法律の周辺

核心ではなく, あくまでも物事の周辺を気楽に散策するブログです。

地裁書記官の原告を中傷するメモについて

2006-01-13 19:31:05 | Weblog
「利権で一儲けたくらむ」地裁書記官が原告中傷メモ YOMIURI ONLINE

 裁判所で裁かれたのはいいが,裁いていたのは,その実,書記官であった,など笑えない話しである。まぁ,そんなことはないとは思うが,裁判の公正・公平に疑念を抱かせるニュース。「メモは,裁判の迅速化のため」ということだが,裁判の生命たる公正・公平を損なうような内容では,百害あって一利なしであろう (-_-;) 。
そう言えば,以前,判決の中で,タクシー運転手を「雲助まがい」と述べて,注意処分を受けた裁判官がいた。まさか,あれも・・・ ^^; 。


日本国憲法の関連条文

第三十二条  何人も,裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。

第七十六条  すべて司法権は,最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。
2  特別裁判所は,これを設置することができない。行政機関は,終審として裁判を行ふことができない。
3  すべて裁判官は,その良心に従ひ独立してその職権を行ひ,この憲法及び法律にのみ拘束される。

下級裁判所事務処理規則の関連条文

第二十一条 高等裁判所長官,地方裁判所長及び家庭裁判所長は,所属の裁判所の監督に服する裁判所職員に対し,事務の取扱及び行状について注意を与えることができる。

民事訴訟法の関連条文

(裁判官の除斥)
第二十三条  裁判官は,次に掲げる場合には,その職務の執行から除斥される。ただし,第六号に掲げる場合にあっては,他の裁判所の嘱託により受託裁判官としてその職務を行うことを妨げない。
一  裁判官又はその配偶者若しくは配偶者であった者が,事件の当事者であるとき,又は事件について当事者と共同権利者,共同義務者若しくは償還義務者の関係にあるとき。
二  裁判官が当事者の四親等内の血族,三親等内の姻族若しくは同居の親族であるとき,又はあったとき。
三  裁判官が当事者の後見人,後見監督人,保佐人,保佐監督人,補助人又は補助監督人であるとき。
四  裁判官が事件について証人又は鑑定人となったとき。
五  裁判官が事件について当事者の代理人又は補佐人であるとき,又はあったとき。
六  裁判官が事件について仲裁判断に関与し,又は不服を申し立てられた前審の裁判に関与したとき。
2  前項に規定する除斥の原因があるときは,裁判所は,申立てにより又は職権で,除斥の裁判をする。

(裁判官の忌避)
第二十四条  裁判官について裁判の公正を妨げるべき事情があるときは,当事者は,その裁判官を忌避することができる。
2  当事者は,裁判官の面前において弁論をし,又は弁論準備手続において申述をしたときは,その裁判官を忌避することができない。ただし,忌避の原因があることを知らなかったとき,又は忌避の原因がその後に生じたときは,この限りでない。

(除斥又は忌避の裁判)
第二十五条  合議体の構成員である裁判官及び地方裁判所の一人の裁判官の除斥又は忌避についてはその裁判官の所属する裁判所が,簡易裁判所の裁判官の除斥又は忌避についてはその裁判所の所在地を管轄する地方裁判所が,決定で,裁判をする。
2  地方裁判所における前項の裁判は,合議体でする。
3  裁判官は,その除斥又は忌避についての裁判に関与することができない。
4  除斥又は忌避を理由があるとする決定に対しては,不服を申し立てることができない。
5  除斥又は忌避を理由がないとする決定に対しては,即時抗告をすることができる。

(訴訟手続の停止)
第二十六条  除斥又は忌避の申立てがあったときは,その申立てについての決定が確定するまで訴訟手続を停止しなければならない。ただし,急速を要する行為については,この限りでない。

(裁判所書記官への準用)
第二十七条  この節の規定は,裁判所書記官について準用する。この場合においては,裁判は,裁判所書記官の所属する裁判所がする。

民事訴訟規則の関連条文

(除斥又は忌避の申立ての方式等・法第二十三条等)
第十条 裁判官に対する除斥又は忌避の申立ては,その原因を明示して,裁判官の所属する裁判所にしなければならない。
2 前項の申立ては,期日においてする場合を除き,書面でしなければならない。
3 除斥又は忌避の原因は,申立てをした日から三日以内に疎明しなければならない。法
第二十四条(裁判官の忌避)第二項ただし書に規定する事実についても,同様とする。

(除斥又は忌避についての裁判官の意見陳述・法第二十五条)
第十一条 裁判官は,その除斥又は忌避の申立てについて意見を述べることができる。

(裁判官の回避)
第十二条 裁判官は,法第二十三条(裁判官の除斥)第一項又は第二十四条(裁判官の忌避)第一項に規定する場合には,監督権を有する裁判所の許可を得て,回避することができる。

