特定非営利活動法人白河花里倶楽部れぽーと

東北の南端福島県白河市で活動するNPO法人。2017年10月より、動物関連はアメブロ「花里れぽーと」で更新致します。

芥川賞作家中山義秀と白河ばら園

2010-01-07 11:31:30 | 日記


白河市の白河バラ園は小峰城の中にあります。日本でお城の中にバラ園があるのは大変に珍しいのではないでしょうか。





昨年、白河の歴史を調べている方から教えていただいたのですが、この白河バラ園は白河市出身(大信地区)の芥川賞作家中山義秀の一言で始まったのだそうです。
その方によると、当時の市長なども同席した催しで中山義秀が「城にはバラでも植えればいいんだ」と言ったのだそうです。この芥川賞作家の言葉を真摯に(?)受け止めた当時の市長は荒れていた小峰城内の空き場所をバラ園にしたのだそうです。





ヨーロッパの古城にはバラが咲いています。これは当然ですが、日本の城に西洋のバラは違和感があると言えばあります。でも、素敵です。石垣に這うバラは日本でも西洋でもロマンチックです。





ただ残念なのは当時の流行りのバラが多いということ。また、当時は東洋一だったそうですが、今では全国各地にバラ園が存在します。数でも広さでもかなわない。でも、この石垣は他にはないのでは?
この石垣に合うのはオールドローズだと個人的に思っております。イギリスやフランスの古城の石垣に這うつるバラ。上からワイヤーを垂らして這わせれば、ここはイギリス?フランス?と思うような素晴らしい光景となるのではないでしょうか。いつの日か管理をしてみたいなどと夢見て、バラの勉強をしています。
また、花好きの市民からは「バラしかない」とか「花数が少ない」とか「期間が短い」などの声を聞きます。皆さん、遠くまで花を見に出かけているようですので、目が肥えているのですね。低予算の中では限界もあると思いますが、古城のバラ園は白河市が日本に誇るものの一つだと私は思います。

芥川賞作家中山義秀は「孤高の戦士」と称される方だそうです。文学館が白河市にあり、毎年文学賞もあります。これは公開選考会で審査員も著名な作家の方々。その毒舌は大変に面白いものです。
文学館を見学して抱いた中山義秀のイメージは、権力者に阿ることを嫌い、世間で敗者と評された人の人生にドラマを見出す・・・というようなものでした。若い頃、トルストイの文学に傾倒したそうですが、これを知った時に「キリスト教では?」とピンときました。後で知ったのですが、死の直前にプロテスタントの洗礼を受けたそうです。

この文学館に、恥ずかしながら私の父がいただいた葉書が展示されています(まだあるかどうか)。家にあったものを寄贈させていただいたのですが、最近になり詳しいことが少しわかりました。父は中山義秀が白河市で講演をした際に聴きに行き、当時福島県短歌祭の審査委員をした中山義秀にお声をかけたのではと推測します。この頃、父は県の短歌会の役員などを務めていたようで、その関係もあったのではと思います。というとセレブな印象ですが、父は大変に貧しく、講演に行った時も間違いなく作業着のような服装だったと思います。その父に返事をくださったということが義秀の権力者への反逆的人生を表していると思います。ちなみに、父もプロテスタントの洗礼を受けたクリスチャンでした。
著書の中に、明智光秀について書かれた小説があるそうです。読んでみたいと思います。明智光秀は大変な人格者であったという話もあるそうです。敗者に光を・・・勇気がいることだと思います。












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