今夏もっとも自分的に観たかった映画「終戦のエンペラー」。
なんだか、退屈そうな映画に思えるでしょ、こういう歴史ものって。ところが・・・!!
さて、原題は「Emperor」なので、天皇とは何なのかを問う、大変意欲的かつセンシティブな映画です。
やっぱ、日本人自身では製作できないでしょ、このテーマは。
さて、我々日本国民にとって「天皇陛下」という呼び名の英語訳が「Emperor(皇帝)」ってのも、なんだかしっくりきません。
と、いうのは西洋世界及びお隣の中華帝国時代の皇帝(エンペラー)は「King(王)」の上に位置する絶対的支配者みたいなもの。
しかし、我が国の「天皇(すめらのみこと)」は、日本の泰平を祈る神道の最高神官であり、そういう意味ではカトリック世界のローマ法王に近いと言えるかもしれません。
ただね、国際社会での日本のエンペラーの称号はかなりの絶大な威光があるのは厳然たる事実。
国と国との首脳同士の握手でも全然違うワケ。
例えば、下記の写真はオバマ米大統領が中国の前国家主席の胡錦涛 さんと面談した時の様子。
けれども、オバマ大統領が我が今上天皇陛下に拝謁する時はこうなります。
ちなみに、韓国では未だに天皇(エンペラー)という称号は用いたくないみたいで、ワザと「日王」と呼んでます、ハイ。
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さて、ちょっと前置きが長くなりましたが、このハリウッドが描く終戦直後の日本を、GHQの側からみた本作は、小生がみるにかなりの成功を収めています。
まぁ、中には日米をまたにかけたラブストーリーは要らないんじゃないかという意見もあるんですが、天皇を取り巻くかつての側近たちへの聞き取り調査で、天皇の戦争への加担の真偽をリサーチしていく過程は、本当にサスペンスフルです。
またニュージーランドで撮影したとされる、戦後の荒廃した東京の美術背景は臨場感たっぷりで実に見事。
ストーリーは連合軍最高司令官のマッカーサー元帥(トミー・リー・ジョーンズ)が東京へ降り立つところから始まります。
彼は日本統治を成功させ、政界進出を目論んでいるんですが、困ったことが2つ。
1つは本国ワシントンでは日本の天皇の戦争に直接かかわった証拠を見つけ、裁判で処刑するべく圧力がかかっていること。
2目は、天皇を処刑してしまえば、日本は未曾有の混乱に陥り、GHQによる日本統治は失敗し、自信の野望は水泡に消えてしまうこと。
そこで、部下の知日家のフェラーズ准将(マシュー・フォックス)に、天皇の戦争指導への関わりについて調査を命じます。
なので、この物語の実質的主人公は、このフェラーズ准将なんですね。で、彼の日本人娘との恋を交えながら、東條英機(火野正平)、近藤文麿(中村雅俊)、木戸幸一(伊武雅刀)らの当時の政府首脳及び天皇側近らに聞き取り調査をしていきます。
そして、いよいよクライマックスであるマッカーサーと天皇陛下のあの有名な会談が行われるのですが・・・・・・
さて、この両者の対面シーンはネタバレになっちゃうので細かくは書けないんですが、もうビックリ!!
文献ではね、この会談の内容はいろいろ言われてましたが、先帝陛下とマッカーサーとのこの本音の話し合い。
そういう意味では、西田敏行演じる鹿島大将の「日本人を理解するにはその、建前と本音を理解しなければいけない」というセリフがここで効いてくるのが分かります。
このクライマックスである、この二人の言葉での対決は、小生、感動のあまり危うく涙がこぼれそうになりました。この歴史的な人物を演じたT・L・ジョーンズと片岡孝太郎の演技も見事なものです。必見です、必見!!
こういう映画が撮れるんですから、旧敵国ながら米国はアッパレというほかありません。
ちなみに、本作は夏八木勲さんの遺作となりましたが、やっぱ上手いですね~。
なんだか、退屈そうな映画に思えるでしょ、こういう歴史ものって。ところが・・・!!
