美浜の会、フクロウの会、グリーン・アクション、FoE Japan、グリーンピース
・ジャパン、原子力資料情報室の6団体は、下記のような緊急声明および要請を
政府に対して提出します。連名可能な団体・個人は、4月25日(月)23時(一次
締め切り)までに、下記のフォームよりご連絡ください。
https://spreadsheets.google.com/spreadsheet/viewform?formkey=dGFmYldDV3RzVXFiV2Z5NDhuQXp4OXc6MA
http://blog.canpan.info/foejapan/daily/201104/23
=======以下声明&要請文
呼びかけ団体:グリーン・アクション、グリーンピース・ジャパン、原子力資料
情報室、福島老朽原発を考える会、美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会、
国際環境NGO FoE Japan
【緊急声明と要請】
子どもに「年20ミリシーベルト」を強要する日本政府の非人道的な決定に抗議
し、撤回を要求する
4月19日、文部科学省は、学校等の校舎・校庭等の利用判断における放射線量の
目安として、年20ミリシーベルトという基準を、福島県教育委員会や関係機関に
通知した。この年20ミリシーベルトは、屋外で3.8マイクロシーベルト/時に相
当すると政府は示している。
3.8マイクロシーベルト/時は、労働基準法で18歳未満の作業を禁止している
「放射線管理区域」(0.6マイクロシーベルト/時以上)の約6倍に相当する線
量を子どもに強要する、きわめて非人道的な決定であり、私たちは強くこれに抗
議する。
年20ミリシーベルトは、原発労働者が白血病を発症し労働認定を受けている線量
に匹敵する。また、ドイツの原発労働者に適用される最大線量に相当する。
さらにこの基準は、大人よりはるかに高い子どもの感受性を考慮にいれておら
ず、また、内部被曝を考慮していない。
現在、福島県によって県内の小・中学校等において実施された放射線モニタリン
グによれば、「放射線管理区域」(0.6マイクロシーベルト/時以上)に相当す
る学校が75%以上存在する。さらに「個別被ばく管理区域」(2.3マイクロシー
ベルト/時以上)に相当する学校が約20%も存在し、きわめて危険な状況にある。
今回、日本政府が示した数値は、この危険な状況を子どもに強要するとともに、
子どもの被曝量をおさえようという学校側の自主的な防護措置を妨げることにも
なる。
文科省は、20ミリシーベルトは、国際放射線防護委員会(ICRP)勧告Pub.109お
よびICRP3月21日付声明の「非常事態収束後」の基準、参考レベルの1-20ミリ
シーベルトに基づくとしているが、その上限を採用することとなる。
21日現在、日本政府からは、本基準の決定プロセスに関しては、何一つ具体的な
情報が開示されていない。また、子どもの感受性や内部被曝が考慮されなかった
理由も説明されていない。文科省、原子力安全委員会において、どのような協議
が行われたのかは不明であり、極めてあいまいな状況にある(注)。
私たちは、日本政府に対して、下記を要求する。
・子どもに対する「年20ミリシーベルト」という基準を撤回すること
・子どもに対する「20ミリシーベルト」という基準で安全とした専門家の氏名を
公表すること
(注)4月21日の政府交渉で、原子力安全委員会は正式な会議を開かずに、子ど
もに年20ミリシーベルトを適用することを「差支えなし」としたことが明らかに
なった。また、4月22日、5人の原子力安全委員の意見とりまとめについて議事録
は無かったと、福島瑞穂議員事務所に回答している。
(参考)
4月21日付ドイツシュピーゲル誌の20ミリシーベルト設定に関する記事(「文部
科学省、子どもたちに対してドイツの原発労働者と同様の被爆限度基準を設
定」)より、専門家のコメント
エドムント・レンクフェルダー(オットーハーグ放射線研究所)
「明らかにがん発症の確率が高まる。基準設定により政府は法的には責任を逃れ
るが、道徳的には全くそうではない。」
-------------------
「子どもの安全基準、根拠不透明~市民の追及で明らかに」(OurPlanet-TV)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1012
----------------------
参考情報:4月21日、文科省・原子力安全委員会との交渉報告(FoEブログ)
http://blog.canpan.info/foejapan/daily/201104/21
まだまだ反対の声が小さいようで、政府はこの基準を撤回しようとしません。
開き直ってか、(20日付けですが)文科省は、子どもの年20mSvの被曝を正当化するために、以下のようなことを福島県の現場教員や保護者に伝えているようです。
「教育現場の皆様へ 」
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/04/21/1305089_2.pdf
放射能を正しく理解するために
教育現場の皆様へ
文部科学省
平成23年4月20日
*本資料は日本小児心身医学会のご指導・ご協力を得て作成しています。
放射性物質(ほうしゃせいぶっしつ)とは?
