読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

八幡神社

2007-10-12 11:26:09 | Weblog

司馬遼太郎「この国のかたち」から
無名から出て中世初頭まで世に注目され続けたのが八幡神だそうだ。記録好きな日本人はこの神の来歴、発展を文献にし続けた。この八幡神は568年、仏教の伝来後、ほどなく大分県の宇佐に出現した。日本特有の神でなく外来の神である。信者の政権への働きかけが活発で奈良朝の大仏造営の際にもこの神が宣託し、東大寺と言う国家機関の中に祭られる事になった。更にこの神は仏教に帰依した。神仏習合がおこり、日本の神々が滅亡から救われた。「普通、外からの文明に支配されるとその地域の文明が滅亡し、その国特有の文字も消える。」とこれは白川静氏の岩波新書「漢字」のなかでの言葉。