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あかし くらし しろし あおし

2016-11-20 | 語と語彙
色を形容する語に、あかし くらし しろし あおし がある。このことばが、赤い、黒い、白い、青いとなって、今日に至る。明暗と光の反射、透過を表した。日本列島の海洋と、地形による山川に当てはまる表現である。それを京の盆地から眺めているかのような、想像とともにある。色名は漢字の渡来により、色となる。染色技術による色彩は、色名をもって色合いを豊かにした。日本語の和の色と一覧にする。また、虹色として光による赤黄緑青藍紫を学ぶことは、漢語による色名の広がりを編み出した。




http://irononamae.web.fc2.com/colorlist/wa.html

和の色日本の伝統色
表示されている色(RGB値)は色の名前に対するおよそのものです。色名によっては広範囲の色を指す場合や、文献等によっては解釈が異なる場合もあります。ご了承ください。
ご利用の環境によっては、色が適切に表示されていない場合があります。

参照元 : 日本の伝統色(きものと悉皆みなぎ)
http://minagi.p-kit.com/page74767.html



赤 補色は水色

オレンジ 補色はブルー

黄色 補色は紫

グリーン(補色はマゼンタ)

水色( 色はレッド
 
ブルー(補色はオレンジ)
 
紫(補色は黄色)




日本国語大辞典より

語誌 色

(1)その時々に色彩や顔色、様子、恋愛や情事など、さまざまな意味や用法を派生するが、色彩を中核的な原義とすることは、現代まで変わらない。

(2)「万葉集」の「いろ」は赤色系統が多く、中古の韻文では黄色や緑色、紫色系統が加わる。明度や彩度の高い赤を基調としながら、相対性が生じている。散文では赤色系統がさらに減少し、色彩が不明で、不特定な「いろ」が多くなる。もともと花などの自然や事物、また人の容色などの視覚的で華やかな美しさが、しだいに精神的な「心の色」や音声などへと転用されてくる。

(3)漢語の「色」は「色彩」のほか「容色」「情欲」の意味でも用いられるところから、平安朝になって「いろ」が性的情趣の意味を持つようになるのは、漢語の影響と考えられる。恋愛の情趣としての「いろ」は、近世では肉体的な情事やその相手、遊女や遊里の意へと傾いていく。


語誌 あかい

(1)「明(あか)い(明し)」と同源で、もと、光の感覚を示したと考えられる(→「あか(赤)」の語誌)。上代では赤色の意の例は見られない。平安時代には色にも用いるが光の場合と用法の別がない。これは今日でも関西方面の「あかい」が「明るい」の意を持つのにつながる。

語誌 くろい

「くる(暮)」「くろ(黒)」「くらし(暗)」と同源で、「あかし」「あく(明)」「あか」と対応している。赤(あか)と同様、指し示す色の範囲は光量にかかわるものまで含まれ、現在よりは広かったようである。ただし、色彩を表わす「くろし(黒)」は、明暗を表わす「くらし(暗)」と対をなして分化しており、「あをし(青)─あはし(淡)」「しろし(白)─しるし(顕)」と照応するが、対義語である「あかし」が一語のまま明暗をも色彩をも表わすのとは異なる。


>補注 色名で、シロシのように、上代から色名をそのまま形容詞として用いているのは、この外、アカ・アヲ・クロに限られる。


語誌 白

上代から、そのまま形容詞として用いられるほか、複合語を作るときはシラタマ(白玉)、シラナミ(白波)、シラユキ(白雪)のように、母音交替したシラの形をも取る。


>色の名。雪、塩などの色。あらゆる波長にわたる可視光線を一様に反射する物体を見て感じられる色。明るくて特別の色がないと感じられる状態。黒に対する。

青い
>本来は、黒と白との中間の広い色で、おもに青、緑、藍をさす


>色の名。五色の一つ。七色の一つ。三原色の一つ。本来は、黒と白との中間の範囲を示す広い色名で、主に青、緑、藍をさし、時には、黒、白をもさした。「青空」「青海」「青葉」などと他の語と複合して用いることが多い。