(裁判所書記官への準用等・法第二十七条)
第十三条 この節の規定は,裁判所書記官について準用する。この場合において,簡易裁判所の裁判所書記官の回避の許可は,その裁判所書記官の所属する裁判所の裁判所法(昭
和二十二年法律第五十九号)第三十七条(司法行政事務)に規定する裁判官がする。

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個人情報保護法の改正に係る自民党の原案について

2006-01-13 18:37:15 | Weblog
個人情報,漏えい従業員にも罰則…法改正の自民原案 YOMIURI ONLINE

 個人情報保護法は,第21条で,安全管理措置に係る「従業員の監督」を定め,多くの主務大臣のガイドラインもまた,従業員などへの監督を求めている。
結局,現在のところ,個人情報保護に係る従業員に対する規律は,企業等の社内規定などを通じた間接的なものにとどまっている。
現実に情報を取り扱うのは,現場の従業員。個人情報の流出・不正利用が止まらない状況などからすれば,従業員に対する罰則の創設,やむを得ないような気がする。

なお,改正案には,「表現,学問,信教および政治活動の自由を不当に妨げることのないように配慮しなければならない」との規定も併記されるようである。


日本国憲法の関連条文

第十九条  思想及び良心の自由は,これを侵してはならない。

第二十条  信教の自由は,何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も,国から特権を受け,又は政治上の権力を行使してはならない。
2  何人も,宗教上の行為,祝典,儀式又は行事に参加することを強制されない。
3  国及びその機関は,宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。

第二十一条  集会,結社及び言論,出版その他一切の表現の自由は,これを保障する。
2  検閲は,これをしてはならない。通信の秘密は,これを侵してはならない。

第二十三条  学問の自由は,これを保障する。

「個人情報の保護に関する法律」の関連条文

(従業者の監督)
第二十一条  個人情報取扱事業者は,その従業者に個人データを取り扱わせるに当たっては,当該個人データの安全管理が図られるよう,当該従業者に対する必要かつ適切な監督を行わなければならない。

第五十六条  第三十四条第二項又は第三項の規定による命令に違反した者は,六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

第五十七条  第三十二条又は第四十六条の規定による報告をせず,又は虚偽の報告をした者は,三十万円以下の罰金に処する。

第五十八条  法人(法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下この項において同じ。)の代表者又は法人若しくは人の代理人,使用人その他の従業者が,その法人又は人の業務に関して,前二条の違反行為をしたときは,行為者を罰するほか,その法人又は人に対しても,各本条の罰金刑を科する。
2  法人でない団体について前項の規定の適用がある場合には,その代表者又は管理人が,その訴訟行為につき法人でない団体を代表するほか,法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。

第五十九条  次の各号のいずれかに該当する者は,十万円以下の過料に処する。
一  第四十条第一項の規定による届出をせず,又は虚偽の届出をした者
二  第四十五条の規定に違反した者

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郵便事業への民間参入促進について

2006-01-13 18:05:34 | Weblog
郵便の民間参入促進検討,総務省研究会が初会合 NIKKEI NET

 「民間事業者による信書の送達に関する法律」第2条第1項の「信書」は,郵便法第5条第2項で定義する「特定の受取人に対し,差出人の意思を表示し,又は事実を通知する文書」をいうとされている。
「特定の受取人」「差出人の意思を表示し,又は事実を通知する」「文書」の各用語等の詳細については,「信書に該当する文書に関する指針」で確認できるが,これによれば,請求書,納品書,申込書,依頼書等も,差出人から特定人にその内容を伝えるために送付する場合は,「信書」に該当することになる。
しかし,上記の類,民間の宅急便の中に入っていることも少なくないように思われる。この「民間事業者による信書の送達に関する法律」,本当に機能しているのだろうか?

因みに,郵政公社の「エクスパック」にも,「信書」を入れることはできない。以前,近くの郵便局で「請求書は入れられませんよね?」と尋ねたところ,窓口の女性,軽いノリで「いいんじゃないかしら」ということであった。嘘つき・・・。


民間事業者による信書の送達に関する法律

(目的)
第一条  この法律は,民間事業者による信書の送達の事業の許可制度を実施し,その業務の適正な運営を確保するための措置を講ずることにより,郵便法 (昭和二十二年法律第百六十五号)と相まって,信書の送達の役務について,あまねく公平な提供を確保しつつ,利用者の選択の機会の拡大を図り,もって公共の福祉の増進に資することを目的とする。

