電力会社に群がった原発文化人25人への論告求刑・佐高信/週刊金曜日 から

2011-04-17 00:49:54 | 社会
電力会社に群がった原発文化人25人への論告求刑/佐高信

各電力会社や関連団体は、原発の「安全性」やイメージ向上を図るため、多くの著名人をPRにもちいてきた。
原発推進の一翼を担ってきた彼ら彼女らを佐高信が斬る
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東京電力をリーダーとする電気事業連合会(電事連)がいかに巨額のカネを使って世論を買い占めてきたか、そして、
その手先となつてノーテンキなタレントや文化人が原発安全神話を鼓吹してきたか。
それを糾弾するためはまず二つの事例を紹介する。

 一つはアントニオ猪木の青森県知事選挙応援事件である。
猪木の秘書だった佐藤久美子の『議員秘書捨身の告白』(講談社)によれば、最初、原発一時凍結派の候補から150万円で
来てほしいと頼まれた猪木はその候補の応援に行くつもりだったが、推進派のバックにいた電事連から1億円を提示され、
あわてて150万円を返して、そちらに乗り換えたというのである。

 まさに札束で頬を叩くこうしたやり方は、高木仁三郎のような筋金入りの反対派にさえ試みられる。

 高木の『市民科学者として生きる』(岩波新書)に、ある原子力情報誌の編集長から、3億円を用意してもらったので、
エネルギー政策の研究会を主宰してほしいと誘いがあったと書かれている。
3億円について、高木は「現在だったら100億円くらいに相当しようか」と注釈をつけているが、猪木の1億円もいまでは
何倍かする必要はあるだろう。

安全神話のホラ吹き役

 電力会社の広告に協力した作家の幸田真音(こうだまいん)を批判したら、自分はそんなにもらっていないと弁解してきた。
そして、中立的な立場からエネルギーについての小説を書くため広告に出たのだと言いわけしてきたが、協力しても「中立的
に」書けると思っている鈍さ故に利用されるのだ。
 竹中平蔵の引きなのか、彼女はNHK(日本放送協会)の経営委員にもなっている。
無思想の作家は電力会社にとってもお飾り的につかいかってがいいのである。

 彼女や荻野アンナを含む〃原発おばさん″や″原発おじさん〃は原発反対派がどんな嫌がらせを受けてきたかなど想像も
できまい。
 評論家の西部邁(にしべすすむ)は、一度、電力会社主催のシンポジウムに呼ばれて、科学的に絶対の安全はないと
言ったら、二度と声がかからなくなったと笑っていた。
つまり、何度も招かれる原発タレント文化人は「絶対安全」派と見られているのである。
主観的に「中立」などと言っても、「顔隠して尻隠さず」でしかない。
 
 安全神話の最大のホラ吹き役が漫画家の弘兼憲史(ひろかねけんし)脳科学者として売り出した茂木健一郎や養老孟司が
これに次ぐ。
養老など、『バカの壁』というベストセラーを出したが、自分自身が最大の「バカの壁」ではないのか。
弘兼は3月19日付の『夕刊フジ』に例の島耕作のイラストを描き、被災者と福島原発で作業にあたる人に対して「大変な状況
ですが負けずに乗り切って下さい」というメッセージを寄せていた。
しかし、原発は安全と喧伝(けんでん)してきた弘兼の〃応援″など、特に福島原発からの避難者にとっては吐き気を
もよおすものでしかないだろう。
「社長 島耕作」の無責任さは、まさに東京電力の会長や社長とダブるのである。

たけしのトンデモ暴言

 3月未の「朝まで生テレビ!」で、震災より原発事故のニュースが多すぎるのではと発言して問題となった勝間和代も中部
電力のCMに出ていた。
化けの皮が剥がれたという感じだが、こうした最近の原発タレントより罪深いのは、大前研一や堺屋太一、あるいはビート
たけし(北野武)といった”フロンティア”だろう。

そういえば、勝間は大前を尊敬して、いわば”おんな大前”をめざしてきたのだし、たけしの場合は兄の北野大(きたのまさる)や
弟子の浅草キッドまで原発推進派である。

 堺屋は『週刊文春』4月7日号の立花隆との対談では、津波は「想定外」ではなかったはずだと、少し東電に批判的なことも
言っているが、かつては「原発反対などと言っているのは日本だけ。たとえばフランスでは、原発反対運動はただのひとつも
ない」と暴言を吐いていた。
 立花センセイも、そんな堺屋の過去の言動を調べて突っ込むべきではなかったか。
 