語誌 青

(1)アカ・クロ・シロと並び、日本語の基本的な色彩語であり、上代から色名として用いられた。アヲの示す色相は広く、青・緑・紫、さらに黒・白・灰色も含んだ。古くは、シロ(顕)〓アヲ(漠)と対立し、ほのかな光の感覚を示し、「白雲・青雲」の対など無彩色(灰色)を表現するのは、そのためである。また、アカ(熟)〓アヲ(未熟)と対立し、未成熟状態を示す。名詞の上に付けて未熟・幼少を示すことがあるのは、若葉などの「色」を指すことからの転義ではなく、その状態自体をアヲで表現したものとも考えられる。

(2)色名としてのアヲは、ミドリ(これも若やいだ状態を表わす意が早い)が緑色(グリーン)の色名として定着するにつれ、狭く青色(ブルー)を示すようになるが、なお、ブルー以外の色にも使われ続けている。

(3)アヲがさししめす色の範囲は広いが、特にミドリとは重なる部分が多く、「観智院本名義抄」の「碧・緑・翠」には「アヲシ」「ミドリ」などの訓が見える。五行説にあてはめると、木・春・東に対応し、「書紀‐神代上」の「下枝には青和幣(あをにぎて)〈和幣、此をば尼枳底(にきて)と云ふ〉白和幣を懸でて」などは、対角の白と対に用いられた例。また、「東大寺諷誦文平安初期点」の「赤珠・青〓」のように、赤と対に用いられることも多い。



しき‐さい【色彩】例文一覧 30件
・・・それは、彼にとっては、不思議なほど色彩の鮮な記憶である。彼はその思い出の中に、長蝋燭の光を見、伽羅の油の匂を嗅ぎ、加賀節の三味線の音を聞いた。いや、今十内が云った里げしきの「さすが涙のばらばら袖に、こぼれて袖に、露のよすがのうきつとめ」と云・・・<芥川竜之介「或日の大石内蔵助」 青空文庫>

・・・実際模範的な開化の紳士だった三浦が、多少彼の時代と色彩を異にしていたのは、この理想的な性情だけで、ここへ来ると彼はむしろ、もう一時代前の政治的夢想家に似通っている所があったようです。「その証拠は彼が私と二人で、ある日どこかの芝居でやって・・・<芥川竜之介「開化の良人」 青空文庫>

・・・おまけに二人をまぎらすような物音も色彩もそこには見つからなかった。なげしにかかっている額といっては、黒住教の教主の遺訓の石版と、大礼服を着ていかめしく構えた父の写真の引き延ばしとがあるばかりだった。そしてあたりは静まり切っていた。基石の底の・・・<有島武郎「親子」 青空文庫>

・・・それから水々しく青葉に埋もれてゆく夏、東京あたりと変らない昼間の暑さ、眼を細めたい程涼しく暮れて行く夜、晴れ日の長い華やかな小春、樹は一つ/\に自分自身の色彩を以てその枝を装う小春。それは山といわず野といわず北国の天地を悲壮な熱情の舞台にす・・・<有島武郎「北海道に就いての印象」 青空文庫>

・・・われらこの烈しき大都会の色彩を視むるもの、奥州辺の物語を読み、その地の婦人を想像するに、大方は安達ヶ原の婆々を想い、もっぺ穿きたる姉をおもい、紺の褌の媽々をおもう。同じ白石の在所うまれなる、宮城野と云い信夫と云うを、芝居にて見たるさえ何とや・・・<泉鏡花「一景話題」 青空文庫>

・・・ が、ものの本の中に、同じような場面を読み、絵の面に、そうした色彩に対しても、自から面の赤うなる年紀である。 祖母の傍でも、小さな弟と一所でも、胸に思うのも憚られる。……寝て一人の時さえ、夜着の袖を被らなければ、心に描くのが後暗い。・・・<泉鏡花「瓜の涙」 青空文庫>

・・・ 疱瘡の色彩療法は医学上の根拠があるそうであるが、いつ頃からの風俗か知らぬが蒲団から何から何までが赤いずくめで、枕許には赤い木兎、赤い達磨を初め赤い翫具を列べ、疱瘡ッ子の読物として紅摺の絵本までが出板された。軽焼の袋もこれに因んで木兎や・・・<内田魯庵「淡島椿岳」 青空文庫>

