五反田発リスボン行き急行列車

五反田駅からリスボン行き急行列車に乗ることを夢想する前期高齢者の徒然

2022・9・3

2022-09-03 05:41:25 | 日記
〇昨日夕方、心臓血管外科のI医師とK医師の回診の時、俺はポーカーフェイスを装っていたけど、内心は土曜日か週明けには退院の許可が出るのではないかと期待していた。というのもその少し前に内科感染症専門の女医Yさんが、それまでの厳しい見解をやわらげてきたからだ。でも、その期待はすぐ失望に変わった。経過が良好なので点滴の抗生剤を今日から変えてしばらく様子を見るというのだ。しばらくって?ーそれは今は言えませんーー大体いつまで?ーーその抗生剤でいい結果が出るまでです。ということは来週もこの独房にいる可能性が大きいのか?少なくともこの土日は検査もなく診察もないのに、熱も血圧も正常なのに、歩行訓練どころか屈伸運動だってこなしているのに、一泊一万四千円の個室(他の経費を入れると二万円?)で、全くと言っていいほど知らない帝政ロシア時代を舞台にしたよく分からないドストエフスキーを読みながら無聊を慰めていなくてはいけないのか?あーあ、揚げたてのトンカツがたべたいっ。
〇こんな生活を送っていると、殆どいいがかりで逮捕されて、罪を認めない為に二年近く?の拘留生活を強いられた元外務省分析官の佐藤優氏の凄さを思い知る。彼は拘留生活が長期に渡ると覚悟して、その間に資本論を再読し、ヘーゲルを研究しながら時を過ごしたと云うのだ。俺にはきっと無理だろう。身に覚えのない罪でもさっさと自白して、揚げたてのトンカツを頬張っていることだろうよ。
〇これほどまでにトンカツに拘っているのは、ちょっとした手違いで昨日の夕食がサラダだけったからだ。現在土曜日の朝6時過ぎ。8時になったら地下のコンビニで、抱えきれないほどの食料を調達しよう。ただ問題がある。殆どのお弁当はご飯粒が詰まっているのに、それ以外にもおにぎりやサンドイッチを買い求めてしまう為、俺は入院前は朝だけしかご飯粒を食べなかったのに、こんな生活を送っていたら炭水化物過剰で別の病気になりかねない。だからこそ揚げたてのトンカツを。ご飯はいらない。付け合わせはキャベツだけでいい。きっとそれは至福の時にちがいない。
〇現在朝の8時前。飢えた狼老人は開店している筈の地下のコンビニに行こうと廊下に出たら看護士に土日は10時開店ですよと言われ、すごすごと病室に戻るはめになってしまった。あと二時間。狼老人は指をくわえて窓の外に見えるオーオカビルに視線を向けているしかない。そこに眠る母よ、よくも俺をここまでわがままに育ててしまったね。
〇10時開店をいまか今かと待っている時に、看護士が10時から点滴の時間ですと入ってきた。「ちょっと待ってくれ。10時から俺は…」「大丈夫ですよ。30分も掛かりませんから」と看護士は云ったけど、新しい点滴の針が血管に入らない。若い看護婦からベテランに変わる。でもベテランでも無理。しばらくして責任者と変わったけど、彼女でもダメ。そのたびに痛みが走る。「ちょっと休憩しましょう」と責任者が言ってくれて、本当だったら怒るところなのにもう一時間も経っている。弁当がなくなってしまう心配の方が優先だ。責任者風が部屋を去るのと同時に俺は地下のコンビニに向う。だが今日は土曜日で仕入れ量が少ないのか、既に買い漁られてしまったのか、食品棚に残っているのはお握りとサンドイッチのみ。くそっと毒づいてしまう。部屋に戻って何気なくテレビをつけたら「有吉さんぽ」で白金を特集していて、そこに以前行きつけだったトンカツ屋を紹介していた。タレントたちは本当に美味しそうに知り合いの店主が揚げたトンカツと牛カツを食べている。普通ならいい加減に見てしまうのに食い入るように見入ってしまう。そのことをメールをくれたNに愚痴ったら、差し入れに行くよと言ってくれたけど、お楽しみは独房から釈放されてからだと断わる。N、トンカツだよ、トンカツ。トンカツを食べに行こうぜ。
〇トンカツ、ちょっと待った。このブログで俺は最初ニンニクを一杯使った和牛ステーキが食べたいと言っていたので、妹がロスに帰る前に冷凍庫に和牛ステーキを入れておいたよと電話してきたのをすっかり忘れてた。和牛ステーキVSトンカツ。やっぱりステーキか?


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 2022・9・2 | トップ | 2022・9・4 »

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事