68 きもい、なぜ、気持ち悪い、か
きもい、気持ちいい、気持ち悪い、こう並べると、きもい、について、きもちいい、から造語したか、どちらの語からか、という疑問があっていいだろう。
説明などに、気持ち悪いの略語とあるように、その意味内容をとらえている。
そうであるなら、同じく説明があるように、1970年代後期に、どのようにこの語が存在したかをたずねることになる。
しかし、それは1990年代後期の流行をたずねることともに困難である。
なぜならば、この語の用法によるところで、この語の誕生にはスラングとしての特徴があると推測されるからである。
キモい、きしょい、キモかわいい、など、その語の使い方を特定することはコミック誌の吹き出しなどに求めることにもなってその流行を追うことになる。
気持ち、という語を、気と持つに分解するように、きも、だけで分解すると、これはもとにあった用法をそのまま、縮約した造語と見られる。つまり、気持ちわるいと言うところを、きもい、としたことによる。
その、気も、ではなくて、キモは、また接頭語として、キモかわいい、のような語を作り出し、気色悪い、という語を、同様の類推で、きしょい、とするのだろう。
この語を載せる辞書もあるようでるが、この語の用法の一つを、キモい、についての、元ネタと検索してみて、その用法の現象をコミック誌に見る思いがする。
なお、名古屋では、きもい、といえば、小さくて似合わないという意味になるそうである。
キモい(きもい) - 日本語俗語辞書
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きもい
きもいとは、気持ち悪いの略。
【年代】 1979年 【種類】 略語
『きもい』の解説
きもいとは気持ち悪いの略で、生理的に気持ち悪いというより、見た目が気持ち悪い場合に使われることが多い。きもいは1970年代後期には既に存在した言葉だが、若者を中心に会話の中での使用頻度が増したのは1990年代後期に入ってからである。きもいはカタカナのキモい、キモイといった表記も使われる。また、きもいの前に語意を強くする『超(ちょー)』をつけ、『超きもい』という形で使われることも多い。類義語に『きしょい』があるが、これは気色悪いからきている言葉できもいよりも強い意味合いがある。