特定非営利活動法人白河花里倶楽部れぽーと

東北の南端福島県白河市で活動するNPO法人。2017年10月より、動物関連はアメブロ「花里れぽーと」で更新致します。

10月は里親月間です ~ある里親さんと里子さんの話~

2009-10-06 16:57:23 | 養育里親制度

毎年10月は「里親月間」と定められています。来月11月は「児童虐待防止推進月間」です。
今週土曜日、市民イベント「ふれあいウォークin白河」がお城山公園で行われますが、今年は花里代表が実行委員長を務めることもあり、このイベント内でオレンジリボンと里親制度に関する啓発をさせていただきたいと考えています。チラシやポスターをいただきたいと思い県に電話をしましたが、厚労省から送られていないとのお返事。厚労省の担当課に連絡すると今年は各県に任せたとのお返事。結果、今年は里親のポスターもチラシもなく昨年のものを送っていただくことになりました。いつも思うのですが、こんなに重要な分野なのに軽視されてばかり。誰かが声をあげないとこの仕組みは変わらないのでしょう。とても残念です。

さて、声をあげてみます。

3年前、福島県で初めて里親と里子さんの講演会が県主催で行われました。東京のアン基金さんの副理事長とさくらネットワークの里子さんが講師でした。素晴らしい講演会で本当に感動したのですが、残念ながら1度で終わりました。その時、花里事務局は講演会受付でオレンジリボンを配布させていただきましたが、とても素敵な出来事がありました。私と一緒に受付を手伝っていた高校生の女の子がいました。とても素直で可愛い女子高生。するとお母さんが現れ「家の娘です」と挨拶されましたので、私は「お母さん似ですね、よく似てらっしゃいますね」と言いました。女の子とお母さんはとても嬉しそうに2人で顔を見合わせ笑っていました。本当に・・・とてもよく似ていて素敵な親子だったんです。そして数カ月、ふと閃きました(遅すぎますが)。あの場で受付を手伝うということは里親さんと里子さんだったのだと。衝撃でした。本当に親子だと思ったのです。そして、涙がこみあげました。女の子と里親さんは、親子に間違えられて本当に嬉しそうでした。楽しんでいました。私が心底親子だと思っていることはわかってくれたのでしょう。素敵な出来事。心に残る出来事です。誰もが、こんな里親さんに出会ってほしい。出会えなかった子を思い、施設の子と比べ、涙が浮かびました。

一人の子どもの人生が、優しい里親さんに出会えるかどうかで、大きく変わります。あの女の子は、進学したければ進学するでしょう。就職してもお正月には家に帰るでしょう。養子縁組したければ、里親さんはしてくれるでしょう。結婚式には、里親さん夫婦が親となってくれるでしょう。施設の子は・・・。これだけ大きな違いがあるのに、里親制度は軽視されている。悲しい現実があります。また、社会の大きな偏見の中にいる里親さんたち。こんなに素敵な優しい人たちなのに、理解されていない場合が多い。この現実を知った者の一人として、少しでも多くの人に正しい理解をしてほしいと願います。

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