傾聴ボランティア~緩和ケアにて~

~薬剤師・社会福祉士による小さなボランティア活動~

そばにいて・・・

2007年06月08日 | 在宅ホスピス
あるご高齢の女性の傾聴をしていました。

「○○さん、私の祖母と1歳違いですね。お元気ですよね!」

と言うと、

「元気だけでもね、誰も来ないで寂しいんじゃどうしようもないよ。生きている意味ない。」

と優しい目をして優しく言いました。

「あなたね、私の話を聞くのよりも、あなたのおばあさんのところに言ってあげて」

「うちの祖母は寂しいと思っているでしょうか?」

「きっとそうよ、顔を出すだけでいいから、行ってあげて頂戴。とっても喜ぶはず」

そっか。

優しくて思いやりがあって素敵なこの女性、この言葉は自分の気持ちそのものなんですよね。

「孫、家族にはちょっとでもいいから顔を出してほしい。それだけで私は嬉しいと思うわ」

と言っているのですよね。

たまたま私の祖母と年齢がほぼ一緒だったから、重ね合わせて見えたのでしょう。

つくづく顔を見せる、そばにいるという単純で大切なことを思い知らされたのでした。

私の詩「ただそばにいて」にもそう書いてあります・・・。


ホスピス緩和ケアの歩き方