旅人

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贋作・”坊ちゃん”

2006-02-12 | 私の本棚
贋作”坊ちゃん”殺人事件・・・柳 宏司 著

楽しく読みました。

坊ちゃんが 東京に戻り 街鉄(電車の保守・点検)の技手になる。
其処に或る日 山嵐と出会う。その時坊ちゃんは、赤シャツの 自殺を知る。
二人が、赤シャツに 天誅を加えたその日に 縊死していた。 
事実を知った 二人は、四国に向けて 早速出発。
相変わらず 考えなしの 坊ちゃんだから、話が早い。
其処で 実は・・赤シャツは、社会主義者であり、・・山嵐が 
民権運動の壮士である事を知る。
二人の相克は、其処に有って、知らぬは坊ちゃん ばかり。赤シャツの腰巾着の 野田は気が狂った振りをして、精神病院に居る。其処が 彼にとって、一番安全な場であったのかも。許嫁を盗られた、可哀想な うらなり君は、実は・・社会主義者で、
マドンナを使って、赤シャツの 主義離れを、阻止しようとしたのだった。

坊ちゃんが在職中 色々な事件に遭ったのも、彼らが、坊ちゃんの正体を見極める
為の 便法だった。余りに天衣無縫な、坊ちゃんを 理解出来なかった為、
政府の間諜と、疑いを 持った為だった。
と まあこんな調子で、全て作者の作り上げたミステリーが,
原作”坊ちゃん”の各部署に、夫々 生き生きと踊っていた。
結局殺人犯は、うらなり君の同志であった。
不信の為に 生じた事件が、全て判明して、東京に戻った坊ちゃんは、
全てを 無条件に信じてくれた、”清” を一層敬愛する。
其処で 早速 清の墓参りに、出かけたのだった。