大前は日立製作所で高速増殖炉の開発に携わっていたから、単なる宣伝者ではなく実行犯である。
 
お笑いタレントとは言え、震災による原発爆発後のいま読むと笑えないのがたけしの発言。
 『新潮45』 の2010年6月号で、原子力委員会委員長の近藤駿介(東京大名誉教授)と対談してトンデモ暴言を連発している。
「おいらは大学も工学部ですから、原子力関係の話は大好きなんですよ。今日は新潟県にある柏崎刈羽原子力発電所の中を
見学させてもらったのだけど、面白くて仕方がなかった」
こう切り出したたけしは、こんなことを言う。
「原子力発電を批判するような人たちは、すぐに『もし地震が起きて原子炉が壊れたらどうなるんだ』とか言うじやないですか。

ということは、逆に原子力発電所としては、地震が起きても大丈夫なように、他の施設以上に気を使っているはず。
だから、地震が起きたら、本当はここへ逃げるのが一番安全だったりする(笑)。
でも、新しい技術に対しては『危険だ』と叫ぶ、オオカミ少年のほうがマスコミ的にはウケがいい」

本当にその方が「ウケがいい」かどうか、たけしも一度試してみればよかった。
原子力発電所に逃げるのが一番安全なら、たけしはいまこそ、福島の原発に逃げ込んだらいいだろう。
専門家であるはずの近藤の応答もひどいが、たけしの暴走には歯止めがない。
次の発言にも絶句するばかりである。
「相変わらず原子力発電に反対する人もいるけど、交通事故の年間の死者の数を考えて、自動車に乗るのを止めましょうとは
言わない。やっぱり使ったほうが便利だからね。どうも原子力発電というとリスクばかり言う傾向があるけれど、実際、
おいらたちはもっとリスクのある社会に生きている。
変質者に刺される確率のほうがよほど高いって(笑い)」 

突如ふえた公共広告機構、いわゆるACのCMにアントニオ猪木が登場して、誤った情報に惑わされないようにしようと呼びかけて
いるのには驚いた。
嗅覚だけは発達しているたけしも、早晩、方向転換して、そんなこと言ったっけという顔をするのだろう。

売る芸がないから身を売る

 福島出身で東電のCMに出ていた中畑清が、東電に裏切られたと言っているのにも嗤ってしまったが、渡瀬恒彦や星野仙一 
あるいは森山良子や岡江久美子といったタレントや野球選手と違って、「行列のできる法律相談所」に出ている北村晴男や
住田裕子(すみたひろこ)といった弁護士や吉村作治などの大学教授、そして、御意見番を気取る三宅久之、草野仁、大宅映子、

キャスターを名乗る木場弘子の罪は一段と重い。
投資相談屋の藤沢久美は『文芸春秋』で何度も電事連の広告に出ていながら、原発への「コメントは差し控える」のだという。
「芸は売っても身は売らぬ」が芸者の心意気とされた時代があったが、ここに挙げた″原発芸者たちは、売る芸がなかったから
身を売ったのか。
恥知らずな者どもである。
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他に、原発のコマーシャルにでた芸能人180名。
http://www.kinyobi.co.jp/consider/consider_newest.php

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反省なき原発文化人たち/鬼蜘蛛おばさんの疑問箱Part.2
今日届いた週刊金曜日の表紙をみて思わずのけぞってしまった。表紙には「電力会社に群がる原発文化人の罪」として名前が列挙されている。

 本文の記事は佐高信氏による「電力会社に群がった原発文化人25人への論告求刑」というものだ。表紙に名前を並べるくらいだから、よほど自信をもってこれらの人たちの名前を挙げたのだろう。と思ったら、やはり名前を挙げた人物にはアンケートを送ったとのこと。アンケートの内容は以下。

Q1.東京電力福島第一原子力発電所の大事故が発生した現在でも、原発は必要だと思いますか。 必要だと思う・必要だと思わない
Q2.項目1でお応えになった理由をお書きください。

 ところが、無回答が13人。回答した人の中で、原発が「必要だと思わない」と明言した人はひとりもいない。事故の深刻さもわかっていなければ、まったく反省もしていないということだろう。だから、もう一度佐高氏が名指しした25人をここに掲げておきたい。

 浅草キッド、アントニオ猪木、荻野アンナ、大前研一、大宅映子、岡江久美子、勝間和代、北野武、北野大、北村晴男、木場弘子、幸田真音、草野仁、堺屋太一、住田裕子、中畑清、弘兼憲史、藤沢久美、星野仙一、三宅久之、茂木健一郎、森山良子、養老孟司、吉村作治、渡瀬恒彦。

