北朝鮮・食糧消息ニュースレター創刊/在日コリアン青年連合

2009-02-16 10:37:50 | 北朝鮮
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    North Korea Today -食糧消息-  ◆創刊号(2009年 2月15日)
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                  提供:在日コリアン青年連合(KEY)
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 韓国のGood FriendsとJoin Together Society(JTS)両団体が発行する
 ニュースレターから、朝鮮民主主義人民共和国の食糧事情に関連する
 情報を翻訳してお伝えします。

【今回の掲載号】
▼Good Friendsニュースレター255~259号(2008年12月分)
 http://www.goodfriends.or.kr/n_korea/n_korea11.html
 ※次号は、2009年1月~2月の2ヶ月分を提供する予定です。

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◆ 極貧者たち、キムチの漬け込みの代わりに大根の葉の塩漬け
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 コッチェビ(「花つばめ」、浮浪児のこと)たちをはじめとしてお金を儲ける
ことができない極貧者たちは、収穫が終わった畑に出て、落ち穂や大根の茎・葉
を拾うことに沒頭している。コッチェビたちは主に大根、白菜を農作した畑へ行
き、地面に落ちた大根の茎や葉を拾って行く。キムチの漬け込みはできなくても
塩漬けにして食べようというのである。
[Good Friends 255号(12/2配信)]

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◆ 延白平野の農民の配給量、わずか4~6ヶ月分
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 黄海南道海州市の幹部の一人は、延安、白川、青丹郡など延白平野地域の農民
たちの今年の食糧配給量が、4~6ヶ月分に過ぎないと明らかにした。 また、現
金決算の配給ができない農場が多い。 白川郡に暮らすファン・ジェスン(41歳)
さんは、「食糧配給を全部もらえるという期待は当初からしていなかったが、今
年農業がそれでもうまくいって、去年よりはましだろうと思ったけど、やっぱり
…」と話し、住民たちの失望が大きいと伝えた。この地域は代表的な穀倉地帯で
あると同時に軍事境界線上の前方地帯であるため、軍糧米が最も優先されて持っ
て行かれ、一部は平壌にも送られた。農民たちに渡る分は常に不足せざるを得な
い。海州市のある幹部は、「去年より生産が増えたとは言え、今年決めた穀類の
計画を果たした農場は、黄海道でたった一ヶ所もない」と話した。
[Good Friends 256号(12/9配信)]

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◆ 「トウモロコシ米はすぐに減る、お粥を作らなければ」
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 江原道洗浦郡のある幹部は、去年に比べて今年の食糧生産量が多くなったと明
らかにした。製粉所(精米所) の人たちは生産量が増えたといってもあまり実感
しにくいと話す。製粉所を訪れる人が例年と比べてあまり多くないからである。
例年は、今頃ならば製粉所ごとに毎日トウモロコシ袋が列をなして並んでいるの
に、近頃は一日に何袋か見かけることも難しい。トウモロコシを研いでトウモロ
コシ米にしていたものも、今は初めから粉末にしてくれと言う人が多くなった。
プクチョンリ製粉所にトウモロコシ粉を作りに来た40代の女性は、「トウモロコ
シ米にして食べると、あまりにもすぐに減る。惜しんで食べるならお粥にして食
べなければならない。消化が良い上に、野菜などを入れれば量が増えるから良い
」と話した。お年寄りたちは製粉所へ行かずに、家で臼でついてトウモロコシ粉
に直接したりもする。機械で砕くとどうしても損失がたくさん生じるので、大変
でも家で粒を加工する方が良いという理由からである。
[Good Friends 257号(12/16配信)]

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◆ クァイル郡のりんご農場、食糧の代わりにりんごを配給
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 黄海南道クァイル郡の果樹総局りんご農場では、食糧の配給量が不足するとり
んごを食糧の代わりに配給した。穀物が 4ヶ月の分量にしかならず、農民1人当
りりんご200kgを食糧の代わりに支給したのである。りんごを代用として配給し
たことは今年初めてのことである。農民たちは来年の食糧問題のために早くから
りんごの商売をするという人が多い。このような動きに対して果樹農場の保安署
側は、「これからちゃんと働きに出ない人々は農場鍛錬隊に送る」と脅しをかけ
た。
[Good Friends 257号(12/16配信)]

