学ぶ喜びを生きる力に☆奥田塾

三重県桑名市にある小さな英語塾・奥田塾のブログです。テーマは、学ぶ!楽しむ!分かち合う!

「権力」と「権威」

2018年05月28日 | 日々の雑感
昨日(5月27日)の中日新聞「視座」に、哲学者・内山節さんの『権力と権威の乖離(かいり)』というコラムが掲載されていました。
以下、一部を抜粋します。

「権力は、軍事力にもとづくものであれ、制度によるものであれ、掌握すれば確立できる。
そころが権威は、人々がそれに権威を感じてくれなければ成立しない。
権力は一瞬にして確立することもできるが、権威は人々からの信頼や尊敬が芽生えてこそ成立するのである。」

う~ん、なるほど。
信頼と尊敬という強固な土台の上に成り立つ「権威」。
確かにそうですよね。

改めて、「権力」と「権威」を辞書で調べてみました。


「権力」とは、

◇ほかの人を支配し、したがわせる力。(学研「現代標準国語辞典」)
◇人を支配し強制的に服従させる力。支配者が被支配者に加える強制力。(旺文社「国語辞典」)
◇〔労働者に対する資本家、野党に対する与党、人民に対する為政者などの持つ〕その組織全体を自分の意志通りに動かすことの出来る力。また、その力を持つ側。〔狭義では、国家や政府の持つ強制力を指す〕


「権威」とは、

◇人をしたがわせる、すぐれた力。(学研「現代標準国語辞典」)
◇人を抑えつけて従わせる力。人がひれ伏して従うような卓越した力。(旺文社「国語辞典」)
◇ずば抜けた実力やすぐれた判断力の累積によって支えられた、他を威圧し、追随せしめる人がただよわせる雰囲気。また、そのような雰囲気をただよわせる人。(三省堂「新明解国語辞典」)


「権力」も「権威」も、ともに「人を従わせる力」なのですが、その方法がまったく違います。
だから、「権力はあるが権威がない」という人物、つまり「権威のない権力者」が生まれたりするわけです。

もしも自分の会社の上司がそういうタイプだったら…
「権威のない権力者」に振り回されながら仕事をしなければならないとしたら…
・・・・・身も心も疲れ果ててしまうでしょう。


反対に、「権威のある権力者」は人に力を与え、人を奮起させ、人を大きく成長させます。

「三十歳の遅咲きを支えたのは、『日本の父親』でもある師匠の春日野親方に恩返ししたいという思いだった」(今朝の中日新聞の記事より)

大相撲夏場所で大関昇進をつかんだ関脇・栃ノ心。
そして、「権威のある権力者」、春日野親方。
二人は間違いなく、信頼と尊敬で結ばれているはずです。
そんな強くて美しい師弟関係があふれる世の中になったらいいな。
(*^^*)


コメント
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