三笠宮寛仁さま発言,宮内庁が懸念表明…女性天皇問題 YOMIURI ONLINE
皇室典範改正案:自民内に女性・女系天皇反対広がる MSN毎日インタラクティブ
昨年,ご自身が会長を務める福祉団体のプライベートな会報で女性天皇容認に疑問を呈されていた寛仁親王。最近,
文芸春秋,
毎日新聞の単独インタビューなどで,同旨の発言を繰り返されているが,これに対し,宮内庁が懸念を表明している。
寛仁親王のご見解,昨年11月の皇室典範に関する有識者会議による報告書に照らせば,「個人の歴史観や国家観に関わるものであり,それぞれの見解の当否を判断することから皇位継承資格の検討に取り組むことは適当ではない。」ということになろうか。
毎日のインタビューにある「1947年に臣籍降下した11宮家の当主にカムバックしていただいたり,養子ができるようにするなどの方法」,件の報告書では,「男系男子による安定的な皇位継承自体が困難になっているという問題に加え,以下のように,国民の理解と支持,安定性,伝統のいずれの視点から見ても問題点があり,採用することは極めて困難」と,否定的に評価されている。
因みに,皇室典範に関する有識者会議が小泉首相から要請されたのは「将来にわたり皇位継承を安定的に維持するための皇位継承制度とこれに関連する制度の在り方について検討を行う」ということ。検討にあたっての基本的な視点は,以下の3つであった。
1) 国民の理解と支持を得られるものであること
2) 伝統を踏まえたものであること
3) 制度として安定したものであること
なお,現行の皇室典範の皇位継承資格者の要件は,以下の4つ。
a 皇統に属すること
b 嫡出であること
c 男系男子であること
d 皇族の身分を有すること
a及びdは制度の当然の要請,bも国民意識等から維持するのが妥当となれば,検討対象はcに絞られてくる。
1)については,各種世論調査によると,女性・女系天皇容認に対する支持は7割以上と高く,報告書も「国民の間では,女子や女系の皇族も皇位継承資格を有することとする方向を積極的に受け入れ,支持する素地が形成されているものと考えられる。」としている。
また,2)につき,有識者会議は,「伝統とは,必ずしも不変のものではなく,各時代において選択されたものが伝統として残り,またそのような選択の積み重ねにより新たな伝統が生まれるという面がある。」とするなど,柔軟な立場である。
そうなると,女性・女系天皇容認という結論に至るのは,ある意味,自然な成り行き。問いの中に答えが用意されていた,あるいは,有識者会議は小泉首相のアリバイ作りの片棒を担がされた,と言ったら過ぎるだろうか。
皇室典範の改正,成立すれば「日本の歴史上最大の改革」との指摘もあるよう。開会前から通常国会,波乱含みである。
首相官邸HP 皇室典範に関する有識者会議 報告書