感染者がどれくらいのウイルスを持つというのか、一人からおおくの人に及ぶ範囲でうつす。新型コロナウイルスは患者1人から平均して2.6~4人に感染するといわれる。
>スーパー・スプレッダー(英: super-spreader)は、感染症を引き起こす病原体に感染したホストのうち、通常考えられる以上の二次感染例を引き起こす者を指す。 スーパー・スプレッダーは、自分以外の多くの人へ感染を拡大させることから、感染症コントロール・感染症疫学上での大きな懸念材料となる。
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新型ウイルスを撒き散らすスーパー・スプレッダーを追いかけろ 「腸チフスのメアリー」が残した教訓とは
木村正人 | 在英国際ジャーナリスト
2/11(火) 16:29
>死者1000人、感染者4万3000人を突破
[ロンドン発]新型コロナウイルス肺炎の死者が中国湖北省を中心に1000人を突破、感染者も4万3000人を超えた問題で、イギリスでは少なくとも11人に感染させた「スーパー・スプレッダー」の存在がクローズアップされています。
>英大衆紙サンによると、イギリスの「スーパー・スプレッダー」はスカウト(ボーイスカウトやガールスカウト)のリーダーだそうです。感染させられた11人の中にはNHS(国民医療サービス)のGP(かかりつけ医)2人も含まれ、GPの診療所は閉鎖されました。
この「スーパー・スプレッダー」は筆者の自宅から徒歩で20分弱の感染症指定病院のセント・トーマス病院で治療を受けています。
>「腸チフスのメアリー」の悲劇
パレートの法則をご存知でしょうか。感染も20:80のルールに従っていると言われています。約2割の個人が感染の8割に関係しているそうです。過去の感染症で最も有名な「スーパー・スプレッダー」は「腸チフスのメアリー」でしょう。
アイルランド女性メアリー・マローン(1869~1938)は単身でニューヨークに移住。大富豪の住み込み料理人として働くようになりましたが、雇い主の家族ら51人が次々と腸チフスに感染。メアリーは保菌者であるという自覚がないまま感染を広げてしまう健康保菌者だったのです。
メアリーは死ぬまで自分が腸チフスに感染しているのに発症しない健康保菌者であることが信じられず、身の不運を嘆き続けました。病院に隔離されたまま生涯を閉じたメアリーの遺体は解剖され、胆嚢から腸チフス菌が検出されました。
「腸チフスのメアリー」は公衆衛生と人権を両立させる難しさを私たちに教えてくれます。「腸チフスのメアリー」は長期にわたって感染を広げましたが、コロナウイルスは1回の接触で多くの人に感染を拡げてしまうようです。
>MERSは1人の入院患者から82人に感染
新型コロナウイルスではイギリスの「スーパー・スプレッダー」のほか、武漢市の武漢大学中南医院で患者1人から10人以上の医療従事者へ感染した例が報告されています。
新型コロナウイルスが見つかるまで、人に感染することが知られているコロナウイルスは6種類しかありませんでした。うち4つは軽度の風邪を引き起こしますが、2002年以降、重度の重症急性呼吸器症候群(SARS)と中東呼吸器症候群(MERS)が出現しました。
英メディアによると、SARSでは治療に当たる病院が主要な感染経路になりました。最も感染を引き起こしやすい患者が多くの医療従事者と接触したからです。感染を確認する前に診察や治療を受ける救急救命部門のリスクが大きいとされています。
MERSでは1人の入院患者が82人の感染を引き起こしたケースが報告されています。韓国ではMERS感染の83.2%が5人の「スーパー・スプレッダー」から広がったそうです。
西アフリカで流行したエボラ出血熱では症例の大部分(61%)がほんのわずかな患者(3%)から感染していました。1つの葬儀から100人に感染していた例もあるそうです。