窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

白石温麺(しろいしううめん)②

2010年11月03日 | その他
  さて、以下は白石蔵王駅構内にある「温麺の館」の説明によります。

  前回ご説明したように、殖産興業の一つとして奨励された手延べ温麺は家内工業で行われ、働き手3人、助手(すけて)2人の5名で一日34kg~45kgの小麦を使い生産されたようです。素麺と同じで、冬場に作られた方が上質とされました。寒中吹きすさぶ蔵王おろしや白石の水なども製麺には適していたと思われます。



  塩水づくり。写真手前、「竹つき」と呼ばれる温麺屑を桶に半分くらいいれ、水に一晩浸します。翌朝水を抜き、塩水を加えてかき混ぜます。この時の塩分濃度は塩1.8ℓに対し、水7.2ℓ~9ℓということです。



  粉ねり。粉と塩水を1:1で練ります。その後、濡れ布巾をかけて3時間半ほどねかせます。その後、「つらなおし」といってもう一度練り、再びねかせます。



  踏のし。ねり板の上に練った粉をのせ、菅畳(すがじょう)という藺草で作った筵のようなものをかぶせて足で踏みます。粉を返してのし棒でのばし、さらに足で踏みます。再びのし棒で厚さ2.4cm程度にのばします。



  包丁切り。のばした粉を幅2.4cm間隔で切ります。2.4cm四方、長さ1.2m程度のひも状の麺生地ができあがります。



  大巻。麺生地に粉を振り、とぐろを巻くようにして鉢の中に納めます。さらに濡れ布巾をかけねかせます。



  小巻。向かって右手の挙方(あげかた)が角状の麺生地をつなぎ合わせ、中央の人が粉を振りかけながらこれを縒り、左手の巻方がそれを再びとぐろ状に鉢の中へ納めます。濡れ布巾をしてさらにねかせます。



  温麺ない(竿かけ)。竿竹の端に「ひし」と呼ばれる道具をはさみ、片方の竹に、送り手から送られてきたひも状の麺生地の端をつけます。それを縄をなうようにして、均一な太さになるようにしながら竿竹の間に八の字を描くようにかけて行きます。竿竹の向きを変え、さらにかけ、室に入れます。



  あや分け。二本の竿竹を室の中に差して固定し、粉を振りかけながら中央から両端へさするようにして麺をのばします。のばしたら二本の竿竹をそろえ、二つ折りにして室の中へ入れます。



  あや入れ。縁側の鴨居からかけたつけ糸の輪に竿竹の一方をかけ、片方をだし台の糸の輪にかけます。端をさすりながら押し下げると、麺が150cm位にのびます。さらに繰り返し、180cm程度にのばします。



  乾燥。かけ場のかけ糸の輪に竿竹の一方をかけ、下の竿竹を引っ張ると麺が195cm位にのびます。さらにあや入れをして乾燥させると210cm位になります。



  切断・検査・計量・包装。温麺を8.4cm程度に切り揃え、検品を行い、一束160gに計量して包装します。250束を一箱に入れ、馬に4箱ずつ積んで米沢や福島などに出荷されました。



  御前温麺。伊達や片倉の藩主に献上された、高級品です。長さは33cm位あります。

  最初の塩水づくりは朝5時過ぎに始まり、乾燥に至るのが午後4時頃だそうです。大変手間がかかり、かつ技能を要する仕事であることが分かります。

  繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした

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