舞台はデンマーク コペンハーゲン・・・社会福祉先進国といわれ 福祉制度の
充実が世界にもみとめられている国
しかし、
その裏側にある 貧困 ドラッグ 暴力などの問題を 私たちの周囲に起こりうる
同じそれとして 直視させられます
デンマークアカデミー賞では 5部門を受賞している作品・・・
育児放棄 や虐待をうけて大人になった 兄弟
大人になってからは音信不通だった2人が あることをきっかけに
再開し 互いに思い通りに生きれないジレンマをかかえ、常に
相手を思いあっていたことを確認する。。。
福祉の進んだゆたかな国というイメージの一方で ホームレスが存在する事実
貧困の連鎖・・・・貧しい家庭に生まれた子供は 貧しさから
逃れられず アルコール依存 暴力を繰り返していく傾向
ここに存在する問題については、「負の社会遺産」といわれているそうで
それは同時に 私たちも考えていかなければいけない事として 映画を見ていて
強く感じます
デンマークでは・・
ホームレスとはいえ シェルターという住居が用意され 一定額の支給もあり 外で寝て暮らす
ということはないそうです。
そんななかで
無くならない 一連の課題を 日本の 社会福祉・年金制度の行き詰まり
育児放棄などと 重ね合わせると 人間のこころという 部分での複雑
な 答えにぶつかっていく様に思います
しかし このストーリーに登場する人物 それぞれには 人をおもう愛情が存在
し そこに救われ あたりまえのあたたかさに安堵するのです
子供のころの 幼い弟の死に罪悪感を持ちつづける兄弟
子供を一番にかわいいと思いながら ドラッグをやめられない弟
好きなひとを忘れられず アルコールと暴力に依存する兄
別れた夫との間の子供をおもいつづけるシェルターの住人・・・
ストーリーのなかで 兄が自暴自棄になり 思わずこぶしを振り上げ壁をたたくシーン・・・・
結局最後は 手当が悪かったせいで その右手を失ってしまうのですが
何かを失っても 人間は生き続けられるという事・・・
気持ち 思いにさえ揺らぎが なければ 前にすすんでいけることを
おしえてくれます
眼に見えるものの価値 見えない事の不安さ---
見えないものを 見て形にしていけるのは 自分たち次第なのでしょうか?
幸せというものが決して 物の充実のうえに存在するものではない事
を感じさせられます---