女性自衛官の人権裁判を支えるニュースNO9(07.8.28)第2回公判・原告意見陳述全文

2007-08-28 22:20:31 | 社会
27日に行われた第2回裁判で、原告側が提出した書面です。
原告も、弁護団も、口頭で意見陳述・弁論しました。
もっとも卑劣なことは、被告国が訴状の核心=強姦致傷事件の経過・内容について、
認めるとも認めないとも答弁しないことです。
もっとも、感動したことは、原告が意見陳述で以下のように述べたことです。
むろん、弁護団も大車輪です。

―私はたたかいます。私にとって、裁判だけが戦いではありません。
私の本当の戦いは、いじめや嫌がらせを受けている毎日の生活です。
「何かを得るまでは、決してあきらめてはいけない。」私のお花の先生は
私に言いました。私はあきらめませんー

原告への激励メールを、改めて募集しますので、お送り下さい。
被告側に対しても、様々な機会に抗議の意思を表明してください。
裁判所・防衛大臣への要請署名もお願いします。
http://jinken07.10.dtiblog.com/blog-entry-8.html

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毛利正道   mouri-m@joy.ocn.ne.jp
http://www1.ocn.ne.jp/~mourima/
〒394-0028岡谷市本町2-6-47 信州しらかば法律事務所
tel0266-23-2270 fax0266-23-6642 携帯090-4096-7065
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2007年8月27日
意見陳述
原告******
原告の*****です.
今回、2回目の意見陳述をさせていただく機会を与えて下さった裁判官に
感謝いたします。
私が加害者の■3曹から、ひどい暴行を受け、けがをしたのは、去年の
9月9日のことでした。私は生涯この日を忘れることはありません。しかし、
私にとってもっと辛かったことは、私が部隊に被害を訴えたのに、それが無
視され、それどころか、そういうことを問題にする私の方が悪いかのように
扱われ、私に対するいじめが続いたことです。
私は当時20歳です。私は、まさか自分の職場でこんなひどいことが起こ
るとは夢にも思ってもいませんでしたし、事件が起きたときも上司や先輩た
ちが私のことを助けてくれるものと信じていました。
今回は、現在までの職場での嫌がらせの数々、そして、私に嘘をっいたと
しか思えない警務隊のことについて、お話ししたいと思います。

1・裁判を起こして間もない5月16日のことです.会計小隊長である■
 3尉は、自身の職場である会計班のテーブルの上に、今回の事件のことや
 私の誹諺・中傷が書かれた、2ちゃんねるというインターネット掲示板の
 書き込みが印刷されたものを、皆が見えるように置いていました。私が、
 「これは何ですか?すぐに撤去して下さい」と言っても、■3尉は、「誰
 でも見ようと思えば見れるものなんだから、何が悪いんだ?俺は謝らな
 い」と言って、謝りもせず、その書類をしまおうともしませんでした。私
 はあきれて言葉が出ませんでした。
 そこで、私は、「司令の■1佐の前でも同じことが言えますか?」と
 再度聞くと、「ああ言える」と開き直りました。私は、「では、群本部にき
 て司令にも同じことを言って下さい」と言い、その書類を手に持って会計
 班を出ようとしました。すると、会計班のドアを出ようとしたその瞬間、
 後ろでバーンとものすごい音がしました。驚いて振り向くと、何とその時
 ■3尉は私に対して物を投げつけたのでした.とても怖かったです.
 後で本人に確認したら、私に対してイラついたので、ペットボトルを投
 げたのだと言いました。このようなことが自衛隊では平然と許されるので
 す。珍しくないのです。投げたものがペットボトルで、それが私に当たら
 なかったとしても、私に対して、威嚇・攻撃をしようとしたこの行為に、
 私は■3尉に対して強い恐怖感を持つようになりました.
 
 また、■3尉は、私が前回述べました「奥の部屋」の話をわざと話題
 にします.■2尉、■3尉らに対して、「では例の・奥の部屋・の向
 こうで話をしましょう」という具合にです。私が■3尉本人に確認した
 ら、私が同じ部屋にいて聞いていることを分っていて発言しているという
 のです。提訴した翌日、部隊が私を「奥の部屋」に入れようとして実現で
 きなかったことを、■3尉はわざと話題にし、■2尉や■3尉はこ
 のブラックユーモアを気に入ったらしく、私の顔をみてはニヤニヤするの
 です。
 自衛隊とは、女性に対して、暴力で問題を解決する組織なのですか?

