中に、米軍によりビルマで行われた従軍慰安婦に対する聞き取り調査があり、質問内容、その回答が簡潔にまとめられた調査報告書の公文書が公開されているようですが、その文章によると、娼婦たちをキャンプ・フォロワーの高級娼婦と断定しています。
もし、強制連行や、性奴隷なら、敵国日本のネガティブ・キャンペーンに使える材料ですから、徹底的に利用したはずです。それが、あっさりと高級娼婦、キャンプフォロワーという表現で終わり、つい最近まで日の目を見なかったために、現代のアメリカの議員らの多くもこの公文書の存在を知らなかったようです。

また、当時をリアルタイムに知っている日本人(当時、幼年兵だったいう小野田元上等兵)や台湾人らの証言にも注意しておくべきでしょう。

さらに、最後に一つ付け加えておくと、
当時の朝鮮半島の警察官や女衒らは朝鮮人です。(日韓合邦によって日本人となっているから、「彼らは日本人だ!」と言い張ることは可能ですが・・・)

また、下級軍人や満州軍には沢山の朝鮮人兵がいました。いや、いや、これも帝国軍人ですが・・・

まぁ、ある時は日本人、ある時は朝鮮人、と・・・、都合よく正体を替える鵺ですね。

おそらく、実態は、朝鮮人の女衒に騙され、そして朝鮮人の日本兵に強制連行(?)された少女も数十人はいて、日韓合邦下では、女衒も、軍人も、騙された少女も皆「日本人・・・」ということなのでしょう。






証拠資料に基づく従軍慰安婦の正体
https://www.youtube.com/watch?v=wq3PpeMbfrY

NHKによる取材「台湾の老人に聞く従軍慰安婦」
https://www.youtube.com/watch?v=I-2k7P85WiI

韓国人教授88才の絶叫「韓国は歴史捏造をやめるべきだ!」
https://www.youtube.com/watch?v=_LEHPTlaN7Q
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朝鮮戦争時の米軍慰安婦問題について (G.マルコーニ)
2014-04-01 16:24:56
日本在住の朴一教授の過去の独自調査(1000名以上の慰安婦を独自聞き取り調査)でも「強制連行という事実はなかった」とのこと。

もし、20万人という膨大な数の少女が強制連行されていれば、合邦下の朝鮮半島においても大きな社会問題化していたはずですが、そのような事実は全くない。とすれば、客観的に判断して当時の慰安婦の募集問題は合法なものとしての認知を受けていた可能性が高い。

当時、慰安婦の期間は2年間に限るという制限が為されていたらしいのですが、(大変儲かるために)期限を超えて働くために帰国せず、周辺国の慰安所に密入国したと於いう元慰安婦の記録(戦後の出版)もあります。

私見ですが、どう客観的に見ても軍主導による「強制連行」はなかったとしか思えません。勿論、「強制連行」の事例が「皆無」だとも思いませんが、レアケースを普遍化して表現することには無理があるでしょう。

つまり、日本人の中にヤクザが居ることを以って、「日本人は全てヤクザである」というような現在の韓国側の主張には根本的な無理がある、ということです。

現在の韓国側のゴリ押しの態度は、「このような無理筋の主張の背景には何があるのか?」と疑わせるに十分です。
とは言え、思考停止の日本人は「韓国人が怒っているのだから、(言われるままに、何も考えず)謝りましょう!」という考えに至るようです。

まさに、かつて河野談話で行った日本人の対応そのものです。
謝るにせよ、反論するにせよ、キチンと精査して、誠実に対応すべきではないでしょうか?




櫻井よしこ氏、生放送で韓国人論客3人を完全論破
https://www.youtube.com/watch?v=iTyp4pSGiu8

阿比留瑠比登場! 慰安婦問題
https://www.youtube.com/watch?v=fYkAvWpDJaA

河野談話の根拠崩壊
https://www.youtube.com/watch?v=cdsWyxKXRDM

韓国、米軍慰安婦問題で謝罪と賠償を要求「百ドルを稼ぐため百万人が米軍の相手をした」
https://www.youtube.com/watch?v=FdPTbcBt9Go

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Unknown (Unknown)
2014-04-01 23:20:46
戦争による被害を被った者は韓国人慰安婦だけではない、戦争責任は当時の為政者である。そして責任者は処罰されている。それを国家間では平和条約も締結し解決済みの事を、故意に問題化し、現在の日本政府にだけ謝罪と賠償を求めるのは筋が通らない。
そして橋下徹氏に意見があるなら本人に言うのが筋だ、それを事情を知らない者に訴えても意味がない、それとも橋下氏に直接言えない事情でもあるのだろうか。
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参考情報 (G.マルコーニ)
2014-04-15 20:36:01
韓国で「慰安婦は自発的な売春婦」署名運動・・・「虚偽だ」波紋広げる
サーチナ 4月15日(火)6時47分配信

 韓国の複数のメディアによると、旧日本軍の従軍慰安婦問題について、慰安婦は「自発的に売春した女性」だと主張する署名運動が同国内のインターネット上で行われていることが11日に判明し、波紋を広げている。署名運動を展開しているインターネットユーザーは、集まった署名を日本の外務省に提出する方針という。

 「これ以上、世界に向けてうそをつくのは止めましょう」と題した署名運動は、あるネットユーザーが開設した専門サイトで8日から行われている。太平洋戦争当時に米軍が作成した慰安婦報告書には、慰安婦が志願制の募集だったことや、月平均の給与が700-1500円だったことが記されていると説明した。

 また当時の京城日報や毎日新報の記事を紹介。その内容から「日本軍が慰安婦を正式に募集する広告もあった」とし、「韓国は伝統的な売春国家」などと主張した。

 12日午後5時の時点で署名数は665人。署名したユーザーらは「歴史的な事実は変えることはできない」、「慰安婦の真実を明らかにしてください」などと活動を支持するコメントを寄せていた。

 韓国メディアによると、同サイトは韓国で波紋を広げており、多くのユーザーが、「虚偽の事実を広めて(元慰安婦の)おばあさんの名誉を傷つけている。身元を特定して処罰する必要がある」などと怒りをあらわにしているという。(編集担当:新川悠)(写真は「CNSPHOTO」提供。撮影は2013年3月27日、韓国の日本大使館前での様子)
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