読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

岩波新書 「職人」 永六輔著から

2008-06-01 10:56:14 | Weblog

岩波新書「職人」永六輔著から
計量法と言う法律が出来て曲尺や鯨尺が使えなくなった頃、永六輔氏は「寅さん映画に」に出た事が有ったそうだ。亡き渥美清さんから「オレが縁日で曲尺や鯨尺を売っている。そこへ取締りに来た警察官の役を永さんにやってもらおう。」と言う話を出した。
永氏はその頃、尺貫法復権運動をやっていて日本中の職人さんからの支持を受けていた。永氏はわざと曲尺や鯨尺を作って販売し、警察へ自首して見ると警察では「今、忙しいから。」と逮捕する事を断られたと言う話を永氏がラジオでしていた事を記憶している。このときの職人さん達との交流が契機となって岩波の「職人」が書かれる事になったのだろう。ちなみに、このときの「寅さん映画」のマドンナは京マチ子だった。後に警察も職人が曲尺や鯨尺を使っていても見て見ぬふりをするようになったそうだ。又、別の日のラジオ放送で永氏は「守れない法律もある。」と言っていた事が有ったがこの尺貫法もその一つか。