保坂展人 世田谷区長選挙候補予定者の市民集会で意見表明/PJニュース

2011-04-13 22:15:52 | 社会
区長選挙候補予定者が市民集会で意見表明=東京・世田谷

【PJニュース】市民団体「新しいせたがやをめざす会」が2011年4月11日、集会「私たちがめざす世田谷区政―大震災・いのちとくらしをささえる道すじ―」を東京土建世田谷支部会館で開催した。世田谷区長選挙の候補者から慶野靖幸氏、菅谷康子氏、保坂展人氏が発言した。

「新しいせたがやをめざす会」は世田谷区長選挙に向けて市民派区長の実現を目指して結成された(林田力「区長選に向け新たな会が始動=東京・世田谷」PJニュース2011年1月8日)。
http://www.pjnews.net/news/794/20110108_1

建築家の黒木実氏が「めざす会」推薦候補として立候補意思を表明したが、会内でコンセンサスが得られず、候補者擁立ができなかった。その間に黒木氏、花輪智史・東京都議、川上和彦・世田谷区議会議長、慶野氏、保坂氏、菅谷氏が区長選挙への出馬を表明し、かつてない大混戦となった。

その中で行われた集会である。夕方に起きた地震の影響で時間を遅らせて開始され、冒頭では東日本大震災の犠牲者への黙祷が捧げられた。共同代表の志村徹麿氏が挨拶し、これまでの経過を報告した。今日は熊本哲之区長の政治を継承する人以外の予定候補者に話していただくと述べた。

続いて事務局の中村重美氏が「めざす会からの問題提起」を行った。中村氏は、ちょうど一か月前の東日本大震災を踏まえて自治体の役割を考えたいと述べた。世田谷区議会では熊本区政の総仕上げとなる2011年度予算が成立した。この予算案に反対した会派は日本共産党と一人会派の無党派市民だけであった。その上で中村氏は世田谷区の予算を批判する。

世田谷区は財政の厳しさを強調するが、区民の暮らしこそが厳しい。何よりも暮らしの再建が求められている。実は景気は持ち直しに転じており、大企業の業績は改ざんしている。企業業績の改善と厳しい暮らしには大きなギャップがある。ところが、世田谷区には厳しい区民の暮らしに北風を吹き込むような姿勢が見られる。ガン検診などの有料化や福祉予算の削減である。

2011年度予算では道路や再開発などの土木費は減少した。しかし、二子玉川ライズ(二子玉川東地区再開発)の遅延などによるもので、開発優先の姿勢は捨てていない。土木費は2000年から2008年までの累計額で2925億8千万円と東京23区で突出している。防災予算は「安全安心まちづくり」を掲げながらも、前年度比3億7993万円も削減され、東日本大震災後も何ら組み替えされなかったという。

続いて立候補予定者の話である。最初は民主党推薦で立候補した菅谷氏である。世田谷区区議会議員として務めていく中で、様々な問題があることに気付いた。保育園の数が不足している。昨年は待機児童数が東京都内でワースト1位であった。東京一子育てしにくい街である。特別養護老人ホームの待機者も2500人いる。

区民のニーズに対応した十分な福祉施設が確保されていない。これが世田谷区の現状である。これは熊本区政が道路整備を進めてきたツケが福祉に回ってきている。福祉行政を立て直すことが重要である。二子玉川や下北沢などの大型開発が財政をひっ迫される要因であり、しっかりと見直していきたいと述べた。

参加者から菅谷氏に「熊本区政に反対と述べているが、区議として予算案に賛成した。これは矛盾ではないか」との質問がなされた。これに対し、菅谷氏は「福祉面の予算などを支持した。開発予算に対しては予算委員会で見直すべきと意見を申し上げている。意見を付けての賛成である」と述べた。

二番手は黒木氏である。世田谷区長選挙に多くの立候補者が出たことは大きな疑問を述べた。出発点は市民派候補の一本化だった筈である。候補者の一本化を声高に言いたい。私は自己の政策をアピールするために本日の集会に来た訳ではない。選挙に勝たなければ矛盾を含んだ区政は変わらない。区政を変えよう。変えるために候補者を一本化しよう。

