読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

「今東光一座ドサ廻り」の博識

2008-06-21 11:16:57 | Weblog

文春が主催し、恒例としていた作家達による地方講演会が数多くあった。松本清張、今東光、瀬戸内寂聴のトリオによる地方講演会の旅も幾度か有ったらしく、瀬戸内寂聴は、この三人による地方講演の旅を「今東光一座ドサ廻り」と名付けたそうだ。その講演の旅の列車のなかで清張と東光の会話に寂聴は、二人の知識の深さに驚嘆したと言う。清張は学歴が無く東光も確か中学中退だった筈で、川端康成と知り合って後、東大の授業にも授業料なしで出たそうだ。二人の博学さは文学、歴史、哲学、宗教、化学までに及び一流の知識だった。二人の話をそばで聞いていて「耳学問の寿福」だったと寂聴が書いている。「学歴のむなしさ 独学のおそろしさ」と言う稿での寂聴の話である。そう言えば、詩人のサトウハチローも芸大の偽学生だった事を思い出した。博識と言う点では、ドナルド・キーンも司馬遼太郎と対談したとき司馬の博識さに驚いたと書いていた。