仕合せ、仕合わせ、こう書いていたら、このようにも書く言葉と知った、という、声があった。
し合わす、為合、と説明がある。
それをまた、幸せ、幸、倖せ、と、書くのが普通である。
あるいは、幸福、と、表記して、しあわせ、と読む。
幸字について、幸の義はおそらく倖、僥倖にして免れる意であろう、のち幸福の意となり、それをねがう意となり、行幸・侍幸・幸愛の意となるが、みな倖字の意であろう、と、字通は説明している。
訓義に、倖と通じ、さいわい、こいねがう、めぐむ、したしむ、みゆき、いでまし、と見える。
さて、倖せは、めぐりあわせのことである。
それをよい場合に使うのは、後世のこと、文字づかいが漢字によって意味する内容を表して、幸せとなった。
そなたは仕合な人じゃ、という用例を見ると、中世のこの狂言の台詞に、いまも通じる意味があるようである。
しあわす、は、為合、仕合として、する 、あわす、の事であるから、うまくはからって、ふさわしい状態になるようにする、合うようにする、つじつまをあわせる、うまくやりおおせる、間に合わせる、という意味内容を持って用いられていた。
また、不幸の意味に用いる、しあわす、という例もある。
幸字を検索してみる。
8. さい‐わい[:はひ]【幸】 日本国語大辞典
(「さきわい」の変化した語)【一】〔名〕(1)(形動)神仏など他が与えてくれたと考えられる、自分にとって非常に望ましく、またしあわせに感じられる状態。運のよいこ ...
9. さき【幸】 デジタル大辞泉
幸福。さち。 「ますらをの心思ほゆ大君の命(みこと)の―を聞けば貴み」〈万・四〇九五〉 ...
10. さき【幸】 日本国語大辞典
〔名〕さいわい。幸福。さち。*万葉集〔8C後〕一八・四〇九五「大夫(ますらを)の心思ほゆ大君の御言(みこと)の佐吉(サキ)を聞けば貴み〈大伴家持〉」*和訓栞〔1 ...
11. さき‐く【幸】 日本国語大辞典
〔副〕さいわいに。無事に。変わりなく。つつがなく。旅立つ人の無事を祈っていう例が多い。*日本書紀〔720〕神代下(兼方本訓)「爾(いまし)、皇孫、就(い)てまし ...
12. さき‐わい[:はひ]【幸】 日本国語大辞典
〔名〕幸運にあうこと。さいわい。幸福。さちわい。*仏足石歌〔753頃〕「佐伎波比(サキハヒ)の厚き輩(ともがら)参到(まゐた)りて正目(まさめ)に見けむ」*万葉 ...
13. さく【幸】 日本国語大辞典
〔副〕「さきく(幸)」の上代東国方言。*万葉集〔8C後〕二〇・四三四六「父母が頭(かしら)かき撫で佐久(サク)あれていひし言葉(けとば)ぜ忘れかねつる〈丈部稲麻 ...
14. さけく【幸】 日本国語大辞典
〔副〕「さきく(幸)」の上代東国方言。*万葉集〔8C後〕二〇・四三六八「久慈川は佐気久(サケク)あり待て潮船に真梶(まかぢ)繁(しじ)抜き我(わ)は帰りこむ〈丸 ...
15. さち【幸】
1 海や山でとれる食物。獲物。収穫。「海の―、山の―」 2 しあわせ。幸福。さいわい。「―あれと祈る」 3 獲物をとる道具。また、それがもつ霊力。 「各(おのお ...
16. さち【幸】 日本国語大辞典
〔名〕(1)獲物をとるための道具。また、その道具のもつ霊力。*古事記〔712〕上「火遠理命、其の兄火照命に、各佐知(サチ)を相易へて用ゐむと謂ひて」*日本書紀〔 ...