(定義)
第二条  この法律において「信書」とは,郵便法第五条第二項 に規定する信書をいう。
2  この法律において「信書便」とは,他人の信書を送達すること(郵便に該当するものを除く。)をいう。
3  この法律において「信書便物」とは,信書便の役務により送達される信書(その包装及びその包装に封入される信書以外の物を含む。)をいう。
4  この法律において「一般信書便役務」とは,信書便の役務であって,次の各号のいずれにも該当するものをいう。
一  長さ,幅及び厚さがそれぞれ四十センチメートル,三十センチメートル及び三センチメートル以下であり,かつ,重量が二百五十グラム以下の信書便物を送達するもの
二  国内において信書便物が差し出された日から三日(国民の祝日に関する法律 (昭和二十三年法律第百七十八号)に規定する休日その他総務省令で定める日の日数は,算入しない。)以内(信書便物が,地理的条件,交通事情その他の条件を勘案して総務省令で定める地域から差し出され,又は当該地域にあてて差し出される場合にあっては,三日を超え二週間を超えない範囲内で総務省令で定める日数以内)に当該信書便物を送達するもの
5  この法律において「一般信書便事業」とは,信書便の役務を他人の需要に応ずるために提供する事業であって,その提供する信書便の役務のうちに一般信書便役務を含むものをいう。
6  この法律において「一般信書便事業者」とは,一般信書便事業を営むことについて第六条の許可を受けた者をいう。
7  この法律において「特定信書便役務」とは,信書便の役務であって,次の各号のいずれかに該当するものをいう。
一  長さ,幅及び厚さの合計が九十センチメートルを超え,又は重量が四キログラムを超える信書便物を送達するもの
二  信書便物が差し出された時から三時間以内に当該信書便物を送達するもの
三  その料金の額が千円を下回らない範囲内において総務省令で定める額を超えるもの
8  この法律において「特定信書便事業」とは,信書便の役務を他人の需要に応ずるために提供する事業であって,その提供する信書便の役務が特定信書便役務のみであるものをいう。
9  この法律において「特定信書便事業者」とは,特定信書便事業を営むことについて第二十九条の許可を受けた者をいう。

郵便法の関連条文

第五条 (事業の独占)  公社以外の者は,何人も,郵便の業務を業とし,また,公社の行う郵便の業務に従事する場合を除いて,郵便の業務に従事してはならない。ただし,公社が,契約により公社のため郵便の業務の一部を行わせることを妨げない。
2  公社(契約により公社のため郵便の業務の一部を行う者を含む。)以外の者は,何人も,他人の信書(特定の受取人に対し,差出人の意思を表示し,又は事実を通知する文書をいう。以下同じ。)の送達を業としてはならない。二以上の人又は法人に雇用され,これらの人又は法人の信書の送達を継続して行う者は,他人の信書の送達を業とする者とみなす。
3  運送営業者,その代表者又はその代理人その他の従業者は,その運送方法により他人のために信書の送達をしてはならない。但し,貨物に添附する無封の添状又は送状は,この限りでない。
4  何人も,第二項の規定に違反して信書の送達を業とする者に信書の送達を委託し,又は前項に掲げる者に信書(同項但書に掲げるものを除く。)の送達を委託してはならない。

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耐震偽造に係る不正を見抜けなかった地方自治体等に対する損害賠償請求について

2006-01-13 08:57:35 | Weblog
耐震偽装,13ホテルが損害賠償検討 NIKKEI NET

 施工会社,販売会社についても検討しているのであろうが,現実問題として,多くの回収は望めない。先ずは,耐震偽造に係る不正を見抜けなかった地方自治体等に対し,ということなのであろう。
なお,指定確認検査機関イーホームズの藤田氏は,国会で,「構造計算は多岐にわたる検査要件があるが,それだけでは発見できなかったということ。制度上の問題がある」との見方を示している。個別の検査云々ではなく,制度設計そのものが抱える問題,ということのよう。氏からすれば,相手方とすべきは,個別の検査機関,地方自治体ではない,ということになろうか。


国家賠償法の関連条文

第一条  国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が,その職務を行うについて,故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは,国又は公共団体が,これを賠償する責に任ずる。
2  前項の場合において,公務員に故意又は重大な過失があつたときは,国又は公共団体は,その公務員に対して求償権を有する。

民法の関連条文

(不法行為による損害賠償)
第七百九条  故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は,これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

(使用者等の責任)
第七百十五条  ある事業のために他人を使用する者は,被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし,使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき,又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは,この限りでない。
2  使用者に代わって事業を監督する者も,前項の責任を負う。
3  前二項の規定は,使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を妨げない。

(注文者の責任)
第七百十六条  注文者は,請負人がその仕事について第三者に加えた損害を賠償する責任を負わない。ただし,注文又は指図についてその注文者に過失があったときは,この限りでない。

(共同不法行為者の責任)
第七百十九条  数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたときは,各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う。共同行為者のうちいずれの者がその損害を加えたかを知ることができないときも,同様とする。
2  行為者を教唆した者及び幇助した者は,共同行為者とみなして,前項の規定を適用する。

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