• 「放射性物質」というのは“安定していない”状態の物質です。この
ため、より安定な物質に変化しようとします。放射性物質が安定な
物質に変化する際にエネルギーを放出します。これが“放射線”で
す。
• 安定な物質になると、これ以上放射線は出しません。
放射能(ほうしゃのう)とは?
• 「放射能」とは、“放射線の出す能力”のことを指します。1秒間に放射性物質
が安定な物質に変化する数を「ベクレル」と呼び、放射能の単位として使わ
れます。
• 放射性物質は安定な物質に変化するので、放射能は時間が経つとともにど
んどん弱くなっていきます。
• 例えばヨウ素131は放射能が半分になる時間(“半減期”と言います)が8
日です。セシウム137は30年です。テレビ等で話題となるこれらの放射性
物質は、原子力発電所から飛散しています。
“自然放射線”
食物や大気には、普段から放射性物質(カリウム40やラドンなど)が
混ざっています。私たちはその他にも、宇宙や大地から放射線を受
けています。これらを“自然放射線”と呼びます。
医療でレントゲン写真を撮影したり、海外旅行で飛行機に乗ったりす
ることでも、放射線を受けています。これまであまり意識されて来な
かっただけで、放射線は、実は大変身近なものなのです。
“放射線から身を守る”という立場で、必要のない放射線をできるだ
け受けないようにすることは、大切です。しかし、過剰な対策は、生
活に支障をきたしたり、偏見を産み出したりすることにもつながりま
す。何事もバランスが大事です。
放射線と「被ばく」の基礎
放射線を受けることを“被ばく”と呼びます。被ばくには、「外部被ばく」と
「内部被ばく」があります。どちらも人体に及ぼす影響は同じです。
「外部被ばく」は衣服や皮膚に放射性物質が付着することで生じます。
これは、花粉症対策と同じようにして、放射線の影響を減らせます。
放射性物質を体内に取り込んでしまうことを「内部被ばく」といい、
そうなると、放射性物質を洗い流したりできないので、注意が必要です。
ただし、放射性物質をいったん体内に取り込んでも、
排泄時に体外に排出されたり、自然に放射能が弱まったりすることで、
放射線の影響は弱まっていきます。
学校生活における留意点(その1)
・国際放射線防護委員会(ICRP)は、3月21日に「今回のような非常事態が収束し
た後の一般公衆における参考レベルとして、1~20ミリシーベルト/年の範囲で
考えることも可能」とする声明を出しています。
・学校生活においては、1~20ミリシーベルト(=1,000~20,000マイクロシーベルト)
を暫定的な目安とし、今後できる限り、受ける線量を減らしていくことが適切です。
・1年間で蓄積される放射線量が20ミリシーベルト(=20,000マイクロシーベルト)を
超えないようにすることとしました。
・これは、1日あたり平均55マイクロシーベルト以下、1時間当たり平均2.2マイクロ
シーベルト以下であることに対応します。
・また、1日の生活を、原子力安全委員会が示した考え方に基づき、8時間の屋外、
16時間の屋内活動とすると、毎時3.8マイクロシーベルトとなります。
*以下PDFファイルをご覧ください
信じ難い内容です。ツッコミ所満載で、既にいろいろと話題になっていますが、
「数年で250ミリシーベルトとなるような弱い放射線では影響は生じません」(P.10)
こうした矛盾に満ちた無責任きわまりない説明をして、福島の子どもたち(大人も)を強制的に被曝させるのです。
安楽知子
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ブログ内・関連記事
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・ジャパン、原子力資料情報室の6団体は、下記のような緊急声明および要請を
政府に対して提出します。連名可能な団体・個人は、4月25日(月)23時(一次
締め切り)までに、下記のフォームよりご連絡ください。
https://spreadsheets.google.com/spreadsheet/viewform?formkey=dGFmYldDV3RzVXFiV2Z5NDhuQXp4OXc6MA
http://blog.canpan.info/foejapan/daily/201104/23
=======以下声明&要請文
呼びかけ団体:グリーン・アクション、グリーンピース・ジャパン、原子力資料