し‐あわ・す[:あはす] 【為合・仕合】
解説・用例
〔他サ下二〕
(「し」は、サ変動詞「する」の連用形)
(1)うまくはからって、ふさわしい状態になるようにする。合うようにする。つじつまをあわせる。うまくやりおおせる。間に合わせる。
*古本説話集〔1130頃か〕四七「さらば多くの物ども損じて、今日の供養にしあはすべきにあらず、いかにせん」
*太平記〔14C後〕二三・就直義病悩上皇御願書事「只時節よくし合せられたる願書也」
*御伽草子・猿源氏草紙〔室町末〕「さても宇都宮はよくもしあはせたるものかな。さりながら夕さり蛍火来るべし」
*颶風新話(航海夜話)〔1857〕初・二「よく差図して下されたので、大きに仕合せたが」
*貧乏物語〔1916〕〈河上肇〉一二・二「米も沢山出来れば自から米価も下落するが、併し其と同時に他の生活必要品も凡て下落するのであるから、米を買うて居る人々が仕合はすと同時に、米を売る農家の方も更に差支ない訳である」
(2)二つの物や事柄をぴったり合うようにする。
*栄花物語〔1028〜92頃〕音楽「かくて乱声(らんじゃう)をさへしあはせたれば、いとどいみじくおどろおどろしく」
*連理秘抄〔1349〕「おのづからしあはせて点などあれども、新しき物とは見えず、当座の感もなし」
*京大本湯山聯句鈔〔1504〕下「二人の心が、ちやうどふたとはことのあうたやうに、すきまもなく〈略〉あきまもなくし合たやうにあいかのうたぞ」
*日葡辞書〔1603〜04〕「ウラト ヲモテヲ xiauasuru (シアワスル)〈訳〉うら地を着るものに合わせて裁断する」
日本国語大辞典
し‐あわせ[:あはせ] 【仕合・幸】
解説・用例
〔名〕
(「しあわす(為合)」の連用形の名詞化)
(1)めぐり合わせ。運命。なりゆき。機会。よい場合にも、悪い場合にも用いる。
*雑事覚悟事〔1489頃か〕「もろひざをつきてもくるしからず。当座のしあわせによるべし」
*中華若木詩抄〔1520頃〕上「わかき時は、学問して、功名を立んと思たれば、何とやらん、しあわせわるうて」
*御伽草子・猿源氏草紙〔室町末〕「近きうちに、在京あるべきよし聞きてあれば、よきしやわせなり」
*天草本伊曾保物語〔1593〕狼と子を持った女の事「ヲウカメワ コレヲ キキ、マコトカト ヲモウテ、アッパレ コレワ ヨイ xiauaxecanato (シアワセカナト) マチカマエテ イレバ」
*虎明本狂言・鈍太郎〔室町末〜近世初〕「しあはせもようてのぼった、はやふあけさしめ」
*仮名草子・身の鏡〔1659〕中「我としたしかりし友も、何とぞ仕合(シアワセ)あしうして、家まづしくなれば」
*浮世草子・好色盛衰記〔1688〕一・五「けふは鰒汁(ふくじる)して死ば其身の仕合(シアハセ)なり」
*伊蘇普物語〔1873〕〈渡部温訳〉八二「かく驢馬は主がへをする度毎に、段々造化(シアハセ)が悪くなり骨の折れかたもましたれば」
*尋常小学読本〔1887〕〈文部省〉六「かくの如きよき子を持ちて、学問をさせ、終に、よき仕合になりたる老母の心は、いかばかり嬉しかりしことならん」
(2)幸運であること。また、そのさま。
(イ)(形動)運がよいこと。また、そのさま。幸福。
*虎明本狂言・末広がり〔室町末〜近世初〕「『そなたは仕合な人じゃ』〈略〉『それは誠に仕合でござる』」
*浮世草子・西鶴織留〔1694〕六・三「く〓ほうなる耳付、仕合のそなはりし目の中」
*滑稽本・浮世床〔1813〜23〕二・下「八百屋の娘のお柚(ゆず)は仕合(シアハセ)な者だ」
*浮雲〔1887〜89〕〈二葉亭四迷〉三・一八「お政はまた人の幸福(シアハセ)をいひだして羨やむので、お勢は最早勘弁がならず」
*雁〔1911〜13〕〈森鴎外〉一一「若し身に為合(シアハ)せが向いて来たら」
