Heart and heart

ありきたりになりがちな毎日をオンリーワンな一日に

メランコリア

2012-02-21 17:27:46 | 映画
    
     「ダンサー.イン.ザ.ダーク」の監督---ラース.フォン.トリアの作品です
     彼の作品は今まで見たことがなく 今回初めて監督の世界観を 体験しました
     美術館を出た時 それぞれが全く違った 感想を持ったり、まったく違った刺激を
     受けたりする様に・この映画を見終ったら それぞれが まったく違った感想を
     持ってもおかしくない 「映像美」で 映画はスタートします。

     例えて言うなら 絵画・現代アート・・・作者のメッセージをくみ取るのには
     とってもシンプルな 感性と思考で 構わないのですが 見た人、一人ひとり
     から 発せられる 言葉はきっと実に多彩なはずです。。。。

     主人公のジャスティンはとってもナイーブでうつ気味なアーティスト・・・
     故に 姉のクレアやその夫ジョンからは、言動が理解してもらえず
     2人は 彼女にいらいらさせられる事もしばしば・・・

     ストーリーは 「メランコリア」という惑星が地球に近づき やがては 衝突し
     世界は 終焉を迎えるという はなしなのですが。。。

     不思議と メランコリアが近づくほど 姉クレアの 不安定な精神状態とは裏腹に
     ジャスティンの 精神は 不思議なほど、どんどん落ち着いていきます
     
     実は 監督のラースも主演のキルスティン・ダンストも 鬱を患った経験があるとか。。。
     監督自身は 
     「憂鬱に支配された人間は、普通の人間よりも大きな可能性を秘めている。
      彼らは 最悪の状態を常に、想定していて 実際に悲惨なことが起こった時には
      普通のひとよりも ずっと冷静に対応できるんだ・・・」
     と語っています。

     人の心というものが 複雑になってきている現代。。。
     誰が 普通で、誰が普通でないか・・という区別自体 出来なくなっている
     様な現状で、自分だけが特別ではないという事を心に留めておくことも 大事では
     ないのかと 思いました。

     環境破壊による異常気象、生態系の変化、地球の自然変動には、全て人間が関係しているにも
     関わらず、
     一方では 人間の力では どうしても抗うことが出来ない力も確かに存在している
     のだという事を 強く感じさせられます 

     人の命には終わりがあるということ、それが地球の終焉という形で やってきた
     時に、いかに人間の存在というものが脆くはかないうえに、微力であるか
     を思い知らされるのです。。。

     もし メランコリアの存在が キルスティン演じる ジャスティンだとしたら・・・
     人間は自分と 価値観の違う相手の存在を受け入れ難く
     自分の思考範疇外の それを恐怖に感じ
     自己防衛 の傾向に陥るのかも しれませんが、
     それは 必ず存在するもの、受け入れていくべきものと 理解する事がこれから
     さらに 重要になっていくのかもしれません。

     物事に終わりがあることは 決して特別な事ではなく、
     自分が考えられる大きさ以上のものが 世の中には沢山存在し 
     常に、今ある事に 感謝できれば、きっと メランコリアを目の当たり
     にした時の 自分の向き合い方も違うのでは
     ないでしょうか?
     
     だからこそ 初めの 8分間の映像が 
     少し怖くもあり、不安になりながらも 見ている者に
     美しいと感じさせる圧倒的な力を持っているのかもしれません。。。  
     
    
     
               
              






     

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