・・・その第一回は美妙の裸蝴蝶で大分前受けがしたが、第二回の『於母影』は珠玉を満盛した和歌漢詩新体韻文の聚宝盆で、口先きの変った、丁度果実の盛籠を見るような色彩美と清新味で人気を沸騰さした。S・S・Sとは如何なる人だろう、と、未知の署名者の謎がい・・・<内田魯庵「鴎外博士の追憶」 青空文庫>

 時間的に人事の変遷とか、或は事件の推移を書かないで、自分の官能を刺戟したものを気持で取扱って、色彩的に描写すると云うことは新らしき文芸の試みである。 だから、それは時間的と云うよりは寧ろ空間的に書くことになる。元来これは絵画の領域・・・<小川未明「動く絵と新しき夢幻」 青空文庫>

・・・そして、粘土細工、積木細工、絵草紙、メンコ、びいどろのおはじき、花火、河豚の提灯、奥州斎川孫太郎虫、扇子、暦、らんちゅう、花緒、風鈴……さまざまな色彩とさまざまな形がアセチリン瓦斯やランプの光の中にごちゃごちゃと、しかし一種の秩序を保って並・・・<織田作之助「アド・バルーン」 青空文庫>

・・・その崋山の大幅というのは、心地よげに大口を開けて尻尾を振上げた虎に老人が乗り、若者がひいている図で、色彩の美しい密画であった。「がこれだってなかなか立派なもんじゃないか。東京の鑑定家なんていうものの言うことも迂濶に信用はできまいからね。・・・<葛西善蔵「贋物」 青空文庫>

・・・元来一つの物に一つの色彩が固有しているというわけのものではない。だから私はそれをも偽瞞と言うのではない。しかし直射光線には偏頗があり、一つの物象の色をその周囲の色との正しい階調から破ってしまうのである。そればかりではない。全反射がある。日蔭・・・<梶井基次郎「冬の蠅」 青空文庫>

・・・画題といい色彩といい、自分のは要するに少年が書いた画、志村のは本物である。技術の巧拙は問う処でない、掲げて以て衆人の展覧に供すべき製作としては、いかに我慢強い自分も自分の方が佳いとは言えなかった。さなきだに志村崇拝の連中は、これを見て歓呼し・・・<国木田独歩「画の悲み」 青空文庫>

・・・何故なら恋の色彩は多様でもいのちと粋とは逸してしまうからだ。真に恋愛を味わうものとは恋のいのちと粋との中心に没入する者だ。そこでは鐘の音が鳴っている。それは宗教である。享楽ではない。 清姫の前には鐘があった。お七の前には火があった。そし・・・<倉田百三「女性の諸問題」 青空文庫>

・・・独歩はブルジョア的であるが、蘆花は封建的色彩がより色濃い。蘆花自身人道主義者で、クリスチャンだったが、東郷大将や乃木大将を崇拝していた。「不如帰」には、日清戦争が背景となっている。そして、多くの上級の軍人が描かれている。黄海の海戦の描写・・・<黒島伝治「明治の戦争文学」 青空文庫>

・・・ 当時所謂言文一致体の文章と云うものは専ら山田美妙君の努力によって支えられて居たような勢で有りましたが、其の文章の組織や色彩が余り異様であったために、そして又言語の実際には却て遠かって居たような傾もあったために、理知の判断からは言文一致・・・<幸田露伴「言語体の文章と浮雲」 青空文庫>

・・・そこにはまた白に近い淡緑の色彩の新しさがあって、その力のある花の形は周囲の単調を破って居た。 三年の間、私は異郷の客舎の方で暗い冬を送って来た。寒い雨でも来て障子の暗い日なぞにはよくあの巴里の冬を思出す。そこでは一年のうちの最も日の短い・・・<島崎藤村「三人の訪問者」 青空文庫>

・・・こんな風で同情道徳の色彩も変ってしまった。 さらに一つは、義務とか理想とかのために、人間が機械となる場合がある。ただ何とはなしに、しなくてはならないように思ってする、ただ一念そのことが成し遂げたくてする。こんな形で普通道徳に貢献する場合・・・<島村抱月「序に代えて人生観上の自然主義を論ず」 青空文庫>

・・・真実くるし過ぎた一夏ではあったが、くるしすぎて、いまでは濃い色彩の着いた絵葉書のように甘美な思い出にさえなっていた。白い夕立の降りかかる山、川、かなしく死ねるように思われた。水上、と聞いて、かず枝のからだは急に生き生きして来た。「あ、そ・・・<太宰治「姥捨」 青空文庫>