(ロ)(─する)幸運にめぐりあうこと。運が向くこと。うまい具合にいくこと。
*咄本・軽口露がはなし〔1691〕四・一「されば今年程無仕合なる事はなし。〈略〉来年は仕合して結講申べし」
*俳諧・奥の細道〔1693〜94頃〕尿前の関「此みち必不用の事有。恙なうをくりまいらせて、仕合したり」
*浄瑠璃・博多小女郎波枕〔1718〕中「もとでなければ商売もはかどらず〈略〉古郷力に惣七めが西国通ひ致せ共、仕合したとの便もなく」
*人情本・英対暖語〔1838〕初・三回「一勝負やって見て、仕合(シアハセ)したら借銭も、片付てと思ひの外に」
(3)物事のやり方、または、いきさつ。事の次第。始末。
*玉塵抄〔1563〕二二「多宝の塔はつねのにかわりてしあわせ大事なと云たぞ」
*浮世草子・好色一代男〔1682〕四・一「其科のがれず、終には捕えられて此仕合(シアハセ)とかたる」
*随筆・異本洞房語園〔1720〕下「両人にて一人の相手を取留ぬ事言語同断の仕合と御叱りありし由」
*歌舞伎・霊験曾我籬〔1809〕三幕「刀の穢れと思へども、往来の人の為にもと、かかる仕合(シアハ)せ」
(4)人が死ぬこと。不幸、葬式。
*梅津政景日記‐慶長一七年〔1612〕七月一一日「左衛門殿御袋御仕合に付而、上隠岐同道いたし、湯沢へ罷越、日帰りいたし候」
デジタル大辞泉
し‐あわせ 〔‐あはせ〕 【幸せ/仕合(わ)せ/×倖せ】
[名・形動]《動詞「しあ(為合)わす」の連用形から》
1 運がよいこと。また、そのさま。幸福。幸運。「思わぬ―が舞い込む」「―な家庭」「末永くお―にお暮らしください」
2 めぐり合わせ。運命。「―が悪い」
「道がわかんねえで困ってると、―よく水車番に会ったから」〈有島・生れ出づる悩み〉
3 運がよくなること。うまい具合にいくこと。
「―したとの便りもなく」〈浄・博多小女郎〉
4 物事のやり方。また、事の次第。
「その科(とが)のがれず、終(つひ)には捕へられて此の―」〈浮・一代男・四〉
し合わす、為合、と説明がある。
それをまた、幸せ、幸、倖せ、と、書くのが普通である。
あるいは、幸福、と、表記して、しあわせ、と読む。
幸字について、幸の義はおそらく倖、僥倖にして免れる意であろう、のち幸福の意となり、それをねがう意となり、行幸・侍幸・幸愛の意となるが、みな倖字の意であろう、と、字通は説明している。
訓義に、倖と通じ、さいわい、こいねがう、めぐむ、したしむ、みゆき、いでまし、と見える。
さて、倖せは、めぐりあわせのことである。
それをよい場合に使うのは、後世のこと、文字づかいが漢字によって意味する内容を表して、幸せとなった。
そなたは仕合な人じゃ、という用例を見ると、中世のこの狂言の台詞に、いまも通じる意味があるようである。
しあわす、は、為合、仕合として、する 、あわす、の事であるから、うまくはからって、ふさわしい状態になるようにする、合うようにする、つじつまをあわせる、うまくやりおおせる、間に合わせる、という意味内容を持って用いられていた。
また、不幸の意味に用いる、しあわす、という例もある。
幸字を検索してみる。
8. さい‐わい[:はひ]【幸】 日本国語大辞典
(「さきわい」の変化した語)【一】〔名〕(1)(形動)神仏など他が与えてくれたと考えられる、自分にとって非常に望ましく、またしあわせに感じられる状態。運のよいこ ...
9. さき【幸】 デジタル大辞泉
幸福。さち。 「ますらをの心思ほゆ大君の命(みこと)の―を聞けば貴み」〈万・四〇九五〉 ...
10. さき【幸】 日本国語大辞典
〔名〕さいわい。幸福。さち。*万葉集〔8C後〕一八・四〇九五「大夫(ますらを)の心思ほゆ大君の御言(みこと)の佐吉(サキ)を聞けば貴み〈大伴家持〉」*和訓栞〔1 ...
