旅人

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ハンナ・アーレント

2013-11-25 | 趣味

 

岩波ホールまで出かけました。

【全体主義の起源】の著者 ハンナ・ アーレントは(1906~1975)独でユダヤ人家庭に生まれた。

大学ではマルチン・ハイデガーに師事し、誰からも敬愛される有名な女性哲学者になりました。

ヒトラー圧政の時代には 彼女自身も 女子収容所に連行されました。

辛くも逃亡に成功。アメリカの大学では教鞭をとり、個性と、優れた頭脳、美貌、を

愛され、夫と二人幸せな家庭を築いていた。

ある日 アドルフ・アイヒマン(1906~1062)逮捕、裁判の報に接し、

裁判の傍聴を望んだ。(私はまだ 生身の彼らを裁く法廷を・・・・見ていない)。

傍聴記録を書きたい!

裁判所で見たアイヒマンは予想していたような、凶悪な人物にはみえない。

陳述も 実に考えなしの 凡庸な男とハンナには見えた。アイヒマン憎しの世情に反し、

ハンナは深く真実を求め、人々の意に反する、記録を「ザ・ニューヨーカーに発表した。

考えを拒否した、人間を捨てた、アイヒマン の【自分は上司の命令を忠実に履行したに過ぎない】の

くどいまでの 陳述を聴き、『悪の凡庸』という考えに至ったのだ。

〈アイヒマン擁護〉 と、世論はハンナに厳しく当たった。でも彼女は自説を固持。

更に 言った。「ユダヤ人組織の一部の リーダーは、ナチスに協力していた」 と。

だれからも敬愛される有名な哲学者から一転 世界中から非難を浴びる女性になったハンナ。

《解答よりも問題を与える思想家》 として興味が膨らみました。

今の日本の、時代の警告ともとれます。考える事を放棄する事の危うさ。です。

たまには命題のある映画もいいですね。

 

iPadから送信 皐月