せろふえ

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ブラック・ジャックは遠かった 久坂部羊

2023年08月21日 | 
 副題が 阪大医学生ふらふら青春記図書 とある。

 とてもおもしろかった。こういうのが読書の楽しみだなあ。自分でも言っているのにダメ押しだけれど、白い巨塔や、手塚治虫のような偉大な作家ではないと思うが、あるいは永井明のようでもあるが、ともかくこういう現場からの話って大切だと思う。
 著者の医者になるまでの実習とか研修とかのことがとても印象的だ。

 初めての手術の実習で、開いた部位のさらに奥に乳がんの転移が発見されて執刀医は「これはもう仕方ないな」と言って、放置して縫合したと言うのだ。著者はそのとき、放置したら確実に死ぬ、たいへんでもなんでも見つけたんだから取れよ、と思い、その後自分が実際外科医になってから、わかったと言う。さらに取るためには鎖骨を取ったりたいへんなことで、それはめんどうではなく(死の)リスクを高めることであり、取らずに後で別の治療をすることが延命の確率を高めることなのだ。
 いろいろなところで「総合的な判断」みたいなことを言うけれど、まさにそういう総合的な判断が必要なのだろうし、その判断はひじょうに微妙で、微妙に間違っていることもあるだろうし、それが医学の進歩とか、後でわかることもあるのだろう。
 著者の書いているとおり、あらゆることで一面から見ただけではわからないことがあるのだと思う。だがそれは、だからそれはまかせておけば良い、のではなく、意識し整理し時に説明できる、する、あるいは説明を求めることが大切なのだと、これは僕の考えだが、思っている。

マンガのあなた SFのわたし 萩尾望都対談集 1970年代

2019年07月21日 | 
 とてもおもしろかった。1970年代なので、とても若い(彼女の20代か)。若いときの写真が興味深いし、なかなか魅力的だ、精神的な感じが。(手塚治虫とか松本零士とかも。)手塚治虫と話しているのが興味深い。羽海野チカ(うみのって読めない)が、萩尾望都のことをとっても好きなのが微笑ましい。(図書館の内容案内に羽海野チカだけ(だけ!)のってないのってどういうことなの?)


漫画百冊

2019年03月31日 | 漫画
 もちろんこれは僕にとって(だけ)の漫画100冊だ。最初の10冊は特別。

夢見る惑星 佐藤史生
空の色に似ている 内田善美
テレプシコーラ 山岸凉子
半神    萩尾望都  
ポーの一族  萩尾望都 
星に住む人々 樹村みのり 
藤子不二雄異色SF短編集 
きりひと賛歌 手塚治虫 
童夢 大友克彦
寄生獣 岩明均
 