今日の午後、私は立候補を取り下げた。何故かと言えば、一本化して欲しいからである。是非、皆さんで一本化する道を探して欲しい。そうでなければ区政は変わらない。それぞれの党が、それぞれの党利党略で選挙をしたら、同じ結果を生むだけである。各政党が候補者を立てたならば票が割れることは自明の理である。向こうは組織票を持っている。それに対抗するには、皆さんが団結し、勝利した暁には各々の政策をすり合わせるなり、協定を結ぶなりすることができないものか。

三番手は慶野氏である。慶野氏は世田谷民主商工会事務局長で、「めざす会」の一員でもあった。熊本区政の転換のために全力をあげたいと述べた。どのように熊本区政を転換するかが問われている。日本共産党と民商の友好団体から要請を受けて立候補を決意した。

一番肝心なことは熊本区政の何をどのように変えるかである。熊本区政は「区の財政は破綻する」として、区民に我慢を強いる政策を進めた。しかし、区の財政危機の前に庶民の生活が危機である。区民の生活が苦しいために区の税収が減少している。それなのに区民犠牲の方針を出したから、熊本区政は批判される。防災予算削減やガン検診有料化など命の問題で区民を犠牲する。区民の収入が減っている時に「区民は我慢しろ、命を脅かされても我慢しろ」という区政を変えなければならない。

地域循環型経済を目指したい。たとえば住宅リフォーム助成制度を実施することで、区内の工務店や建設職人に仕事が回る。建設職人は儲かったならば地元で消費する。そのようにして経済が循環するような仕組みを作ることが世田谷区の目指すべき姿である。それによってしか区の財政再建はできない。

区の財政が厳しいからと言って、区民向けサービスを削れば景気は一層冷え込み、税収が下がる。これは悪循環である。地域循環型経済で区民の命や暮らしが花開く街を作りたいと考える。

最後は元衆議院議員の保坂氏である。保坂氏は自ら主催しているシンポジウムを中座しての参加である。福島第一原発事故が危機的状況である中で、原発推進を公言する石原慎太郎のような人物が東京都知事選挙に当選したことは極めて危機的で残念である。

これまで各地の原発に行ってきた。2007年の中越沖地震で柏崎刈羽原発が炎上した直後も現地入りした。原発の問題を取り上げようとしたが、原発推進派の壁に阻まれてきた。福島第一原発事故が世界中で問題視されている現在においても、暮らしや政治、電力システムを変えようとしていない日本社会に危機感を抱いている。

南相馬市の大部分など福島原発の30km圏が屋内待機となった時に交通封鎖された。避難しようとした人が「家に戻りなさい」と止められたという。チェルノブイリで住民に真実が伝えられなかったことと同じようなことが日本でも起きている。杉並区では南相馬市と災害協定を締結しており、杉並区のトラックが南相馬市入りした。
http://www.pjnews.net/news/794/20110413_1

本来ならば選挙ではなく、原発事故の終息と被災者救済に全力を尽くすべきである。これは世田谷区政の問題である。杉並区は動いた。南相馬市に救援のトラックを送った。国のいい加減な30km圏規制を突破し、外に出たいという人々を迎えに行った。そして500人の避難者を受け入れている。どこまで世田谷区がやっているか。

世田谷区にしかない災害対策を打ち出す。新エネルギーを研究開発する拠点にしたい。「東京湾に原発を造ってもいい」と言う石原慎太郎のような人物が余裕綽々で当選する時代を世田谷から変えたいと述べた。

参加者からは市民派候補者の一本化を希望する意見が出された。民主党が反対してきた築地市場移転関連予算案に賛成するという裏切りを行った花輪氏の区長当選だけは避けなければならないという意見も紹介された。政治家という以前に普通の人間として花輪氏が許せないと憤る。


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