【アメリカを読む】FB解体論に「闘争宣言」 ザッカーバーグ氏の音声流出
https://www.sankei.com/premium/news/191016/prm1910160007-n1.html
米交流サイト(SNS)大手フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が、社員向け会合で発言した音声データが流出し、釈明に回る事態となった。音声データは、巨大IT企業の解体を持論とするエリザベス・ウォーレン上院議員が大統領選挙で当選すれば、訴訟も辞さないとするザッカーバーグ氏の「闘争宣言」を収録。企業の存立を脅かす危機には徹底抗戦する姿勢をあらわにした。
発端は10月1日、米ネットメディア「バージ」の報道だ。ザッカーバーグ氏が7月の社員向け非公開会合で語った音声データを入手したバージは、「公開の場で使う言葉より率直な」同氏の発言を伝えた。
「もし彼女が当選すれば当然、法的闘争に出る。そして勝利する」
そう話したザッカーバーグ氏が対抗心を示した「彼女」とは、民主党左派で大統領選の有力候補、ウォーレン氏だ。同氏は「GAFA(ガーファ)」と呼ばれる米IT大手による市場支配を問題視し、フェイスブックや米検索大手グーグルなどの「企業解体」を持論としている。
ザッカーバーグ氏は「サイテーだよ。そりゃ、自分たちの政府を訴えたくない」と述べつつ、「誰かが生存を脅かそうとするなら、マットに出て闘う」と対決姿勢を強調した。
フェイスブックは7月、個人情報保護の大量流出問題をめぐり、米連邦取引委員会(FTC)から50億ドル(約5400億円)の制裁金を科されることに同意。当時は政府や議会内でも、次第にIT大手を規制するルール強化を支持する声が強まっていた。
強気の闘争宣言は、次第に外堀が狭まる中、しばしば「帝国」と呼ばれる自社でのリーダーシップを誇示して社内の引き締めを図ったようにも映る。
ウォーレン氏は報道にすぐに反応した。ツイッターへの投稿で「本当に『サイテー』なのは、フェイスブックのような巨大ITが、違法な反競争的行為に加担し、民主主義を守る責務をおろそかに扱うことだ」と指摘した。