万葉仮名、上代仮名、借字法
万葉仮名は万葉集に用いられていた表記行動のひとつをさして日本語の歌をどのように日本語発音で表そうとしたか、その文字のことである。
万葉時代と緩やかにとらえれば時代をおおって上代仮名遣いともなる。
その場合は作品に現われた日本の歌謡を書き記す漢字借字による表記法の現れだ。
万葉集作成と似たような現象であるが時代的には仮名文字が崩し字で書かれるようになって軌を一にしてカタカナが書き記されて、万葉仮名はその役目を引き継いで移り変わることになる。
上代仮名はその文字づかいに共通した現象があって限られた文献あるいはその日本語の歌謡にみえる。
それは上代特殊仮名遣いと呼ばれた。
ここで上代仮名遣いという名称と上代特殊仮名遣いの、上代という時代のずれが辞書解説によってある。文字づかいを時代に広くとって古代とでもすればわかりよい。古代を上代と中古にわければ、上代仮名は上代で行われた文字づかい、崩し字のカナとしてそれを中古で用いていたということだろうけれど、上代特殊仮名遣いは上代文学の限られた日本語歌謡を表記する言語現象を示している。
名称は国語学者、橋本進吉の論文「上代の文献に存する特殊の仮名遣と当時の語法」に由来する。
>じょうだい-がな じやう― 3 【上代《仮名》】
平安時代に用いられた、漢字の草体に似た仮名。
>大辞林 第三版の解説
じょうだいがな【上代仮名】
平安時代に用いられた,漢字の草体に似た仮名。
>大辞林
じょうだいとくしゅかなづかい[じやう―かなづかひ] 16 【上代特殊《仮名》遣い】
上代の万葉仮名を用いた文献に見られる仮名の使い分けをいう。平安時代以降同音となったキヒミケヘメコソトノヨロ(古事記ではモも)とその濁音、およびア行・ヤ行のエが、発音の違いを反映して二類に書き分けられているもの。エを除き、二類の書き分けを甲類・乙類と呼ぶ。
>大辞泉
じょうだい‐とくしゅかなづかい〔ジヤウダイトクシユかなづかひ〕【上代特殊仮名遣い】
奈良時代およびそれ以前の万葉仮名文献において、エキケコソトノヒヘミメヨロ(古事記ではモも)およびその濁音の合計20(あるいは21)の音節の万葉仮名による表記に、2類の使い分けがあること。このうちエはア行・ヤ行の別であるが、エ以外についてはそれぞれの発音に2種の別があるとされ、その書き分けを一般に甲類・乙類と称する。江戸時代に本居宣長が気づき、その弟子の石塚竜麿によって実例の収集整理が行われたが、近代になって橋本進吉の研究により、しだいにその本質が明らかにされるに至った。
じょう‐だい〔ジヤウ‐〕【上代】
1 おおむかし。古代。上古。
2 日本史、特に文学史での時代区分の一。主として奈良時代をさす。
じょうだいかよう【上代歌謡】
古事記・日本書紀・風土記など、上代の文献に収められている歌謡。なお、万葉集にも歌謡的性格の歌は多い。
じょうだいご【上代語】
上代の言語、また、単語。国語史では、文献的に資料の得られる6世紀末から奈良時代までのそれをいう。
じょうだいぶんがく【上代文学】
古代文学のうち、太古から奈良時代までの文学。古事記・日本書紀・風土記などにみえる神話・伝説・歌謡などの口承文学から、万葉集・祝詞(のりと)・宣命などの記載文学まで、種々の形態がある。
上代特殊かなづかい
www.geocities.jp/yasuko8787/z186.htm
2 山上憶良の正体. 上代特殊かなづかい 「モ」の使い分けの謎 「母」と「毛」の秘密 · 万葉仮名「阿礼」と「安礼」 還俗した ... 上代特殊かなづかい. 仮名が発明されるまでのある期間、わが国では漢字を仮名のように使っていた。それが万葉仮名である。ところが、 ...
