マスクをするとメガネが曇るから、道を歩いている時はマスクを鼻にあてず、口だけにすることにしている。そんな時、すれ違うオバサンやオジサンが露骨に嫌な視線を向けることがある。「マスク警察です。口だけマスク罪で逮捕しますよ」と言わんばかりだ。でも、多くの医学関係者が証言している。マスクは口からの飛沫を防ぐ為にするもので、鼻からはくしゃみする時以外飛沫はとばないし、ただすれ違うだけだったら他人にとやかく言われる筋合いはないと。もしも道端でマスク警察が本当にいいがかりをつけてきたら、今の理屈で反論しようと思っていたのだが、今日いよいよそのときがやってきた。広尾のスーパーに入ろうとしたら入り口で店員に「お客様、マスクは鼻までお願いします」と言われてしまったのだ。いつもの俺だったらカッと血が上って言い返していた筈だ。でも、やはり母親が入院中だと思うと何となく騒ぎを起こすのを躊躇ってしまう俺がいた。昨日は土曜日、今日は日曜日。病院から何の連絡がなくても仕方無いかもしれないけど、面会が出来ないとなると、家族は何をしていたらいいのか分からない。ただただ歩くだけか?ただただ食事を作って食べているしかないのか?今日も5時から時短営業をするが、ノーゲスト。8時前に五階に上がって「麒麟が来る」(脚本・池端俊策)を見る。俳優と俳優のぶつかりあいが舞台以上の迫力だ★何度も営業時間を変更して恐縮ですが、政府の緊急事態宣言が発令されたので、ジャージャンも解除されるまで17時から20時(19時ラストオーダー)までの営業とさせていただきます。
今どき何の病気でも入院する人はどんなに心細いだろうと、母の入院で思い知る。コロナ感染の恐れから家族でも面会することが出来ないのだ。母の場合、それにスマホ問題が加わる。個室だし、スマホさえあれば電話やメールが出来るから少しは寂しさを紛らわせることが出来る筈と思っていたけど、スマホを何故か持ち込み禁止にされて俺が持ち帰ってしまったからそれも不可能だ。尤も持っていたとしてもメールは出来ないし、電話も出ることが出来なくなっていたから、意味がないことはないんだが、それにしても全ての接触を絶たれて母は今、牢獄にいるような気持ちになっているのではないかと心配する。だからと言って、部屋の中でじっと母のことだけを心配して蹲っている訳ではない。病院からいつ連絡があるか分からないから遠方にはいけないけど、昨日と同じ様に朝からちゃんと食事(肉じゃが、卵の黄身入り納豆、海苔、小松菜のき味噌汁)をしてから街を歩きながら芝居の構想を練る。この時期、マスクをしたままの無言劇をしようと思っていたのだけど、昔のアングラみたいになってしまうので今一つ乗れない。やっぱり最初に閃いた艶笑コメディの方が観客の心を和ませるのではないかと思ったりしながら歩いていたら、いつの間にか恵比寿ガーデンヒルズまできていて、ちょうど今日から始まるカトリーヌ・ドヌーヴ主演の「ハッピーバースデー」(Sカーン脚本監督)の上映時間だったので見ていこうか思ったけど、かけているメガネがパソコン用で、字幕を見るのがしんどいので諦める。でも、一度映画を見たいと思った気持ちは治まらず、隣にある東京都写真美術館でやっていた「アイヌモシリ」(脚本監督・福永壮志)を見ることにする。上映時間までに一時間弱あったので、上の階でやっていた「日本初期写真史」を覗く。明治維新前後に外国人によって撮られた東京と横浜の人物と街の風景は何とも愛おしい。続いてみた「アイヌモシリ」は自分がアイヌ民族に持っているイメージを一新させる。すっかり本土に一体化したイメージを持っていたが、彼らが執拗に継承していく文化の奥深さに圧倒された。映画終了後ガーデンプレイスから歩いて目黒駅に向かう。途中酒の専門店Sでベネゼエラとパナマのラムなど、駅地下のアトレですき焼き用の牛肉などを仕入れて帰宅。時短営業の準備をするが、今日はノーゲスト。そして病院からは連絡なし。10時前就寝★何度も営業時間を変更して恐縮ですが、政府の緊急事態宣言が発令されたので、ジャージャンも解除されるまで17時から20時(19時ラストオーダー)までの営業とさせていただきます。