エロイカより愛をこめて 青池保子
Z 青池保子
失踪日記・アル中病棟 吾妻ひでお
カオスノート 吾妻ひでお
あだち充 どれもみんな同じ
百姓貴族 荒川弘
ぼのぼの いがらしみきお
Sink いがらしみきお
かむろば村へ いがらしみきお
I(アイ)いがらしみきお
うえぽん いしかわじゅん 
至福の街 いしかわじゅん
もやしもん 石川雅之
茶箱広重 一関圭
百鬼夜行抄 今市子
私たちは繁殖している 内田春菊 
ひぐらしの森 内田善美
草迷宮・草空間 内田善美
星の時計のLiddell 内田善美
蟲師 漆原友紀
エイジ 江口寿史
火消し屋小町 逢坂みえこ
グーグーだって猫である 大島弓子
AKIRA 大友克彦
ダーリンは外国人 小栗左多里
中国いかがですか 小田空
悪い子 樹村みのり
夕凪の街桜の国 こうの史代 
この世界の片隅に こうの史代 
がんばれ元気 小山ゆう
おれは直角  小山ゆう
あずみ 小山ゆう
ゴルゴ13 さいとうたかお
石の花 坂口尚 
バジル氏の優雅な生活 坂田靖子
パエトーン 坂田靖子
ライラ・ペンション 坂田靖子
おたんこナース 佐々木範子
シリーズ春と夏と秋と冬 ささやななえ
七生子シリーズ 佐藤史生  
カムイ伝 白土三平
百日紅 杉浦日向子
百物語 杉浦日向子 
絶対安全カミソリ 高野文子
るきさん 高野文子
るーみっくワールド 高橋留美子
人魚シリーズ 高橋留美子 
私もトルコで考えた 高橋由佳利
ペリリュー 楽園のゲルニカ 武田一義 (著), 平塚柾緒(太平洋戦争研究会) (著)
事件屋稼業 谷口ジロー
明治時代シリーズ 谷口ジロー
孤独のグルメ 谷口ジロー
遙かな町へ  谷口ジロー 
キャプテン・プレイボール ちばあきお  
あしたのジョー ちばてつや
のたりひねもす日記 ちばてつや
舟に棲む つげ忠夫
つげ義春 の ねじ式以外
ブラックジャック 手塚治虫
時計仕掛けのリンゴ 手塚治虫
アドルフに告ぐ 手塚治虫
はだしのゲン 中沢啓治
神聖喜劇 大西巨人原作・岩田和博脚色・のぞゑのぶひさ画
波津知子もみんなおんなじかな 
刑務所の中 花輪和一 
朱雀門 花輪和一
アロイス 萩尾望都
銀の三角 萩尾望都
11人いる! 萩尾望都
残酷な神が支配する 萩尾望都 
メッシュ 萩尾望都
訪問者 萩尾望都
ヒカルの碁 の途中まで ほったゆみ(原作)と小畑健(漫画)
ダンシングジェネレーション−ニューヨークバード 槇村さとる
裂けたパスポート 御厨さとみ
あぶさんの12巻まで 水島新司
野球狂の詩の水原有紀が出てくる前まで 水島新司
風の谷のナウシカ 宮崎駿
クライマー列伝 村上もとか
垣根の魔女 村野守美
私家版鳥類図譜・「私家版魚類図譜 諸星大二郎
陸奥A子の短編
日出処天子 山岸凉子
山岸凉子の一連のこわい短編 
大家さんと僕 矢部太郎
テルマエロマエ ヤマザキマリ
それではさっそくBuonappetito! ヤマザキマリ
C級サラリーマン講座 山科けいすけ
夢見る頃をすぎても 吉田秋生
海街ダイアリー 吉田秋生

漫画が語る戦争 焦土の鎮魂歌

2018年12月26日 | 日記

 図書館で借りた。銃後の日本を舞台にした作品を集成している。とても良かった。 
 垣根の魔女がなつかしかったなあ。この作品のことは全然憶えていないのだが、なつかしい。

手塚治虫「カノン」
巴里夫「石の戦場」
早乙女勝元原作、政岡としや「火の瞳」
北条司「少年たちのいた夏」
中沢啓治「黒い鳩の群れに」
曽根富美子「ヒロシマのおばちゃん」
ちばてつや「家路1945〜2003」
山上たつひこ「回転」
村野守美「御身大事に」(『垣根の魔女』より)


「原爆といのち」

2018年12月01日 | 漫画

「原爆といのち」
 なんだか立派な装丁で高い。シリーズででている物らしいが、図書館で見かけてこの巻だけ借りた。漫画としてはもうとても古くなってしまっているように感じられる。特に後半の3作品は文庫ででも読みたいようなもの。中沢啓治のはこの作品が「はだしのゲン」のきっかけになった物らしい。下の収録作品リストはamazonの引用。
●手塚治虫『ブラックジャック やり残しの家』
●中沢啓治『おれは見た』
●辰巳ヨシヒロ『地獄』
●赤塚不二夫『九平とねえちゃん』
●谷川一彦『星はみている』
●貝塚ひろし『黒バットの記録』

アドルフに告ぐ 手塚治虫

2018年02月21日 | 漫画

  僕自身は手塚治虫をリアルタイムで読む世代より若いし、もう大人になってしまって、だから鉄腕アトムとか、あるいはブラックジャック(は週刊誌でだいぶ読んだけれど)より、もっと後のものが好きだ。火の鳥も僕はあまり「感じ」なくて、この「アドルフに告ぐ」とか「きりひと賛歌」とか、あるいは「時計仕掛けのりんご」のようなものが素晴らしいと思う。
 ひさしぶりに図書館で借りて読んだ。図書館にあることがまた素晴らしい。文庫版なので、小さすぎてもったいない。それでなくても老眼なのだ。手書きのところが読めやしない。
 今の、このきな臭い時代が、第二次世界大戦からいや、その前からの連続なのだと思い知るし、人類は何も学んでない感じだし、なんとも暗澹たる気持ちになる。