参考情報・北朝鮮、「金王朝」世襲を明文化/朝鮮日報日本語版

2013-08-13 09:19:14 | 北朝鮮
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130812-00000591-chosun-kr

北朝鮮が今年6月、憲法や労働党規約より上位の規範である「党の唯一思想体系確立の10大原則」を39年ぶりに改正し、「白頭の血統」すなわち金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の一族による政権世襲を明文化したことが11日までに分かった。北朝鮮は同原則から「プロレタリア独裁政権」という表現を削除し、「共産主義の偉業」の代わりに「主体(チュチェ)革命偉業」を強調するなど、事実上「王朝国家」を宣言したと分析されている。 
 北朝鮮事情に明るい韓国政府消息筋によると、北朝鮮は今回、1974年4月に金第1書記が後継者として内定して以降、最高の統治規範としてきた同原則を改正した。名称も「党の唯一的領導体系確立の10大原則」に変更し、内容を序文と10条65項から序文と10条60項に縮小・統合した。

 同筋は「統治理念を金日成(キム・イルソン)主義から金日成・金正日(キム・ジョンイル)主義に変更し、金正恩氏を金日成・金正日両氏と同格化した。金一族の世襲を正当化、規範化する狙いがある」と指摘した。

■金一族の政権世襲明文化
 北朝鮮は改定した「10大原則」の第10条第1項で「党の唯一的領導体系を確立する事業を絶えず進め、代々続けていかなければならない」とした。第2項では「わが党と革命の命脈を白頭の血統で永遠に継承し、その純潔性を徹底して固守しなければならない」と指摘した。従来の第10条第1項は「金日成首領の領導の下、党中央の唯一的指導体制を確固として確立しなければならない」とされ、第2項は「金日成同志の革命の伝統を害そうとしたり、抹殺しようとしたりする反党的行動に対しては、小さな表現にも反対し、断固闘争しなければならない」となっていた。韓国の国策シンクタンクのある研究委員は「北朝鮮は『白頭の血統』を強調し、世襲を明文化するとともに、金日成・金正日・金正恩に連なる家系の偶像化を強化することで、前近代的な封建体制であることを自ら認めたものだ」と評した。
 新たな「10大原則」には「錦繍山太陽宮殿(金日成・金正日父子の遺体保存施設)を永遠の聖地とし、決死の覚悟で守る」(第2条)とか「白頭山の偉人の肖像画、銅像、映像を盛り込んだ作品、発言パネルなどを丁寧に扱い、徹底的に保護しなければならない」(第3条)といった内容も含まれている。「白頭山の偉人」は金正恩一家を指す。また、「首領様(金日成氏)の教示、将軍様(金正日氏)のお言葉、党(金正恩氏を指す)の路線と政策を事業と生活の指針、信条として、それをものさしにして全てを測り、いつでもどこでもその要求に従い考え、行動しなければならない」(第4条)とも規定している。

■「共産主義」の表現消える
 旧原則の第1条第3項にある「金日成同志が打ち立てたプロレタリア独裁政権と社会主義制度を守り」という表現は「金日成同志が打ち立て、首領様と将軍様が輝かせてくださった最も優れた我々の社会主義制度を守り」に変更された。・金日成主義を金日成・金正日主義に変更すると同時に、「プロレタリア独裁政権」という表現を削除した形だ。これも金王朝の世襲体制を固めるための措置と言える。

 北朝鮮は旧原則の「祖国統一と革命の全国的勝利、社会主義、共産主義の偉業の完成のために闘争しなければならない」(第1条第4項)という部分も「祖国統一と革命の全国的勝利、主体革命偉業の完成のために闘争する」に改めた。必ず達成すべき「偉業」から「社会主義」と「共産主義」が脱落し、新たに「主体革命」が加えられた。国策シンクタンク関係者は「共産主義の理念より金一族の唯一指導体制が重要だという意味だ。北朝鮮が全国的勝利に言及したのは、韓国を赤化統一する路線を維持したものだ」と分析した。
■党幹部けん制条項も
 新原則では党幹部をけん制するために設けられた条項も注目を集めている。金正恩体制の不安定性を物語っているからだ。第6条には「個別の幹部が職権の余り盲従盲動したり、非原則的に行動したりする現象を徹底的になくさなければならない」との条項が加えられた。また、「党の統一団結を破壊し、害を与える宗派主義(派閥主義)、地方主義、家族主義をはじめとするあらゆる反党的要素と同床異夢、陽奉陰違(面従腹背)の現象に反対し、闘争しなければならない」との条項も盛り込まれた。

 また、「古い事業方法とやり方をなくさなければならない」とした第7条には、官僚主義、主観主義、形式主義など排斥すべき対象に「勢道(政治的権勢を指す)」が加わった。第9条は「全ての事業を党の唯一的領導の下で組織、進行し、政策的問題は党中央(金正恩氏を指す)の結論によってのみ処理するという秩序、規律を確立しなければならない」とした。国策シンクタンク関係者は「幹部層の病弊に繰り返し言及したのは、彼らの体制離反審理や綱紀の乱れが深刻なことの反証だ」と分析した。

 党幹部に事業実績を上げるよう圧力をかける条項も新設された。金正恩氏が「10大原則」を通じ、大規模な粛清を予告したとの見方もある。

■資本主義遮断に苦心
 第4条には「ブルジョア思想」「事大主義思想」に言及する部分が登場し、「反党的、半革命的思想の潮流に反対、闘争し、金日成・金正日主義の純潔性を固守しなければならない」と定めた。韓国政府消息筋は「中国や韓国を通じ、北朝鮮に資本主義的な生活様式が流れ、党幹部と住民の意識が変質することを懸念したとみられる」と述べた。

■核軍事力も明記
 北朝鮮は「10大原則」の序文で「首領様と将軍様の領導により、核武力を中枢とする軍事力と堅固な自立経済を持つに至った」と指摘した。これまでは核に関する記述はなかった。北朝鮮は昨年4月の最高人民会議第12期第5回会議で憲法を改正し、序文に「核保有国」であることを明記し、今年3月の労働党中央委員会全体会議では、核武力と経済発展の並行路線を採択した。


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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
共産主義から王政へ移行 (Unknown)
2013-08-16 16:38:12
当然、国名の「民主主義人民共和国」も変えるよね!?
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