11. さき‐く【幸】 日本国語大辞典
〔副〕さいわいに。無事に。変わりなく。つつがなく。旅立つ人の無事を祈っていう例が多い。*日本書紀〔720〕神代下(兼方本訓)「爾(いまし)、皇孫、就(い)てまし ...
12. さき‐わい[:はひ]【幸】 日本国語大辞典
〔名〕幸運にあうこと。さいわい。幸福。さちわい。*仏足石歌〔753頃〕「佐伎波比(サキハヒ)の厚き輩(ともがら)参到(まゐた)りて正目(まさめ)に見けむ」*万葉 ...
13. さく【幸】 日本国語大辞典
〔副〕「さきく(幸)」の上代東国方言。*万葉集〔8C後〕二〇・四三四六「父母が頭(かしら)かき撫で佐久(サク)あれていひし言葉(けとば)ぜ忘れかねつる〈丈部稲麻 ...
14. さけく【幸】 日本国語大辞典
〔副〕「さきく(幸)」の上代東国方言。*万葉集〔8C後〕二〇・四三六八「久慈川は佐気久(サケク)あり待て潮船に真梶(まかぢ)繁(しじ)抜き我(わ)は帰りこむ〈丸 ...
15. さち【幸】
1 海や山でとれる食物。獲物。収穫。「海の―、山の―」 2 しあわせ。幸福。さいわい。「―あれと祈る」 3 獲物をとる道具。また、それがもつ霊力。 「各(おのお ...
16. さち【幸】 日本国語大辞典
〔名〕(1)獲物をとるための道具。また、その道具のもつ霊力。*古事記〔712〕上「火遠理命、其の兄火照命に、各佐知(サチ)を相易へて用ゐむと謂ひて」*日本書紀〔 ...
し‐あわ・す[:あはす] 【為合・仕合】
解説・用例
〔他サ下二〕
(「し」は、サ変動詞「する」の連用形)
(1)うまくはからって、ふさわしい状態になるようにする。合うようにする。つじつまをあわせる。うまくやりおおせる。間に合わせる。
*古本説話集〔1130頃か〕四七「さらば多くの物ども損じて、今日の供養にしあはすべきにあらず、いかにせん」
*太平記〔14C後〕二三・就直義病悩上皇御願書事「只時節よくし合せられたる願書也」
*御伽草子・猿源氏草紙〔室町末〕「さても宇都宮はよくもしあはせたるものかな。さりながら夕さり蛍火来るべし」
*颶風新話(航海夜話)〔1857〕初・二「よく差図して下されたので、大きに仕合せたが」
*貧乏物語〔1916〕〈河上肇〉一二・二「米も沢山出来れば自から米価も下落するが、併し其と同時に他の生活必要品も凡て下落するのであるから、米を買うて居る人々が仕合はすと同時に、米を売る農家の方も更に差支ない訳である」
(2)二つの物や事柄をぴったり合うようにする。
*栄花物語〔1028〜92頃〕音楽「かくて乱声(らんじゃう)をさへしあはせたれば、いとどいみじくおどろおどろしく」
*連理秘抄〔1349〕「おのづからしあはせて点などあれども、新しき物とは見えず、当座の感もなし」
*京大本湯山聯句鈔〔1504〕下「二人の心が、ちやうどふたとはことのあうたやうに、すきまもなく〈略〉あきまもなくし合たやうにあいかのうたぞ」
*日葡辞書〔1603〜04〕「ウラト ヲモテヲ xiauasuru (シアワスル)〈訳〉うら地を着るものに合わせて裁断する」
日本国語大辞典
し‐あわせ[:あはせ] 【仕合・幸】
解説・用例
〔名〕
(「しあわす(為合)」の連用形の名詞化)
(1)めぐり合わせ。運命。なりゆき。機会。よい場合にも、悪い場合にも用いる。
*雑事覚悟事〔1489頃か〕「もろひざをつきてもくるしからず。当座のしあわせによるべし」
*中華若木詩抄〔1520頃〕上「わかき時は、学問して、功名を立んと思たれば、何とやらん、しあわせわるうて」
*御伽草子・猿源氏草紙〔室町末〕「近きうちに、在京あるべきよし聞きてあれば、よきしやわせなり」