さて、原題は「Emperor」なので、天皇とは何なのかを問う、大変意欲的かつセンシティブな映画です。
やっぱ、日本人自身では製作できないでしょ、このテーマは。
さて、我々日本国民にとって「天皇陛下」という呼び名の英語訳が「Emperor(皇帝)」ってのも、なんだかしっくりきません。
と、いうのは西洋世界及びお隣の中華帝国時代の皇帝(エンペラー)は「King(王)」の上に位置する絶対的支配者みたいなもの。
しかし、我が国の「天皇(すめらのみこと)」は、日本の泰平を祈る神道の最高神官であり、そういう意味ではカトリック世界のローマ法王に近いと言えるかもしれません。
ただね、国際社会での日本のエンペラーの称号はかなりの絶大な威光があるのは厳然たる事実。
国と国との首脳同士の握手でも全然違うワケ。
例えば、下記の写真はオバマ米大統領が中国の前国家主席の胡錦涛 さんと面談した時の様子。
けれども、オバマ大統領が我が今上天皇陛下に拝謁する時はこうなります。
ちなみに、韓国では未だに天皇(エンペラー)という称号は用いたくないみたいで、ワザと「日王」と呼んでます、ハイ。
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さて、ちょっと前置きが長くなりましたが、このハリウッドが描く終戦直後の日本を、GHQの側からみた本作は、小生がみるにかなりの成功を収めています。
まぁ、中には日米をまたにかけたラブストーリーは要らないんじゃないかという意見もあるんですが、天皇を取り巻くかつての側近たちへの聞き取り調査で、天皇の戦争への加担の真偽をリサーチしていく過程は、本当にサスペンスフルです。
またニュージーランドで撮影したとされる、戦後の荒廃した東京の美術背景は臨場感たっぷりで実に見事。
ストーリーは連合軍最高司令官のマッカーサー元帥(トミー・リー・ジョーンズ)が東京へ降り立つところから始まります。
彼は日本統治を成功させ、政界進出を目論んでいるんですが、困ったことが2つ。
1つは本国ワシントンでは日本の天皇の戦争に直接かかわった証拠を見つけ、裁判で処刑するべく圧力がかかっていること。
2目は、天皇を処刑してしまえば、日本は未曾有の混乱に陥り、GHQによる日本統治は失敗し、自信の野望は水泡に消えてしまうこと。
そこで、部下の知日家のフェラーズ准将(マシュー・フォックス)に、天皇の戦争指導への関わりについて調査を命じます。
なので、この物語の実質的主人公は、このフェラーズ准将なんですね。で、彼の日本人娘との恋を交えながら、東條英機(火野正平)、近藤文麿(中村雅俊)、木戸幸一(伊武雅刀)らの当時の政府首脳及び天皇側近らに聞き取り調査をしていきます。
そして、いよいよクライマックスであるマッカーサーと天皇陛下のあの有名な会談が行われるのですが・・・・・・
さて、この両者の対面シーンはネタバレになっちゃうので細かくは書けないんですが、もうビックリ!!
文献ではね、この会談の内容はいろいろ言われてましたが、先帝陛下とマッカーサーとのこの本音の話し合い。
そういう意味では、西田敏行演じる鹿島大将の「日本人を理解するにはその、建前と本音を理解しなければいけない」というセリフがここで効いてくるのが分かります。
このクライマックスである、この二人の言葉での対決は、小生、感動のあまり危うく涙がこぼれそうになりました。この歴史的な人物を演じたT・L・ジョーンズと片岡孝太郎の演技も見事なものです。必見です、必見!!
こういう映画が撮れるんですから、旧敵国ながら米国はアッパレというほかありません。
ちなみに、本作は夏八木勲さんの遺作となりましたが、やっぱ上手いですね~。
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