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◆ 平安南道の穀類実績、去年より良い
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 平城のある幹部は、平安南道の各地域にある農場の今年の穀類実績が去年より
良くなったと明らかにした。平城を含めた南浦市、順川市、江西郡、温泉郡など
では、各農場の総生産量が去年より良くなり、これによって農民の配給量が最小
6ヶ月分以上になると予想される。彼は、地域によって差はあるが最大8~9ヶ月
の分量までもらう所もあると伝えた。種子用食糧と飼料用穀物以外の大部分の食
糧を軍糧米として差し出した後、それを差し引いた残りを農民に配給するので、
12ヶ月分をもらうことは難しい。去年までだけにしても、この地域の農民たちは
平均 4~5ヶ月ほどの分量しかもらうことができず、今年の食糧不足は深刻だっ
た。江西郡に暮らすキム・ジンオク(42歳)さんは、「去年より農業がよくできた
とはいえ、それは今年大きい自然災害がなく穀類の損失が減ってのことで、実際
にたくさん増えたわけではない。トウモロコシが安くて少しは生活がましになり
はしたが、来年初春にはまた苦しくなりそうだ」と話した。一方、来る12月末に
平安南道における地域各市・郡の農場管理労働者が集まり、穀類総生産量の総括
をする予定だ。この会議で収穫高の実績が低い農場管理委員長と党秘書を解任し
、実務能力が認められる新しい労働者を選出する予定である。
[Good Friends 258号(12/23配信)]
 
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◆ 平安南道の医療教育部門労働者に、半月分のトウモロコシを配給
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 去る11月、平安南道の各市・郡では、医療部門と教育部門の従事者に15日分の
トウモロコシを配給した。平城市では年労保障を与えられた功労者と戦争老兵、
そして遺族にも15日分を配給した。一方、工場、企業所の中にはそれ自身が配給
できない所が多かった。
[Good Friends 258号(12/23配信)]

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◆ 黄海北道の一部農場、個人の畑の農作物を含め1年分全量を配給
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 黄海北道の黄州郡と瑞興郡、鳳山郡など一部の地域の農場では、農民に12ヶ月
分全量を配給した。沙里院のある幹部は、全量配給とは言え実際には8~9ヶ月の
分量だと語った。この地域の農場も、軍糧米を納めたから全量配給ができない状
況だという。ただこの地域では、農場員が個人の畑で育てた作物を配給量に含め
て一年分の配給量を計算したのである。黄州郡のある40代の農場員は、「家のそ
ばの畑や小土地で得た穀類を調査しに来る時から疑わしかった。家ごとにいちい
ち歩き回って穀類を調査して、配給する時に小土地からの穀類を一緒に計算して
いたよ。無理やり全量与えたという面目を立てようとそうしたのだ」と語った。
ハン・ジョンオク(47歳)さんも、「一年分の食糧配給を与えなかったら農場員は
どうやって働きに出ることができるのか。農場労働者が働いて食べるのはすごく
大変だろう。とにかく一番打撃受けるのは農民たち」と話した。
[Good Friends 258号(12/23配信)]

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◆ 咸興の軍部隊の要請に、穏城が軍糧米を追加で納める
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 咸鏡南道咸興市の駐屯部隊は、咸鏡道穏城から今年の軍糧米として豆を40トン
ずつ受け取った。配給された豆で味噌、モヤシ、豆腐、おからなどを作るのに量
が十分ではなくて、軍糧米を追加要請した。ここに穏城郡の郡党では各農場に4
トンずつをさらに納めた。各農場では、軍糧米計画を完遂してからまもなく追加
計画が下ったので戸惑った。軍糧米を納め、残った食糧で農民たちに既に配給を
終わらせた状況であり、残った数量がいくらもないからである。一部の農場では
仕方なく種子や飼料として残しておいた分から軍糧米を抜き取り、また一部の農
場では農場員らに米1kgを豆 4kgと交換するやり方で集めている。
[Good Friends 259号(12/30配信)]

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◆ 会寧 12月、トウモロコシと豆を配給
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 咸鏡道の会寧では、12月の配給で労動者にトウモロコシを15kgずつ配給した。
子どもとお年寄りがいる家には18kgずつさらに供給した。トウモロコシの代わり
に豆を18kg配給した地域もあった。農民たちも配給を受け取ったが、会寧もやは
り穏城と同じく軍糧米を追加して納め、農民らの憤りの声が上がっている。配給
された米をトウモロコシに換算してもらい、家に運んでからからに干した農民た
ちは、軍糧米を追加で納めなさいという要求に、「また騙された」という反応で
ある。
[Good Friends 259号(12/30配信)]


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▼KEYは、朝鮮民主主義人民共和国・咸鏡北道の子どもたちに食糧や栄養食を
 支援する『咸鏡北道オリニ結縁募金』を常時集めています。詳細はこちら。
  http://www.key-j.org/program/doc/jts/orini.html

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  ●編集・発行●
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