2.■3尉は、私が去年9月の事件当時の上司です。■3尉は、私に
 対して、事件後1カ月もたたない去年10月6日、「お前は自分のことを
 被害者だと思っているかもしれないが、俺から見たらお前は加害者だ」「お
 前のせいで、俺や隊長も処分を受ける」「何だ、その目は、わかっていな
 いようだな」「なぜお前がこんな対応を受けるのか、事件の経緯をここで
 説明してくれないか」などと同僚先輩がいるところで言いました。
 彼らは、私が■3曹のことを部隊に訴え、部隊が私と■3曹が会わ
 ないように対処していることを、いかにも迷惑だという態度でした。この
 ような■3尉の態度は、私にしてみると、■3曹と何ら変わらない人
 間であると感じざるをえません。
 最近あったことでは、私が仕事で■3尉がいる通信電子隊の本部に行
 くと、■3尉は■2曹と談笑していました。しかし、私が部屋に入っ
 てきたと分かると、ピタッと話をやめて、私をギロッと睨んだ後、バンと
 音を立てて椅子から立ち上がり、奥の自分のいすに戻っていくのです。そ
 こで腕を組み、私の仕事が終わるまで終始私を睨んでいました。そして、
 私が挨拶しても無視し、私が部屋を出ると、わざとらしく大きな声で笑っ
 て■2曹と話をする声が聞こえました.
 私は、たまりかねて、ある日、上司である■2尉に■3尉の言動に
 ついて相談しました。すると、その次の日、■3尉は借りてきた猫のよ
 うに大きな体を小さくして、私の職場に入ってきて、いつも無視している
 私にも挨拶をして行きました。しかし、それは3日と持ちません。皆がい
 るところでは、卑屈な態度をとるのに、私しかいないところではバカにし
 た態度をとります。これが防衛大学校を出た幹部のとる態度でしょうか。
 私は情けないと思います。

3、職場でカウンセラーと言われている■准尉は、私が今回の事件や上司
 達からのセクハラ、パワハラのことで何度となく相談しても、決まって、
 「■、分るだろ?俺は事件の時そこにいなかったし、解らないよ。それ
 に幹部には意見できないからな。」とタバコを吸いながら、笑って言うの
 でした。
 また、提訴前に、裁判を起こしますと言うと、非常に慌てて、「ちょっ
 と、待ってくれ。誰を訴えるって?その日は俺、車検だから困る」と言う
 のです。「裁判になったら非常呼集かかるだろ?俺も呼ばれるだろう。一
 応カウンセラーだから。俺も関係者だからな」と、焦った様子でした。裁
 判になるということには関心を示しましたが、それならば、なぜ事件につ
 いて最初から私の話を聞いて親身になってくれなかったのでしょうか。
 自分は余計な問題に関わりたくない…世間でカウンセラーを職業に
 している人が、相談に来た人にこんなことを言うのでしょうか?私は非常
 に失望しました。

4.群司令の■1佐には提訴直後から嫌がらせを受けています。私
 が出したお茶を飲まずに返すことです。これはお茶こぼしと言われるごく
 一般的な嫌がらせです。また、私が部屋にいるのに、わざと「誰もいない
 のか」と言います。
 私は、たまりかねて群司令に意見をしました。「なぜ群司令は私を無視
 するのですか」と言うと、「私に意見するくらい勇気があるなら、君のほ
 うから面白い話でもして、私に話しかけたらどうだ?」と言いました。つ
 まり、これは強者の論理です。
 例えば学校で、無視されている子が、先生に「無視されている」と勇気
 を出して言ったのに、「先生に言う勇気があるなら、自分からいじめっ子
 に面白い話でもしていったらどうだ」と言っているのと同じではないでし
 ょうか。しかし、基地は学校ではなく職場です。使用者は働く人の職場環
 境や人間関係を整える義務があるのではないでしょうか。ましてや、■
 基地の一番上にいる■1佐は最も責任があるはずです。■1佐はご自
 分のお子さんが「無視されている」と言ってきても、「お父さんに話す勇
 気があるなら、その子に話しかければいいじゃないか」と突き放すのでし
 ようか。

