Heart and heart

ありきたりになりがちな毎日をオンリーワンな一日に

悼む人

2015-04-07 18:29:43 | 映画

    「悼む人」 
    かなり前に原作を読んで
    強く印象に残っていました
    天童荒太さんの本はどれも読んでいるうちから
    こころを締め付けられる様な感覚をおぼえます
    さらに、
    読後も得も言われぬ何かひっかかりをそこに残し
    しばらくは茫然としてしまう状態です

    原作は素晴らしかったのですが
    映画もそれを決して裏切っていなかったと思います


    私の思ういい映画の基準の一つに
    鑑賞後 同じ映画を観た人と
    それについて 多くを語れるという事

    この「悼む人」もまさにそんな映画でした

    主人公の静人が死者を悼む旅に出るきっかっけは
    同級生の命日を忘れてしまっていた事が発端になります

    あんなに打ちひしがれ悲しんだ同級生の死を
    日々の忙しさの中で忘れてしまっていた自分を強く責めた静人・・・

    彼は、新聞やニュースに出る不慮の死をとげた全国の死者を
    悼む旅に出るのです


    「死生観」について考えさせられる映画と表現するなら

     ひとは死んだらどうなるかという
     死後の世界より
     悼む事で今をどう生きるかを考える事になるのかもしれません
    
     静人の母は旅に出たまま帰ってこない息子に対して
     こんな思いを打ち明けます 
     「こころから愛せる人を見つけてほしい。。。」と、

     思い悩み立ち止まっても
     最後はそれが答えになるのか、と強く納得するのです


     自分探しの旅---などとよく言いますが
     出会った人
     相対する人が自分の鏡だとしたら
 
     誰を愛するか、誰をどう思うかもすべて
     自分に対してのそれと同じことだというのがわかります

     映画を観て感じる事もその人それぞれ
     自分のフィルターによって見えるものは決まってきます


     静人の行動にどんな意味があるのか?
     そんな事より、
     そこから私たちが何を感じられるのかが大事なのかもしれません

     生きている今こそ
     自分について考え、愛する人を思う事ができるのです

    
     

     
     
    
    

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