*天草本伊曾保物語〔1593〕狼と子を持った女の事「ヲウカメワ コレヲ キキ、マコトカト ヲモウテ、アッパレ コレワ ヨイ xiauaxecanato (シアワセカナト) マチカマエテ イレバ」
*虎明本狂言・鈍太郎〔室町末〜近世初〕「しあはせもようてのぼった、はやふあけさしめ」
*仮名草子・身の鏡〔1659〕中「我としたしかりし友も、何とぞ仕合(シアワセ)あしうして、家まづしくなれば」
*浮世草子・好色盛衰記〔1688〕一・五「けふは鰒汁(ふくじる)して死ば其身の仕合(シアハセ)なり」
*伊蘇普物語〔1873〕〈渡部温訳〉八二「かく驢馬は主がへをする度毎に、段々造化(シアハセ)が悪くなり骨の折れかたもましたれば」
*尋常小学読本〔1887〕〈文部省〉六「かくの如きよき子を持ちて、学問をさせ、終に、よき仕合になりたる老母の心は、いかばかり嬉しかりしことならん」
(2)幸運であること。また、そのさま。
(イ)(形動)運がよいこと。また、そのさま。幸福。
*虎明本狂言・末広がり〔室町末〜近世初〕「『そなたは仕合な人じゃ』〈略〉『それは誠に仕合でござる』」
*浮世草子・西鶴織留〔1694〕六・三「く〓ほうなる耳付、仕合のそなはりし目の中」
*滑稽本・浮世床〔1813〜23〕二・下「八百屋の娘のお柚(ゆず)は仕合(シアハセ)な者だ」
*浮雲〔1887〜89〕〈二葉亭四迷〉三・一八「お政はまた人の幸福(シアハセ)をいひだして羨やむので、お勢は最早勘弁がならず」
*雁〔1911〜13〕〈森鴎外〉一一「若し身に為合(シアハ)せが向いて来たら」
(ロ)(─する)幸運にめぐりあうこと。運が向くこと。うまい具合にいくこと。
*咄本・軽口露がはなし〔1691〕四・一「されば今年程無仕合なる事はなし。〈略〉来年は仕合して結講申べし」
*俳諧・奥の細道〔1693〜94頃〕尿前の関「此みち必不用の事有。恙なうをくりまいらせて、仕合したり」
*浄瑠璃・博多小女郎波枕〔1718〕中「もとでなければ商売もはかどらず〈略〉古郷力に惣七めが西国通ひ致せ共、仕合したとの便もなく」
*人情本・英対暖語〔1838〕初・三回「一勝負やって見て、仕合(シアハセ)したら借銭も、片付てと思ひの外に」
(3)物事のやり方、または、いきさつ。事の次第。始末。
*玉塵抄〔1563〕二二「多宝の塔はつねのにかわりてしあわせ大事なと云たぞ」
*浮世草子・好色一代男〔1682〕四・一「其科のがれず、終には捕えられて此仕合(シアハセ)とかたる」
*随筆・異本洞房語園〔1720〕下「両人にて一人の相手を取留ぬ事言語同断の仕合と御叱りありし由」
*歌舞伎・霊験曾我籬〔1809〕三幕「刀の穢れと思へども、往来の人の為にもと、かかる仕合(シアハ)せ」
(4)人が死ぬこと。不幸、葬式。
*梅津政景日記‐慶長一七年〔1612〕七月一一日「左衛門殿御袋御仕合に付而、上隠岐同道いたし、湯沢へ罷越、日帰りいたし候」
デジタル大辞泉
し‐あわせ 〔‐あはせ〕 【幸せ/仕合(わ)せ/×倖せ】
[名・形動]《動詞「しあ(為合)わす」の連用形から》
1 運がよいこと。また、そのさま。幸福。幸運。「思わぬ―が舞い込む」「―な家庭」「末永くお―にお暮らしください」
2 めぐり合わせ。運命。「―が悪い」
「道がわかんねえで困ってると、―よく水車番に会ったから」〈有島・生れ出づる悩み〉
3 運がよくなること。うまい具合にいくこと。
「―したとの便りもなく」〈浄・博多小女郎〉
4 物事のやり方。また、事の次第。
「その科(とが)のがれず、終(つひ)には捕へられて此の―」〈浮・一代男・四〉