情報室、福島老朽原発を考える会、美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会、
国際環境NGO FoE Japan
【緊急声明と要請】
子どもに「年20ミリシーベルト」を強要する日本政府の非人道的な決定に抗議
し、撤回を要求する
4月19日、文部科学省は、学校等の校舎・校庭等の利用判断における放射線量の
目安として、年20ミリシーベルトという基準を、福島県教育委員会や関係機関に
通知した。この年20ミリシーベルトは、屋外で3.8マイクロシーベルト/時に相
当すると政府は示している。
3.8マイクロシーベルト/時は、労働基準法で18歳未満の作業を禁止している
「放射線管理区域」(0.6マイクロシーベルト/時以上)の約6倍に相当する線
量を子どもに強要する、きわめて非人道的な決定であり、私たちは強くこれに抗
議する。
年20ミリシーベルトは、原発労働者が白血病を発症し労働認定を受けている線量
に匹敵する。また、ドイツの原発労働者に適用される最大線量に相当する。
さらにこの基準は、大人よりはるかに高い子どもの感受性を考慮にいれておら
ず、また、内部被曝を考慮していない。
現在、福島県によって県内の小・中学校等において実施された放射線モニタリン
グによれば、「放射線管理区域」(0.6マイクロシーベルト/時以上)に相当す
る学校が75%以上存在する。さらに「個別被ばく管理区域」(2.3マイクロシー
ベルト/時以上)に相当する学校が約20%も存在し、きわめて危険な状況にある。
今回、日本政府が示した数値は、この危険な状況を子どもに強要するとともに、
子どもの被曝量をおさえようという学校側の自主的な防護措置を妨げることにも
なる。
文科省は、20ミリシーベルトは、国際放射線防護委員会(ICRP)勧告Pub.109お
よびICRP3月21日付声明の「非常事態収束後」の基準、参考レベルの1-20ミリ
シーベルトに基づくとしているが、その上限を採用することとなる。
21日現在、日本政府からは、本基準の決定プロセスに関しては、何一つ具体的な
情報が開示されていない。また、子どもの感受性や内部被曝が考慮されなかった
理由も説明されていない。文科省、原子力安全委員会において、どのような協議
が行われたのかは不明であり、極めてあいまいな状況にある(注)。
私たちは、日本政府に対して、下記を要求する。
・子どもに対する「年20ミリシーベルト」という基準を撤回すること
・子どもに対する「20ミリシーベルト」という基準で安全とした専門家の氏名を
公表すること
(注)4月21日の政府交渉で、原子力安全委員会は正式な会議を開かずに、子ど
もに年20ミリシーベルトを適用することを「差支えなし」としたことが明らかに
なった。また、4月22日、5人の原子力安全委員の意見とりまとめについて議事録
は無かったと、福島瑞穂議員事務所に回答している。
(参考)
4月21日付ドイツシュピーゲル誌の20ミリシーベルト設定に関する記事(「文部
科学省、子どもたちに対してドイツの原発労働者と同様の被爆限度基準を設
定」)より、専門家のコメント
エドムント・レンクフェルダー(オットーハーグ放射線研究所)
「明らかにがん発症の確率が高まる。基準設定により政府は法的には責任を逃れ
るが、道徳的には全くそうではない。」
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「子どもの安全基準、根拠不透明~市民の追及で明らかに」(OurPlanet-TV)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1012
----------------------
参考情報:4月21日、文科省・原子力安全委員会との交渉報告(FoEブログ)
http://blog.canpan.info/foejapan/daily/201104/21
まだまだ反対の声が小さいようで、政府はこの基準を撤回しようとしません。
開き直ってか、(20日付けですが)文科省は、子どもの年20mSvの被曝を正当化するために、以下のようなことを福島県の現場教員や保護者に伝えているようです。
「教育現場の皆様へ 」
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/04/21/1305089_2.pdf
放射能を正しく理解するために
教育現場の皆様へ
文部科学省
平成23年4月20日
*本資料は日本小児心身医学会のご指導・ご協力を得て作成しています。
放射性物質(ほうしゃせいぶっしつ)とは?
