読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

一世紀カレンダー

2008-06-25 09:03:56 | Weblog

加藤徹氏が自らの著書「漢文力」中公文庫のなかで作家井上ひさし氏の「私家版日本語文法」に出ている話を紹介している。この本は私も読んだ事が有った。「一世紀カレンダー」の話である。井上氏は昔、銀座の文具店で「一世紀カレンダー」と言う新聞紙の二倍の大きさの紙に百年分の暦を書いたカレンダーを買った事が有ったそうだ。彼はそれを持ち帰り、仕事部屋の壁に張り眺めた。それを眺めながら思った。「自分は、いや今、この地球上に生きている人は全てこのカレンダーにある何れかの日に死ぬのだな。」と思って気が重くなったと言う。数日後、そのカレンダーを友人が持ち去ったので再度、銀座の文具店に行くと女店員が答えた。「あのカレンダーは発売禁止になりました。あのカレンダーを眺めているうちに自殺した人が二人も出たんだそうです。」と。加藤徹氏もこのカレンダーを持っていたそうである。