>上代特殊かなづかい
仮名が発明されるまでのある期間、わが国では漢字を仮名のように使っていた。それが万葉仮名である。ところが、その漢字の使い方を調べてみると、たとえぱ、『万葉集』で「キ」を表すために使われている漢字は、次のように、甲類と乙類に分かれるという。
甲類 (音)支・伎・岐・妓・吉・企・枳・棄 (訓)寸・杵
乙類 (音)貴・紀・記・奇・寄・綺・騎・忌・幾 (訓)木・樹・城
(『必携万葉集要覧』桜井満編集 桜楓社)
この分類によると、たとえぱ「雪」の「キ」には甲類の漢字を便い、乙類の漢字は決して使わない。これに対して、たとえば「月」の「キ」には乙類の漢字を用い、申類の漢字は決して用いないという法則があるというのである。
このような区別は、平安時代以降同音となった一三音=「キ・ヒ・ミ・ケ・ヘ・メ・コ・ソ・ト・ノ・モ・ヨ・ロ」(「モ」は『古事記』のみ)とその濁音、およぴア行の「エ」とヤ行の「エ」の間に見られるという。そして、この法則を「上代特殊かなづかい」と呼んでいる。
デジタル大辞泉の解説
しゃく‐じ 【借字】
漢字のもつ意義にかかわらず、その音や訓を借用して書き表す方法。万葉仮名や梵語(ぼんご)の音訳など。
かり‐じ 【借(り)字】
「当て字」に同じ。
大辞林 第三版の解説
しゃくじ【借字】
漢字の本来の意義と関係なくその音または訓を借りて,表記したもの。また,そのような用字法。万葉仮名や梵語の音訳字などの類。
→ 当て字
万葉仮名 - Wikipedia
ja.wikipedia.org/wiki/万葉仮名
万葉仮名(まんようがな)は、主として上代に日本語を表記するために漢字の音を借用して用いられた文字のことである。『萬葉集』(万葉集)での表記に代表されるため、この名前がある。真仮名(まがな)、真名仮名(まながな)、男仮名、借字ともいう。仮借の一種 ...
概要 - 万葉仮名の歴史 - 種類 - 注
しゃくじ【借字】の意味 - 国語辞書 - goo辞書
dictionary.goo.ne.jp › 国語辞書
しゃくじ【借字】とは。意味や解説。漢字のもつ意義にかかわらず、その音や訓を借用して書き表す方法。万葉仮名や梵語(ぼんご)の音訳など。 - goo辞書は国語、英和、和英、中国語、百科事典等からまとめて探せる辞書検索サービスです。
借字とは - 「借字」の意味ならWeblio辞書
www.weblio.jp › 同じ種類の言葉 › 言葉 › 言葉 › 字
借字と同じ種類の言葉 ... 氏の太郎だった故、田原藤太といいしを、借字して俵と書くようになって、俵の字を解かんとて竜宮入りの譚を誰かが作り出したであろうと、 馬琴 ( ばきん ) が説いたは、 ... 俗字攷・俗文攷・借字攷 (1972年) 鮎貝 房之進 国書刊行会 ...
万葉仮名は万葉集に用いられていた表記行動のひとつをさして日本語の歌をどのように日本語発音で表そうとしたか、その文字のことである。
万葉時代と緩やかにとらえれば時代をおおって上代仮名遣いともなる。
その場合は作品に現われた日本の歌謡を書き記す漢字借字による表記法の現れだ。
万葉集作成と似たような現象であるが時代的には仮名文字が崩し字で書かれるようになって軌を一にしてカタカナが書き記されて、万葉仮名はその役目を引き継いで移り変わることになる。
上代仮名はその文字づかいに共通した現象があって限られた文献あるいはその日本語の歌謡にみえる。
それは上代特殊仮名遣いと呼ばれた。
ここで上代仮名遣いという名称と上代特殊仮名遣いの、上代という時代のずれが辞書解説によってある。文字づかいを時代に広くとって古代とでもすればわかりよい。古代を上代と中古にわければ、上代仮名は上代で行われた文字づかい、崩し字のカナとしてそれを中古で用いていたということだろうけれど、上代特殊仮名遣いは上代文学の限られた日本語歌謡を表記する言語現象を示している。
名称は国語学者、橋本進吉の論文「上代の文献に存する特殊の仮名遣と当時の語法」に由来する。
>じょうだい-がな じやう― 3 【上代《仮名》】
平安時代に用いられた、漢字の草体に似た仮名。
>大辞林 第三版の解説
じょうだいがな【上代仮名】
平安時代に用いられた,漢字の草体に似た仮名。
>大辞林
じょうだいとくしゅかなづかい[じやう―かなづかひ] 16 【上代特殊《仮名》遣い】
上代の万葉仮名を用いた文献に見られる仮名の使い分けをいう。平安時代以降同音となったキヒミケヘメコソトノヨロ(古事記ではモも)とその濁音、およびア行・ヤ行のエが、発音の違いを反映して二類に書き分けられているもの。エを除き、二類の書き分けを甲類・乙類と呼ぶ。
>大辞泉