 佐高氏は原発に反対してきた故高木仁三郎氏の逸話を紹介している。以下に引用する。

 高木の『市民科学者として生きる』(岩波新書)に、ある原子力情報誌の編集長から、三億円を用意してもらったので、エネルギー政策の研究会を主宰してほしいと誘いがあったと書かれている。三億円について、高木は「現在だったら100億円くらいに相当しようか」と注釈をつけているが、猪木の一億円もいまでは何倍かする必要はあるだろう。

 ちなみに、アントニオ猪木氏は、原発一時凍結派の候補から150万円で来て欲しいと頼まれてその候補の応援に行くつもりだったのが、推進派のバックにいた電事連から一億円を提示されてそちらに乗り換えたそうだ。やっぱりお金の世界は凄い。こういうお金の裏取引に乗るかどうかで、人間性が知れるというものだ。

 さて、佐高氏の指摘した原発文化人については「原発安全神話の宣伝に貢献した原発タレント文化人」 にも書いたが、今回の週刊金曜日には「電力会社が利用した文化人ブラックリスト」としてより多くの文化人の名前を挙げ、どんなことで協力したのかまで簡単に紹介している。佐高氏が「創」5・6月号で挙げたC.W.ニコル氏については、「TEPCOのECO対談に登場」となっている。「電力会社は自身のイメージ向上を図ることで原発の危険性を中和してきた。電力会社がカネを文化人に出すのは利益追求のために利用できるからでしかない」という編集部による説明も掲載されている(18ページ)。

 私はC.W.ニコル氏については前述の記事から名前を削除した。確かに電力会社側は利用するという意図のもとに対談を依頼したのだろう。しかし、電力会社の主催する対談に出たというだけで原発文化人と決めつけてしまうのは乱暴だと思う。これは御用学者の線引きが難しいのと同じだ。本人が原発を是認しておらず、対談でも支持する発言をしていない以上、原発文化人という烙印を押すのはやりすぎではなかろうか。

 北海道電力は「ほくでんファミリーコンサート」という無料コンサートをしょっちゅう開催している。これなども音楽家を利用した宣伝だ。しかし、それに出演した人たちまで原発文化人として批判できるだろうか? 私は電力会社が、講演会やコンサートなどの費用まで電気代に上乗せさせていることのほうがよほど腹立たしく思う。市民は電力会社を選ぶことはできないし、電気代だって勝手に決められているのだ。電気代などは公共料金といってもよく、そもそも電力会社がイベントを企画したり宣伝にお金をかける必要などないはずだ。

 前述の高木仁三郎氏の逸話ではないが、やましいことをしている企業ほど、有名人を広告塔として利用したり、批判する人たちを懐柔することに長けている。著名人は安易に企業からの企画に乗ってしまうべきではないだろう。ましてジャーナリストや評論家などが広告に出るなど論外だと思う。
http://onigumo.cocolog-nifty.com/blog/2011/04/post-6bd9.html
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原発文化人ブラックリスト、佐高信さん自身は?/一撃筆殺仕事人:佐高信先生追っかけブログ
http://ameblo.jp/sataka/entry-10863297335.html


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3 コメント

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Unknown (電灯)
2011-04-19 15:41:21
・・・局側は心配で、幹部が勢揃いして田原が暴走しないか監視し、CMの度ごとに「これまでのところは、まあ妥当だ」とかプロデューサーに圧力をかけ続けた・・・・
http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2011/04/1_6.html

このときの朝生は、少し見る価値があるとおもう。
返信する
鵜呑みにしすぎ (tom)
2011-08-07 22:57:51
アンケートに無回答の方は後だしジャンケンの得意な佐高信みたいなアホに付き合うのが馬鹿らしかっただけでしょ?
本当に佐高信に見識があれば事故前から批判してるでしょ?
しかも今回名前の挙がったタレント、文化人は以前より佐高信が嫌っている人物ばかり・・・

あまり一つのものを妄信的に信じ込むのはいかがなものか?

本当の巨悪は天下り先との原発関連団体やそれを守ろうとしている政治家、役人、御用学者、誤用文化人でしょ?

大体タレント文化人にそこまでの確固たるポリシー求めてどうするの?仕事として広告になっただけでしょ?

はっきり言って今まで何の疑問も持たず、批判もせず、考えなしに電気を使ってた人は全員推進派だったって事!

自分の事を棚に上げて『酷い人たちがいる』なんて思ってるならおお門違いも甚だしい

返信する
精神科医 (宮地 達夫)
2011-08-08 19:37:27
週刊金曜日は、時々的はすれな記事を載せる。かっては9/11が アメリカ自身の陰謀だったという人々の記事を載せて、反論しても無しのつぶてで、編集部あてにメールしたけど返事なし。
あまり、この週刊誌信用しない方がいいですね。
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