角岸's blog (Kadogishi s' blog)

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ポリティカルサスペンス映画としてかなりの完成度!!「外事警察」

2012-06-17 14:37:41 | 映画
「外事警察~その男に騙されるな」は、今最も見逃したらもったいない邦画です。

同じ邦画でも、前回ご紹介した、コメディ大作「テルマエ・ロマエ」と対極にあるような手に汗握るリアルな演出のポリティカルサスペンスです。

↓↓↓公式ホームページ
http://gaiji-movie.jp/



(ストーリー)
東日本大震災の混乱が続く2011年の日本。原子力関連部品のデータが、某大学の施設から盗み出される事件が発生する。警視庁公安部外事課の住本は、不正輸出にかかわっているとマークしていた奥田交易に目を付け、その社長夫人・果織の経歴や行動パターンを調査。彼女を協力者(=スパイ)に取りこむことに成功した住本だったが、何者かに刺されてしまう。やがて、その襲撃が日本にひそんでいる韓国人工作員から警告であることが判明し……。


これ、NHKドラマ版の続きなんだけど、自分が観る限り、ドラマの方で特に予習しとかなくても普通に入っていける構成になってます。
もちろん、ドラマ見とくとより深く味わえるんですが、演出がドラマ版と同じ堀切園健太郎監督で、統一感抜群です。あの「ハゲタカ」の監督さんですね。

なんかね、ホームビデオで撮影したような少し画面が揺れるリアルな演出と「ハゲタカ」で魅せたスタイリッシュな演出を融合させて、ラストまでハラハラしっぱなしのノンストップサスペンスを大いに盛り上げます。

ラストのソウルでの核テロを防ぐあたりなんか、小便ちびりそうになりますよ。



しかし、小生の私見では、これはかなりの完成度の映画だと思います。

クライマックス(ソウルでの核テロ)のあたりはともかくとして、特別派手なアクションがあるわけでもなく、CG使った大きな見せ場があるわけでもありません。

んでも、こんなに面白いんですから、やっぱ、見事な脚本(ストーリー)、堀切監督の演出、そして何よりも、渡部篤郎をはじめとする俳優陣達の見事な演技の三位一体のアンサンブルといえましょう。

しかし、渡部篤郎さん、いいですねぇ。この主役のダークヒーロー演じられるのはホントこの人を置いていないでしょうねぇ。
日本の国益のためなら、平気で嘘をつき、汚い手を使うのも厭わない、見事な諜報部隊のリーダーを 眉間にシワよせてカッコよく演じています。

真木よう子さん、尾野真千子さんなど脇を固める俳優陣達も雷に打たれたようにすごいです。

あと、韓国の役者さんたちがいい味出してます。キム・ガンウそしてイム・ヒョンジュン。どっちも敵味方分かれたスパイ(南と北)なんだけどかなりリアル。

渡部篤郎と真木よう子

しかしね、最後に日本の官房長官(余貴美子)が声明だすんですが、これがずっこけます。

「きれい事と言われようが、日本は核なき世界を求めます!!」

だって。

自分の部下たちが、命をかけて日本の国益を守ろうと陰で死闘を繰り広げているときに、こんなノーテンキなことを、現実の政治家でも言いそうで、ちょっと考えさせられました。

ちなみに、映画では「戦線布告」の時もそうだったんですが「北朝鮮」って言えないんですかね。
終始「あの国」とか「あなたの祖国」とか奥歯に物がはさまったような表現でした。

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