• 「放射性物質」というのは“安定していない”状態の物質です。この
ため、より安定な物質に変化しようとします。放射性物質が安定な
物質に変化する際にエネルギーを放出します。これが“放射線”で
す。
• 安定な物質になると、これ以上放射線は出しません。
放射能(ほうしゃのう)とは?
• 「放射能」とは、“放射線の出す能力”のことを指します。1秒間に放射性物質
が安定な物質に変化する数を「ベクレル」と呼び、放射能の単位として使わ
れます。
• 放射性物質は安定な物質に変化するので、放射能は時間が経つとともにど
んどん弱くなっていきます。
• 例えばヨウ素131は放射能が半分になる時間(“半減期”と言います)が8
日です。セシウム137は30年です。テレビ等で話題となるこれらの放射性
物質は、原子力発電所から飛散しています。
“自然放射線”
食物や大気には、普段から放射性物質(カリウム40やラドンなど)が
混ざっています。私たちはその他にも、宇宙や大地から放射線を受
けています。これらを“自然放射線”と呼びます。
医療でレントゲン写真を撮影したり、海外旅行で飛行機に乗ったりす
ることでも、放射線を受けています。これまであまり意識されて来な
かっただけで、放射線は、実は大変身近なものなのです。
“放射線から身を守る”という立場で、必要のない放射線をできるだ
け受けないようにすることは、大切です。しかし、過剰な対策は、生
活に支障をきたしたり、偏見を産み出したりすることにもつながりま
す。何事もバランスが大事です。
放射線と「被ばく」の基礎
放射線を受けることを“被ばく”と呼びます。被ばくには、「外部被ばく」と
「内部被ばく」があります。どちらも人体に及ぼす影響は同じです。
「外部被ばく」は衣服や皮膚に放射性物質が付着することで生じます。
これは、花粉症対策と同じようにして、放射線の影響を減らせます。
放射性物質を体内に取り込んでしまうことを「内部被ばく」といい、
そうなると、放射性物質を洗い流したりできないので、注意が必要です。
ただし、放射性物質をいったん体内に取り込んでも、
排泄時に体外に排出されたり、自然に放射能が弱まったりすることで、
放射線の影響は弱まっていきます。
学校生活における留意点(その1)
・国際放射線防護委員会(ICRP)は、3月21日に「今回のような非常事態が収束し
た後の一般公衆における参考レベルとして、1~20ミリシーベルト/年の範囲で
考えることも可能」とする声明を出しています。
・学校生活においては、1~20ミリシーベルト(=1,000~20,000マイクロシーベルト)
を暫定的な目安とし、今後できる限り、受ける線量を減らしていくことが適切です。
・1年間で蓄積される放射線量が20ミリシーベルト(=20,000マイクロシーベルト)を
超えないようにすることとしました。
・これは、1日あたり平均55マイクロシーベルト以下、1時間当たり平均2.2マイクロ
シーベルト以下であることに対応します。
・また、1日の生活を、原子力安全委員会が示した考え方に基づき、8時間の屋外、
16時間の屋内活動とすると、毎時3.8マイクロシーベルトとなります。
*以下PDFファイルをご覧ください
信じ難い内容です。ツッコミ所満載で、既にいろいろと話題になっていますが、
「数年で250ミリシーベルトとなるような弱い放射線では影響は生じません」(P.10)
こうした矛盾に満ちた無責任きわまりない説明をして、福島の子どもたち(大人も)を強制的に被曝させるのです。
安楽知子
----------------
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