じょうだい‐とくしゅかなづかい〔ジヤウダイトクシユかなづかひ〕【上代特殊仮名遣い】
奈良時代およびそれ以前の万葉仮名文献において、エキケコソトノヒヘミメヨロ(古事記ではモも)およびその濁音の合計20(あるいは21)の音節の万葉仮名による表記に、2類の使い分けがあること。このうちエはア行・ヤ行の別であるが、エ以外についてはそれぞれの発音に2種の別があるとされ、その書き分けを一般に甲類・乙類と称する。江戸時代に本居宣長が気づき、その弟子の石塚竜麿によって実例の収集整理が行われたが、近代になって橋本進吉の研究により、しだいにその本質が明らかにされるに至った。
じょう‐だい〔ジヤウ‐〕【上代】
1 おおむかし。古代。上古。
2 日本史、特に文学史での時代区分の一。主として奈良時代をさす。
じょうだいかよう【上代歌謡】
古事記・日本書紀・風土記など、上代の文献に収められている歌謡。なお、万葉集にも歌謡的性格の歌は多い。
じょうだいご【上代語】
上代の言語、また、単語。国語史では、文献的に資料の得られる6世紀末から奈良時代までのそれをいう。
じょうだいぶんがく【上代文学】
古代文学のうち、太古から奈良時代までの文学。古事記・日本書紀・風土記などにみえる神話・伝説・歌謡などの口承文学から、万葉集・祝詞(のりと)・宣命などの記載文学まで、種々の形態がある。
上代特殊かなづかい
www.geocities.jp/yasuko8787/z186.htm
2 山上憶良の正体. 上代特殊かなづかい 「モ」の使い分けの謎 「母」と「毛」の秘密 · 万葉仮名「阿礼」と「安礼」 還俗した ... 上代特殊かなづかい. 仮名が発明されるまでのある期間、わが国では漢字を仮名のように使っていた。それが万葉仮名である。ところが、 ...
>上代特殊かなづかい
仮名が発明されるまでのある期間、わが国では漢字を仮名のように使っていた。それが万葉仮名である。ところが、その漢字の使い方を調べてみると、たとえぱ、『万葉集』で「キ」を表すために使われている漢字は、次のように、甲類と乙類に分かれるという。
甲類 (音)支・伎・岐・妓・吉・企・枳・棄 (訓)寸・杵
乙類 (音)貴・紀・記・奇・寄・綺・騎・忌・幾 (訓)木・樹・城
(『必携万葉集要覧』桜井満編集 桜楓社)
この分類によると、たとえぱ「雪」の「キ」には甲類の漢字を便い、乙類の漢字は決して使わない。これに対して、たとえば「月」の「キ」には乙類の漢字を用い、申類の漢字は決して用いないという法則があるというのである。
このような区別は、平安時代以降同音となった一三音=「キ・ヒ・ミ・ケ・ヘ・メ・コ・ソ・ト・ノ・モ・ヨ・ロ」(「モ」は『古事記』のみ)とその濁音、およぴア行の「エ」とヤ行の「エ」の間に見られるという。そして、この法則を「上代特殊かなづかい」と呼んでいる。
デジタル大辞泉の解説
しゃく‐じ 【借字】
漢字のもつ意義にかかわらず、その音や訓を借用して書き表す方法。万葉仮名や梵語(ぼんご)の音訳など。
かり‐じ 【借(り)字】
「当て字」に同じ。
大辞林 第三版の解説
しゃくじ【借字】
漢字の本来の意義と関係なくその音または訓を借りて,表記したもの。また,そのような用字法。万葉仮名や梵語の音訳字などの類。
→ 当て字
万葉仮名 - Wikipedia
ja.wikipedia.org/wiki/万葉仮名
万葉仮名(まんようがな)は、主として上代に日本語を表記するために漢字の音を借用して用いられた文字のことである。『萬葉集』(万葉集)での表記に代表されるため、この名前がある。真仮名(まがな)、真名仮名(まながな)、男仮名、借字ともいう。仮借の一種 ...
概要 - 万葉仮名の歴史 - 種類 - 注
しゃくじ【借字】の意味 - 国語辞書 - goo辞書
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しゃくじ【借字】とは。意味や解説。漢字のもつ意義にかかわらず、その音や訓を借用して書き表す方法。万葉仮名や梵語(ぼんご)の音訳など。 - goo辞書は国語、英和、和英、中国語、百科事典等からまとめて探せる辞書検索サービスです。
借字とは - 「借字」の意味ならWeblio辞書
www.weblio.jp › 同じ種類の言葉 › 言葉 › 言葉 › 字
借字と同じ種類の言葉 ... 氏の太郎だった故、田原藤太といいしを、借字して俵と書くようになって、俵の字を解かんとて竜宮入りの譚を誰かが作り出したであろうと、 馬琴 ( ばきん ) が説いたは、 ... 俗字攷・俗文攷・借字攷 (1972年) 鮎貝 房之進 国書刊行会 ...