窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

市民酒場「常盤木」へ行ってきました-横浜・戸部町

2019年07月30日 | 食べ歩きデータベース


  第87回YMSで「横浜市民酒場」をテーマにしたお話を伺って以来、ずっと気にはなっていた、岩亀横丁の常盤木さんへようやくお邪魔してきました。

  大正時代に酒屋さんとして創業した常盤木。それが物資統制の厳しくなった1930年代に居酒屋へと変わっていった「市民酒場」の経緯については、上のYMSの記事をご覧ください。市民酒場は今でも横浜の中心部に点在していますが、看板に市民酒場と掲げているのは、常盤木を含む3店舗のみなのだそうです。昭和13年に横浜市民酒場組合を発足させた、弊社の近所にある「忠勇」さんについての記事もぜひご覧ください。

  因みに岩亀横丁の呼び名は、開港時の濱崎遊郭にあった有名な「岩亀楼」の遊女が病気になった時に療養する寮があったことに由来するのだそうです。この界隈は、近くにある現在のみなとみらい地区にかつて三菱重工横浜造船所があった時には、大変賑わったそうです。三菱造船におられた横浜の生き字引のような大先輩も、よく通ったとおっしゃっていました。



  さて、前置きが長くなりました。市民酒場の多くがそうであるように、常盤木もかつては庶民の魚だったフグ(正才ふぐ)が名物です。しかし、今は生憎季節外れ。そこで、少しでもフグをと思い、鰭酒から入りました。この真鍮鍋で直接注ぐところが昔ながらで良いですよね。もちろん継酒も頼みました。



  そして酒のつまみにはもってこいの、フグ一夜干し。



  天ぷらは、横浜名物のあなごと野菜。漁獲量こそ激減したとはいえ、今でも本牧や柴ではあなごが獲れます。



  たまたま一緒にいらした方も僕と同じく青魚好きだったので、喜んでこはだ酢を。特にサバには定期的にやられていますが、それでも懲ない愛する青魚。



  少し箸休めに、シンプルな冷奴。



  こちらも、お酒のつまみにぴったりなネギチャーシュー。ネギとチャーシューを海苔で巻いて食べます。何でもご主人はかつて中華街で仕事をされていたのだそうです。



  ということで、こちらも名物の自家製シューマイ。因みに、シウマイと表記するのは崎陽軒の場合。豚肉と玉ねぎのみを使ったシンプルなシューマイですが、それだけに豚肉の旨味が際立ちます。



  最後は市民酒場らしく、豚モツ煮込みで締め。非常にさっぱりした味付けでした。

  何より驚いたのは、これだけ食べて飲んで一人4,000円という安さ。上のあなごの天ぷらは一人一尾です。またお酒もこのブログをご覧の方はお分かりかと思いますが、鰭酒だけのんでいたはずもなく。まさに市民酒場、驚きです。

  それでもやはり、フグ豆腐鍋を食べないことには。冬が待ち遠しいです。

常盤木



神奈川県横浜市西区戸部町5-179



繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした

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