ナショナリズム勃興、戦前回帰を懸念しています・山崎拓/ゲンダイネット

2006-09-30 10:39:12 | 社会
安倍政権の最大の危うさは、靖国参拝を続けた小泉路線を踏襲しようとしていることだ。このままではアジア外交はどうなるのか。誰もが抱く不安なのに、先の総裁選では雪崩現象で支持が集まった。山崎拓氏は「戦前回帰を懸念している」とこう語った。

「安倍政権はアジア外交において、小泉総理と同じ部分があります。靖国参拝を踏襲するのであれば、日中、日韓関係の冷却が続いてしまう。彼は参拝したかどうかをあいまいにする戦略に見えますが、総理になればごまかせません。『靖国には行きません』と表明しない限り、関係改善はできないのです。それでも支障をきたさなかったじゃないか、という見方もあるだろうが、たまたまです。北朝鮮がテポドンを撃ったときに日米では話ができたが、日中、日韓では話ができなかった。北朝鮮に限らず、日中関係も政治的経済的、軍事的衝突が起こる可能性がある。そういうときに首脳同士が直ちに連絡を取り合って、胸襟を開いて問題を話し合わなければ、支障をきたすんです」
 安倍はタカ派外交を売り物にしている。北朝鮮には「圧力」で押しまくろうとしている。これは極めて危険な手法だ。

「北朝鮮の問題は拉致という人道上の問題と核という安全保障上の問題がある。両方ともうまくやらなければいけないのだが、圧力だけではどっちもうまくいかない可能性があります。日本がイニシアチブを握り、国際協調で圧力と対話をしかけていくことが必要なのに、日中もダメ、日韓もダメではイニシアチブどころじゃない。朝鮮半島が核武装されたら日本は未来永劫、苦しみぬくことになります。圧力の究極は軍事力だが、日本は憲法上持てない。米国も北朝鮮に対してはやりません。この問題解決に圧力だけという選択肢はないのです。だからこそ、日中、日韓で首脳が相互訪問できるようなパイプづくりが大切なのです」
 安倍が総裁選で圧倒的な票を集めたのは、政策での支持ではなく、ポスト欲しさでみんなが勝ち馬に乗ろうとしたからだと見られている。こんなあさましい政党の今後はどうなるのか。安倍で求心力を保てるのかも心配だ。
「小選挙区になって、党首の魅力が大切だと思っている人たちが、選挙のことを考えて安倍さんを支持したのでしょうが、小泉総理だって、負けた選挙がある。選挙の勝ち負けはイシューで決まるんです。安倍さんは拉致で前進があるかどうかが生命線になります。彼は残された人が全員生きているという前提でものを言っている。前進しないと、非常な失望感を買うだろうし、圧力だけでなく、慎重熟慮の外交、安保政策が必要です。(今の党内情勢については)一気に右傾化の可能性があります。ナショナリズムの勃興というか、戦前回帰を懸念しています」
 防衛庁長官、政調会長、幹事長などを歴任し、安全保障では論客の山崎氏の言葉だけに重い

http://gendai.net/?m=view&g=syakai&c=020&no=28526


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3 コメント

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失礼します (imacoco)
2006-09-30 10:57:22
そんなに「参拝」したいのならば、官邸内に神棚をおいて ソコでやれば良いんじゃないかと思うんですよね。

祈念のこころはどこか特定の場所へ出向かなければ発せられないという認識、そのものが おかしいと思いますよ。

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Unknown (Unknown)
2006-10-02 11:58:22
終わってる政治家のエロタク捕まえて、なにを言ってんだか



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飽く事無き貪欲、または軍産石油複合体 (「政策研究集会」’05-10-25・26)
2006-10-02 15:18:57
キャピトル東急で「中国と日本を、どのようにして戦争に持って行くか」をテーマに、日本海側都市に米軍ミサイルを着弾させ北朝鮮の侵攻と喧伝、続いて京都・大阪付近で米自合同の謀略による新幹線爆破テロを行い戒厳令体制へ、と「政策研究」した現総理の下である以上、懸念は当然だ。
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