・・・と思ったが、その思ったのが既に愉快なので、眼の前にちらつく美しい着物の色彩が言い知らず胸をそそる。「もう嫁に行くんだろう?」と続いて思ったが、今度はそれがなんだか侘しいような惜しいような気がして、「己も今少し若ければ……」と二の矢を継いでた・・・<田山花袋「少女病」 青空文庫>

・・・それが云わば敵国の英国の学者の日蝕観測の結果からある程度まで確かめられたので、事柄は世人の眼に一種のロマンチックな色彩を帯びるようになって来た。そして人々はあたかも急に天から異人が降って来たかのように驚異の眼を彼の身辺に集注した。 彼の・・・<寺田寅彦「アインシュタイン」 青空文庫>

・・・どの家にも必ず付いている物干台が、小な菓子折でも並べたように見え、干してある赤い布や並べた鉢物の緑りが、光線の軟な薄曇の昼過ぎなどには、汚れた屋根と壁との間に驚くほど鮮かな色彩を輝かす。物干台から家の中に這入るべき窓の障子が開いている折には・・・<永井荷風「銀座」 青空文庫>

・・・それに色彩が好い。 色彩は私には大変な影響を及ぼします。太功記の色彩などははなはだ不調和極まって見えます。加藤清正が金釦のシャツを着ていましたが、おかしかったですよ。光秀のうちは長屋ですな。あの中にあんな綺麗な着物を着た御嫁さんなんかが・・・<夏目漱石「虚子君へ」 青空文庫>

・・・それらの夢の景色の中では、すべての色彩が鮮やかな原色をして、海も、空も、硝子のように透明な真青だった。醒めての後にも、私はそのヴィジョンを記憶しており、しばしば現実の世界の中で、異様の錯覚を起したりした。 薬物によるこうした旅行は、だが・・・<萩原朔太郎「猫町」 青空文庫>

・・・普通のくだものの皮は赤なら赤黄なら黄と一色であるが、林檎に至っては一個の菓物の内に濃紅や淡紅や樺や黄や緑や種々な色があって、色彩の美を極めて居る。その皮をむいで見ると、肉の色はまた違うて来る。柑類は皮の色も肉の色も殆ど同一であるが、柿は肉の・・・<正岡子規「くだもの」 青空文庫>

・・・いろいろな服装や色彩が、処々に配置された橙や青の盛花と入りまじり、秋の空気はすきとおって水のよう、信者たちも又さっきとは打って変って、しいんとして式の始まるのを待っていました。 アーチになった祭壇のすぐ下には、スナイダーを楽長とするオー・・・<宮沢賢治「ビジテリアン大祭」 青空文庫>

 この頃いったいに女のひとの身なりが地味になって来たということは、往来を歩いてみてもわかる。 ひところは本当にひどくて、女の独断がそのまま色彩のとりあわせや帽子の形やにあらわれているようで、そういう人たちがいわば無邪気で・・・<宮本百合子「新しい美をつくる心」 青空文庫>

・・・それも西洋の近頃の作品のように色彩の濃いものではない。言わば今まで遠慮し勝ちにしてあった物が、さほど遠慮せずに書いてあるという位に過ぎない。 自然主義の小説は、際立った処を言えば、先ずこの二つの特色を以て世間に現れて来て、自分達の説く所・・・<森鴎外「沈黙の塔」 青空文庫>

・・・争う色彩の尖影が、屈折しながら鏡面で衝撃した。「陛下、お気が狂わせられたのでございます。陛下、お放しなされませ」 しかし、ナポレオンの腕は彼女の首に絡まりついた。彼女の髪は金色の渦を巻いてきらきらと慄えていた。ナポレオンの残忍性はル・・・<横光利一「ナポレオンと田虫」 青空文庫>

・・・また色彩の上から言っても、油絵の具は色調や濃淡の変化をきわめて複雑に自由に駆使し得るが、日本絵の具は混濁を脱れるためにある程度の単純化を強要せられているらしく思われる。――これらの性質は直ちにまた画布の性質に反映して、その特質を一層強めて行・・・<和辻哲郎「院展遠望」 青空文庫>


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