大阪府教育長・最悪の人事・中原徹/山上俊夫・日本と世界あちこち ブログから

2013-04-11 11:22:06 | 社会
http://blog.goo.ne.jp/1848yama/e/661ca7a43acc796a80698e547db4faf4
 昨日(2013・2・19)、夕刊が一斉に大阪府教育長人事を報じた。
中西正人氏の後任に、和泉高校の民間人校長・中原徹氏(42)の起用を松井一郎知事が決めたというのだ。
最悪の人事だ。大阪のほとんどの教育関係者が、もう世も末だと思っただろう。
 卒業式で教頭に命じて、教職員の口の動きを監視した。
静かに口を閉じている人を、あいつはどうか、こいつはどうかと順に監視する。
背筋が寒くなる風景だ。
斉唱を命じながら、自分らは心ここにあらずできょろきょろする。
卒業を祝う心などどこへやら。
こんな人物が教育行政の事務局のトップになる。
教育委員たちは非常勤だから、教育長が全体を取り仕切る。
 中原氏は府教委の人事異動のルールも無視して、自分の気に入らない教員をほうり出す。
教育条例をめぐる暴言の数々。
 さらに今年度、教科の教育内容に露骨な介入をした。
3年生の現代国語では、定番の教材・森鴎外の『舞姫』をあつかうが、これに対して、そんなものはするな、受験用の問題の練習をやれと命じたのだ。
なんという破廉恥。
レベルの低さ。
教員免許をもたない人物とはいえ、あまりのことだ。
教師にとって、『舞姫』はあつかうには大変な作品だ。
力量がいる。
生徒にとって、漢語ばかりで読み取ること自体が困難だ。
だからといってこれを避けたら、一気に低きに流れる。
 中原氏は、長い時間をかけて『舞姫』にとりくんでもすぐには学力は付かない、だったら問題演習をやる方が受験学力がつくという考えなのだろう。
全国一斉学力テストのためにドリルをくりかえすのと同じだ。
正規の授業を変質させるのは教育の崩壊につながる。
困難を承知で作品に立ち向かい、読み取り、鑑賞し、解釈し、表現する、これが学びというものだ。
これを抜きにして安易に成果を求めようとするのは、力を持たない学力、死んだ学力をめざすことになる。
 わたしは戦前戦中の学校のことを調べたりしている。
そのひとつに学校教練がある。
軍事教練だ。
1925年に陸軍現役将校が中学校以上の学校に配属され、教練の制度化がすすんだ。
その成果を検証するため陸軍による査閲が行われた。
直前に査閲用の練習、予行演習をくりかえす学校が出てくる。
陸軍省は、そのような眼前の成果のみを追い求め、一時的に外形を整えようとするがごときは断じて避けるべきであると注意をしている。
わたしは教練、軍事教育を否定する。
しかしその軍事教育においてさえ、試験対策に走ることを否定している。
 国語はにわか仕立ての試験用の勉強がいちばん効かない教科だ。
受験生自身がよく知っている。
大阪教職員組合の調査研究でこの事実が証明された。
機会をあらためてこのブログで紹介したい。
 『舞姫』をやらずに受験対策のようなことをやる方が教師にとってずっと楽だ。
でもまじめな教師はそんな逃げは打たない。
だが、いまの大阪の、維新が教育界を荒らしまわる風潮のもとでは、受験対策に走る教師をすばらしい教師だと持ち上げるようになっている。
わたしは、中原氏のような教育観を持つ人物が教育行政の中枢にすわることは、教育の本質を腐らせることになると危惧する。


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1 コメント

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Unknown (世も末)
2013-04-12 17:30:33
彼は帰国子女でエスカレーターで進学した人間です
受験経験を語ることは出来ないし
ましてや受験指導など語れる人間でもない
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