4.提訴した翌日の5月9日朝、私は「奥の部屋」へ行くよう言われました。
 それは結局無くなりましたが、その代り、私の机の隣に、■尉などの
 上司がいる運用班と隔てるつい立てが設置されました。
 私の仕事は庶務といって、基地にきた文書の受付や基地の郵政業務、外
 来業務など多岐にわたっています。
 同僚の■1曹は、私が文書を渡そうとすると、「そのつい立てから入
 ってくるな」と怒鳴りつけました。そして私の身長より高いつい立てから
 「手だけを出して、文書を渡せ」と言いました。私は言われたとおり、つ
 い立てから、文書を渡そうとすると、■1曹はバシッと私から凄い勢
 いで文書を奪い取るので、何度も紙で手が切れて血が出ました。
 仕事で用があるのでつい立ての中に入ろうと声をかけても「何だよ、こ
 っちに来るな」と言われ、「用が終わったらとっとと帰れ」と言われまし
 た。また後輩が困っていた様子だったので声をかけていると、そこに■
 1曹がきて、「お前には関係ないだろ、早くあっちいけ」と言われました。
 なぜこのような嫌がらせを受けるか分りませんでしたが、運用班長のこ
 の言葉で分りました。「いま基地内で勤務中に飲酒をしていた隊員の調査
 をしている。群本部でも何名かいたが、調査をし、過去にさかのぼって処
 分をするつもりだ。」
 ■1曹は飲酒の常習犯です。今回私が■3曹の事件に関連して内部
 告発をしたことで、自分の勤務中での飲酒がばれて、私に逆恨みしていた
 のです。
 自分で蒔いた種は、自分で刈り取って欲しいと思います。

5.警務隊のことについて話したいと思います。警務隊とは、自衛隊におけ
 る警察の機関で、司法権があります。私は、今年の2月末に、この警務隊
 に被害届を出しています。3月下旬に取り調べは終わりました。そして、
 4月下旬に警務隊が■に来たとき、警務官は私にはっきりと「■を書
 類送検したから、もう大丈夫だよ」と言いました。私は警務隊のその言葉
 を信じていました。訴状に「検察官送致したと聞かされた」と書いてある
 のは、そういう理由です。
 しかし、5月8日に提訴し、その後、マスコミ報道や弁護士を通じて知
 ったことですが、4月下旬に書類送検などしていなかったのです。書類送
 検は5月の下旬にされたということでした。私は、これは警務隊による隠
 蔽工作があったのではないかと思いました。
 私の事件は、自衛隊にとっては表に出てほしくない事件です。警務隊は
 警察の機関で独立しているとはいっても、自衛隊の組織であることには変
 わりありません。警務隊は、書類送検をしたと言って私を騙し、実際には
 書類送検しないでもみ消そうと考えていたのではないかと、思わざるをえ
 ません。
 しかし、私が5月8日に提訴したことで、うやむやにすることができな
 くなり、急いで書類送検したのではないでしょうか。今回の国側の準備書
 面で、■3曹が私に行なった暴行行為について、全て「不知」と述べて
 事実を具体的に答弁しないのは、警務隊がきちんと取り調べをしておらず、
 おざなりな捜査結果しか残されていないことが原因の1つなのではない
 かと、私は思っています。

6.今回提訴したことで、全国からたくさんの応援メールや手紙をいただ
 きました。また、同じ女性自衛官たちからも応援や励ましのエールをた
 くさんいただきました。同期の女性自衛官は「よくやったj「これでバカ
 な男が減るんじゃない」と言っていました。女性達はこう思っているの
 です。
 私はたたかいます。私にとっては裁判だけが戦いではありません。私
 の本当の戦いは、いじめや嫌がらせを受けている毎日の生活です。
 弁護団の先生方は、私が背負っている荷物を、一緒に背負ってくれると
 言ってくれました。
 「何かを得るまでは、決してあきらめてはいけない。」私のお花の先生
 は私に言いました。私はあきらめません。
 裁判官。
 あのつらい事件からあと2週間で1年になります。裁判はまだ始まった
 ばかりですが、私にとってはもう十分に長い長いたたかいなのです。裁判
 官には、一刻も早く公正な解決をお願い致します。
 以上です。

準備書面は以下に
http://www.news-pj.net/request/pdf/20070827-junbi.pdf
http://www.news-pj.net/request/pdf/20070827-junbi-2.pdf
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関連
http://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/1ad1510be5a33ab753f5ed492128bac5


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